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ほぼ日刊三浦タカヒロ。

「産直市が学びの場:仙台市」

「おいしい地元の野菜いかがですか。」
小さな手と手に野菜を握りしめ、テントのなかから販売体験中の小学生たちが元
気よく売り声をお客さんにむけます。

ここは仙台市市役所前の勾当台公園市民広場。「朝市夕市ネットワーク」合同定
期市会場です。仙台市西山小学校5年生56名の生徒が校外学習として参加しま
した。
西山小学校では給食室、生ゴミ堆肥機そして地元農家さんとのつながりがあり、
「西山食の探検隊」と題して食の循環などを総合的に学ぶ食育を展開されています。
調べてきた成果の活動発表と、旬の食材との出会いを通して「食と農」の関わ
り、いのちの連鎖を学ぶためにやってきました。

子供たちを受入れた「朝市夕市ネットワーク」は、生産者と消費者とのつながり
づくりを目標に96年に設立されたNPO。最近さらに連携を広げて深め、乾燥生ゴ
ミリサイクル、まちなかマルシェへの参画など、合同定期市だけでなく「食と農
と環境」を主軸に持続可能な地域づくり活動としての取組みを進めています。

「子どもたちにとってはすごい教育効果のある活動です。それだけさまざまな方
々のお世話になっています。」とは西山小学校栄養職員の氏家幸子先生(年齢)。 

連携団体である宮城教育大学環境NPO「仙台いぐね研究会」の学生さんによるサ
ポートのもと、生徒たちは給食の野菜くずでできた堆肥とリサイクル野菜とを交
換(1kg×56名分)。
保護者やお客さんへ食育の学習結果をパネル展示で説明し、チラシを配りながら
丁寧に取組発表をしていました。
出店農家やお客さんに合同市や農産物のことについてインタビューも行いまし
た。野菜の旬について、栽培の苦労、美味しい食べ方、堆肥の製造方法なども真
剣に聞き取っていました。
最後に、農家さんとともに販売体験。その売り声を会場中に響かせながら、お客
さんとの接客やお話に一生懸命応対していました。

「たくさんの課題を持って出かけた5年生ですが、実際の様子を勾当台公園に
行ってみたら、みんな生き生きと活躍していて、よい学びをしていることに大変
うれしくなりました。」
とは校長の菅原康子先生(年齢)。

 翌日18日には学校に持ち帰ったリサイクル野菜のみで美味しいスープを作り、
お世話になった用務技師の方や給食室の方、次年度同じ活動を考えている4年生
にご馳走したそうです。

改正学校給食法が施行、「地域の食文化、食に関わる産業、自然環境の恵沢に対
する理解の増進」と明文化されたこともあり、社会教育や学校教育現場などから
地域の農業者へお寄せいただく相談も多くなってきているようです。
生活圏での多様な連携の取組みの積み重ねから、「地球規模で考え、自分ごとと
して地域の摂理を学ぶ」という食材の旬と出会う食農学習の場として、各地の農
業現場がにぎやかに活用されていくのではないでしょうか。


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