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カテゴリ:■形成外科・手外科
尺骨神経麻痺/手術予習
先週の外来でKCCに "尺骨神経麻痺の患者の手の写真を撮る方法は?"と尋ねられた。 ポイントは以下の4点。 (1) claw変形が矯正されないよう手を宙に浮かせて撮影する (2) 示指・中指のcross finger、手指を最大内転・外転(骨間筋機能を見るため) (3) 背側第1骨間筋萎縮 (4) Froment's sign ◆解剖 尺骨神経 -(肘部管より末梢で)FCUに筋枝 -(そのすぐ末梢で)FDP4,5に筋枝 -(前腕遠位1/3で)手背枝dorsal branch(※1)と掌枝palmar branch(※2)が分岐 -(豆状骨遠位端で)浅枝superficial branch(※3)と深枝deep branch(※4)に分岐 -(さらに深枝は)小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋に筋枝 - 第3,4虫様筋に筋枝、全骨間筋に筋枝、母指内転筋に筋枝 - 最後に第1背側骨間筋への筋枝で終わる ※1: 手の尺側背面、小指基節背側面・環指基節尺側背側面の知覚 ※2: 小指球上の知覚 ※3: ほぼ知覚枝:小指指神経、環指尺側指神経 ※4: ほぼ運動枝: ◆身体所見・検査 (a) 骨間筋× →指の内転・外転× (b) 骨間筋×,虫様筋3,4× →第1背側骨間筋の萎縮 →環小指でMP過伸展・IP屈曲のintrinsic minus position(clawfinger) (c) 母指内転筋× →母指内転力↓ →母指MP不安定→不安定性代償するために母指MP伸展位でIP屈曲して母指-示指間の摘みを行う(Froment's sign) (右がFroment's sign陽性) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.18 13:29:59
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