127854 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

団塊夫婦の海外旅行(東南アジア            フランス エジプト)

団塊夫婦の海外旅行(東南アジア            フランス エジプト)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

シナノヴァルマン

シナノヴァルマン

Calendar

2007.06.05
XML
カテゴリ:海外旅行

ここらで ちょっと 休憩!

これから話は、タイのアンコール遺跡
タイの王朝、アンコールの崩壊、
タイとビルマの戦い・・・・と進んで行く。
・・・・・が、

ここらで 用語の解説をする。

先ずは、リンガとヨニについて
この言葉は、東南アジアで遺跡を見て廻るとき、
少なくとも一日に100回以上は耳にするか、
実際に、目で見ることになる。

写真を見れば、すぐに何か判ると思う。
立っているのが男根、
下の四角いのが女陰を表わしている。
性交のシンボルである。

Linga nyatchan.jpg

男根が女陰に突き刺さっている。のっているわけではない。
男根をリンガ、四角い石をヨニと呼ぶ。
遺跡の周辺には、ヨニはごろごろと転がっているが、
リンガはあまり重くないためか、殆ど単独では転がっていない。
どこかへ盗まれていって、米搗き石にでも使われているのか?
アンコールのリンガは、上が丸く、中ほどが八角形、
下が正方形の横断面で出来ている。

preAngkor_Linga.jpg 初期の写実的なリンガ

ヨニは四角で、真ん中にリンガが嵌まり込むように
正四角形の穴が下まで突き抜けてあいている。
また、穴の周りは少し掘りこんであり、
四辺の一箇所は、溝がついた突起部がある。

はじめ、何故この四角い石が、女陰なのか理解できなかった。
ジャワのセウ寺院で偶然に保存庫の横を通り過ぎた際、
沢山保存してあるヨニを見て、ヤット了解できた。

Yoni.jpg

では、このリンガ・ヨニの役目は何だったか?
ヒンドゥー教でこれを使った。

現在、東南アジアでヒンドゥー教は、バリ島だけだが、
かつて東南アジアの権力者は、ヒンドゥー教を信仰していた。
ヒンドゥー教には、カーストという厳格な身分制度があり、
カーストにより食事から職業・結婚・葬儀も決まってしまう。

簒奪した王権を、正当化してくれるヒンドゥー教の神官、
自分の悲しい身分を諦める平民やもっと下の階級の民・・・・
神官、王様、貴族、平民、農民、奴隷・・・

それぞれの階級が、安定した社会を造るためには、
ヒンドゥー教では必要だった。
 

そのような、階級社会の舞台で、
最高に華やかな儀式が『灌頂』(かんじょう)である。
それは、王様の頭に聖水を注ぐことである。
即ちそれは、帝王の即位を意味する。

聖水を造る道具、これがリンガ・ヨニである。・・・と思う。
『灌頂』という大それた儀式でなくても、
日頃、いろんな儀式で、聖水をふりかけたり、
体を清めたりしたのだろう。

ヒンドゥー教の回廊で囲まれた寺院の真ん中には、
祠堂(しどう)と呼ばれる高い塔屋がある。

AW_Shidou.jpg

          アンコール・ワット中央祠堂

この祠堂の真ん中にリンガ・ヨニが据えられている。
据え方は、ヨニの突き出た方向が北を示すように据える。

Direction.jpg

リンガの先端から灌頂された清い水は、リンガを伝わり、
ヨニで集められ
ヨニの突き出た部分からソーマ・スートラという名の
樋(とい)に流れ落ちる。

makara.jpg
樋の先端にマカラ(想像上の鰐)等が彫られており、
祠堂の北側に穿たれた出口(ガーゴイル)を通り、
聖水は、溝でしかるべきバライ(聖なる濠)へ
導かれる。・・・と、私は想像している。

Haisui.jpg

         聖水を導く溝  タイ パノムルン遺跡
              祠堂の中心にリンガとヨニがある

途中、途中で階級により、聖水を戴いたのであろう。
頭からかけたり、おでこに塗ったり、飲んだり・・・・
今でも、バリ島などでは、
この聖水をおしいただいて願をかけているそうだ。

日本の墓石も、リンガに似ている。
京都花園にある妙心寺大通院の
山内一豊・妻千代の墓など、まるでリンガだ。

060116daitsuin6.jpg

 山内一豊(左) と 千代(右)の墓

また、我々の墓石でも、戒名を掘り込むメインの石を
竿石(さおいし)と呼ぶ。

design_02.jpg
勿論、竿(さお)とは、男根の隠語である。するとこれもリンガ?
墓参りをするとき、ヤカンに水を入れて持参し、墓の頭から水を注ぐのも、やはり灌頂の名残かな?
インドから大乗仏教も伝わったのだから、
ヒンズー教だって伝わっていても不思議がない。


奈良には、古くから不思議な石像が沢山あり、
1916年に発見された出水酒船石(でみずさかふねいし)と
いうものがある。
何故か、野村證券の美術館に私的に収納されていて
見学できないようですが、
これこそ、リンガこそ失われてはいるが、
ヨニ、ソーマ・スートラがセットになった
立派なヒンドゥーの遺物だと思う。

sakafune1916_1.gif

 

 

 

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.06.05 15:29:29
[海外旅行] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.