はじめてのジャンダルム2日目
9/20 西穂高山荘~ジャンダルム~奥穂高山荘AM2時起床。ガスっている。棒ラーメンの朝食で4時出発。当然真っ暗だ。発狂系寝言のおっさんのせいで眠れなかった。たくさん寝返りを打って、一番落ち着いた場所はほんわり暖かくて幸せだったが、残念ながら十分に寝れたわけではない。これから10時間近く、今までの自分には考えられなかったルートを行く。ワクワクより不安が大きい。このガスが雨粒になったら?この先の岩稜帯に越えられない所がでてきたら?体力は持つ?食料や水は大丈夫?軽量化してるしハンデもつけて貰ったザックだけど負担にならない?丸山・独標も暗い中到着した。こんなに暗い中を岩歩きするのは初めてだ。ピラミッドピークでようやく薄明るくなってきた。ガスが晴れ始める。目の前に岩山がある。乗り越える。落ちないように下る。オレンジ色の朝日と青空が層、雲海がきれい。西穂高岳までがこんなに遠いとは!時々振り返り雲海から頭を出した山並みを見る。この辺りからもう足場に土はなく岩ばかり。急な登りは登山というよりクライミング。登ったら下る。クライムダウンが怖くてしかたがない。ツルッと足を滑らせたら、派手な音を立てて谷に落ちていった落石のように私も砕け散る?嫌な想像が頭から離れない。自分の技術や体力が他の人より足りなくて付いて行くのも遅い。怖さと情けなさが混ざってちょっとメソメソする。そんな中、鼻歌を歌ったり冗談を言って場を和ませてくれるK校長はすごいと思う。山行部部長Kさんも「安全第一ね!」と皆のお母さんだ。SLのN君はいつもどおりニコニコしてほんわり優しく気づかってくれる。私にできることは日焼け止めを塗ってあげることくらい。 ジャンダルムが目の前!広くなっている部分で期待と不安いっぱいになって眺めると、同じ山岳会の別グループがジャンの山頂でバンザーイ!さあ、これから私たちもジャンダルムに登るのだ、ザックを背負っていざ!とザックを持ち上げると岩の隙間に何かが落ちた。コンパスが引っかかって落ちたようだ。落ちた所には20cm程度の石が2つ重なっていたのでよいしょとのける。のけた先にできた穴に小石が落ちる。カーン、カーン、カーン、カーンと長く響く落石の音。この穴は奈落、底は見えない。私のコンパスは奈落の中で、ちょうど北にあるジャンダルムを指し続ける。さようなら、私のシルバコンパス(¥4,500)ジャンダルムで一番怖かったのは始めに打たれている杭。そこを上り下りするのだが、私の脚には微妙に遠い。鎖もついているが、鎖よりホールドとスタンスが欲しかった。ジャンそのものには拍子抜けするほどあっけなく登れた。名前の付いていない登り、下りのほうがよほど怖かった。噂に聞いたジャンダルムの天使。はじめまして、どうもこんにちは。 ジャンダルムから今まで歩いた道のりを眺める。奥穂高岳は目の前!しかし岩稜帯は上下に進む。近づかないのがもどかしい。馬の背を登る。左右が切れ落ちて怖いけれど、スタンスがしっかりしているので登るには問題ない。逆ルートで下りだったら相当イヤ。奥穂高に到着!大混雑で山頂の神社には近づくのも難しい。それでも、ついにジャンダルムを越えてここまで来た!と今まで感じたことのない達成感。思わずメンバーにハグを求めたほど(本音を言うならもっとぎゅーーっ!としたかった笑)。さっさと降りて奥穂高山荘へ行ってテントを張る。同会の別グループが先に申し込みしてくれたのと、スタッフさんがパズルのようにきっちり管理してくださったお陰でメンバーが固まってテントを張ることが出来た。食事の時間までお酒を飲んでいい時間を過ごした。今夜は小屋食。軽量化の意味もあるけど頑張った自分たちへのご褒美でもある。テントは昨日より暑くない。標高も昨日よりずっと高いし、炊事をしていないので熱気がこもってないから。でも、なぜだか寝れない。ひどいいびきをかく人も寝言をいう人もいなかった。クタクタで今日はすぐ眠れると思ったのに!きっと、今日の行程の興奮が抜けなくて神経が高ぶっているのだろう。明日は前穂に寄ってからの下山。AM2:30起きだ。ちゃんと寝れたのは1~2時間だった。 【 シルバ コンパス 】シルバ Ranger3 限定色 ライトグリーン ( ECH140-052 / EV10278098 )【 シルバ 】