スフィンクスまで5,000キュビット
「エジプトで人類最古の看板発見」というニュースを目にしたのは、もう二十年くらい前の話なんで、最古が更新されている可能性もある。この手のヲタ話が好きな小鬼と、「なんて書いてあると思う? かーちゃんは『3,000円ポッキリ』とかじゃないかと」みたいなくだらん話をしていたのだが。「小鬼……最近思うんだが、あれって観光案内って説はどうよ。『スフィンクスこちら』みたいな」「ええーー!? お墓だよ? 観光事業にはできないんじゃ……いや待てよ。公共事業でもあったんだから、そこはむしろ観光にしないとダメだな」「でしょ? 『スフインクスまで5,000キュビット』みたいな! 『おお、歩ける距離だなちょっと観てくか』っていう」「そうか、信仰の対象だからがんがん観光アピールしてったほうがいい。それだよ!」「ただし神への敬意として20,000キュビットを差し引く……実際は25,00キュビット。歩くのつらい」しかし、なんということだ。事実は空想の斜め上を行く。「ふざけんな!金返せ!」古代メソポタミアの粘土板に刻まれた文字の解読を行ったところ、顧客のクレームであることが判明「それがあったか!」小鬼とハモる夜であった。