Second Wind　　嗚呼、くりむぞん

前節からキーパー、トップ下、ボランチを入れ替えてきた。
キーパー荻、トップ下三浦は予測されたことではあるが、小森田と原の組み合わせは未知数。
ただ前節より多少守備に振れた布陣かと予想された。

前半開始から、前節と同様攻撃主体。
ただ前節程に闇雲に攻めるわけではなく、攻守の切り替えが考慮されていたように見受けられた。
愛媛のカウンターがそれほど切れていないことを察したためか、ラインを高く保ち全体がコンパクトだったため、奪われてもスペースを与えない。危険な場面はほとんど無い。
攻撃面は、相変わらずゴール前までは得点の香りはするものの、詰めが甘く得点には至らない。これは前節と、いや昨年までと全く変わらない。

後半に入って原に替わり栗原イン。栗原がトップ下に入り三浦を０．５程下げ、多少攻撃的に修正する。
三浦を基点に、両サイドあるいは栗原と、攻撃のバリエーションを意識しているように見える。
悪くない攻めを見せている時間帯、朴が競って落としたボールを近藤がきっちりと決める。

先制後はリトリートからのカウンターに徹する。バクスターが目指すスタイルか。
セットプレーからの危ないシーンもあったり、近藤が一対一を決められなかったりと問題はあったが、それほど波乱もなく終了。
遅まきながら、今期初勝利をものにする。

今日の試合では、３－２で勝つよりも１－０で勝つ、といった雰囲気があった。
そういった意味では、バクスターの思い通りの試合ではなかったか。

真剣勝負は初の荻も無難にこなしていた。危ないシーンは少なくまだ評価しにくいが、散発的な位置取りのミスはあったものの落ち着いたセービングを見せていた。今まで出場機会に恵まれず伸び悩んでいた感のある荻であるが、流石は選手権準優勝ＧＫである。このまま定位置を確保してほしい。
ＤＦも大きな破綻は無く、落ち着いた対応を見せていた。特に柳川は順調に育てばかなりの選手になる。
中盤もメンバーは入れ替わったが、特に大きな問題は無い。前節草津戦のように、先制された後に混乱するかどうかによって結果は変わるだろう。初出場の小森田は独特のリズムがある。相手を翻弄するとともに、味方と合わないこともありそうな諸刃の剣と感じた。長いシーズン中に判り合えると思うが。
ＦＷは、詰めの甘さ、バリエーションの少なさといった面では不満だが、フィニッシュまでの組み立て、朴や近藤、茂木の動きは非常に効果的だった。
ただ、朴、近藤が不在時に一抹の不安がある。村瀬は完全に伸び悩んでいる感がある。

兎にも角にも半年ぶりの勝利。思えば長かった勝利への道である。

負け癖がついているというより、負けるのが当たり前になったチーム。
そんなチームに魅力など無い。
観客動員が如実に表している。
勝ち続けること。これがクラブにも選手にもサポーターにも、自信と魅力を与える唯一の道であろう。