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テーマ:家を建てたい!(9768)
カテゴリ:外壁材
![]() 知り合いの方から、昔建てた建物の外壁が浮いてきているので 見て欲しいという相談を頂いた。 親しくお付き合いを頂いているので、早速見せて頂いたのだが、 予想以上に外装の劣化が甚だしい。 外壁の塗り直しでもそうなんですが、少し色落ちしてきたなと 思ったら、数か月でみるみるうちに変色や劣化がひどくなる。 それと同じで、最近まではそれ程でもないと思っていたので しょうが、いきなりここも酷くなってきたんだと思います。 写真をご覧頂いた通り、建物のコーナー部分や構造の床組み、 天井組み、間仕切り壁等のある部分などから塗り壁材の剥離が 始まっているように見えます。 こういうところは、湿気や水分が溜まりやすく、それをどこかで 抜くような工夫が必要です。 剥離した部分を見ると、外壁の合板の上に直接モルタルを塗って その上にジョリパットのような塗り壁材が塗られています。 南フランスやプロヴァンス風と言って、扇状に塗るコテ塗り外壁が 10年以上前に流行りましたよね。 私たちなら、構造用合板の上に胴縁を打って通気層を作り、その上に 下地となるコンクリートのサイディング・パネルを張って 最後に伸縮性のあるStucco Flexのような塗り壁材で仕上げます。 通気層は、外部から万一水が侵入してもそのスペースから逃がす 空間となりますし、内部の湿気等も通気層へ放出して屋根の棟から 逃がすというシステムが構築されます。 この方法も100%ではありませんが、相当リスクを回避出来ます。 国産の塗り壁材自体は、伸縮性に欠け、熱や湿気による構造体の 動きには追随出来ませんから、このようにどんどん剥がれてきて しまいます。 モルタルの上に塗り壁材を塗るという湿式工法は、こうした 問題を引き起こしやすいのですが、予算を削減する為に 分かっていながらこの方法を取る建築屋は、数多く存在 したはずです。 確かに他社の見積より安くする為には仕方ないことだったと 思いますが、問題の情報を開示し、それでもお客さんが安さを 取るのかどうか話し合うことが必要です。 (まあ、そんな話をする親切なビルダーは、少ないですが・・・) 安いものには、訳があります。パッと見分からないことでも 良心のあるビルダーならば、見えないお客の利益を優先し、 敢えて手間や費用の掛かる仕事をするものです。 だから、金額よりもビルダーの人柄や経験、信念を見極めないと いけないのですが、なかなか難しいのが人情ですね。 家づくりでは、皆さんの価値観や人間性も建物に表れてきます。 業者の施工不良は、もしかしたら皆さんの心持ちの問題が 半分あるかも知れないことを忘れないで下さいね。 そう、家づくりは、禅問答であり修行なんです。 何れにしても、この建物を何とかしなければと思っています。 直すのは結構面倒で大変ですけど、いい加減なことは出来ません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013年06月01日 09時13分27秒
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