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憬月庵雑記

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2004年01月13日
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ぼくが里山暮らし関係の教科書として繰り返し読んでいる本に「自然の暮らしがわかる本」(山と渓谷社)というのがある。新田穂高氏と城ノ内まつ子氏ご夫妻の共著だ。

お二人に会いに茨城県の八郷町へ行ってきた。ここの築150年の古民家に移り住んでから5年になるという。いまだに茅葺の屋根だ。名づけて「かややねのいえ」。

新田さんは軽四輪で駅まで迎えに来てくれた。駅から10分ほど走ると、田畑のただなかにその家はあった。背後にはなだらかな雑木林が控える。

件の本に小さな写真が載っていたのでなるほど見覚えのある佇まいだが、これほどすばらしいとは思わなかった。敷地千坪。門がある。土蔵二棟に物置が中庭を囲むように配されている。物置以外はすべて基本的に昔のままの外観。軽量鉄骨の物置も古く色あせて、そう違和感なく全体の景観に溶け込んでいる。
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ぼくも随分古民家物件を見て回ったが、これほど茅葺の母屋と全体が自然に馴染んでなお生活観を備えた農家物件は見たことがない。たいていは、茅を鉄板で覆い、新建材で増築するか、傍らに新築するかしてあって、とても見られたものではない。あるいはきれいに再生しているか。再生は再生でいいのだが、ぼくの理想はこういう里山の農家の味を保った家だ。

屋根の補修に使う茅は友人の助けを借りてみずから刈り集めてくるそうだ。土蔵の脇にうずたかく積まれていた。薪用の梨の幹も玉切って積んであった。
kaya


ヤギがいる。名前はハナ。
hana
そして、犬のラン。ランちゃんはとても元気で人懐っこい。なでてやるとおとなしくなって横目でぼくを見る。その目はすばらしく魅力的。ここまで美人の犬は珍しい。 rann


一通り敷地内を見せていただくと、まつ子さんに招きいれられて、お茶の間で話が始まった。

今日は、四月からの開講を計画している「里山暮らし基礎講座」の講師を新田さんにお願いするために来たのだ。手紙で概要はお知らせしてあったものの、初対面でもあり先ずはぼくの考えや活動やらの紹介から始めた。

その間、まつ子さんはカステラと焼き芋と珍しい青森の有機栽培のりんごを出してくれた。どれも美味かったが、なんと言っても驚いたのは焼き芋だ。あんなに豪華な焼き芋は初めてだった。

豪華といっても何が付いているわけでもない。ただオーブンで皮ごと焼かれたサツマイモだ。その皮はちょうど焼きたてのフランスパンのような食感と香ばしさ。そしてその下には、まるでクリームの様に滑らかに蒸し上がった黄色い芋の肉が、上品で凝縮された甘さを湛えていた。

それもそのはず、まつ子さんは手作り自然食の専門家だった。今度、文化出版局から単行本を出される。

あっという間に時間が過ぎて、最後にご意向を聞いたら、快く引き受けてくださった。これで一安心。ぼくの最初の仕事もぐっと実現に近づいた。

3時半になっていた。ついたときには日が当たって暖かかったが、いまは曇っていた。帰りも車で駅まで送っていただいた。

ぼくの手の中には、まつ子さんが持たせてくれた手作りジャムの包みが有った。





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最終更新日  2004年01月17日 11時47分59秒


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