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ワインアドバイザーの食卓

ワインアドバイザーの食卓

高知県、有澤酒造

JR土佐山田駅で降りて、駅入り口を背に真っ直ぐ50m行って右手
周りの建物より、ひとまわり歴史を感じさせる建物があります。


アリサワ酒造 です

蔵の歴史は結構古く、明治10年

初代党首が詩を読むのが趣味であったことから
主要銘柄「文佳人」が始まりました。

時がたつにつれ、土佐大手の蔵に押され始め
安いパック酒「土佐日記」「土佐の鬼殺し」がほとんどを占めていたのですが
絶滅寸前だった「文佳人」を、12年前に復活させたのが(なる)
有澤夫妻
七代目の 有澤浩輔さん(36)
隣は奥様の綾さん(昨年春に御結婚)
(年は・・・知りません・・・、浩輔さんより結構若いとしか・・・)

後ろに写っている、ヒゲの男性が杜氏の日高さん(35)

行った時、丁度作業をしていました。
時計

時計をにらむ日高さん。
時間がきたら、大きめの水が入ったタライの中から、米袋を取り出し・・・

洗米

リズム良く袋を振り、水を落としています。
ちなみに、ひと袋は15kg。
松山三井(精米歩合55%)
純米に入れます(酒母用ではなく、後から入れるためのもの)

次に醸造タンク場へ・・・
いきなり現れたのは
もろみ1
2006年4月1日、全蔵一斉解禁!
宇宙酒のもろみです!


そして
もろみ2もろみ3

左:文佳人 純米吟醸 (発酵期間約35日) カプロン酸のいい香り
右:鳴子舞 純米   (写真は発酵10日目)米の風味が良い

「鳴子舞」は、「文佳人」の格下銘柄、7年位前からリリース。
「文佳人」は無濾過生、用冷蔵
ですから、酒はほんのり黄色


もろみ4
これは、文佳人 大吟醸 (写真は発酵20日目、最終35日以上発酵)

ふね
特定名称酒は全て「ふね」で搾られます。
もろみを入れた袋をいくつも並べ、自然の重みで搾って1日
次の日は、袋を入れ替えて少しずつ重みをかける。

かなり重みをかけて搾った部分は「せめ」と呼ばれ
やや雑味があるので、パック酒に混ぜられます。
(「せめ」は約15%・・・もったいねー^^;;)

搾った後の酒粕が、こちら
酒粕2
凄くフルーティな香り♪
私、この酒粕を「料理用酒粕」として商品化したかったのですが
残念ながら間に合いませんでした・・・。



その後
文佳人は、冷蔵タンクに入れられ澱引き
鳴子舞は、やや炭素濾過して、同様に澱引き
(酒1000Lに対し50g、手のひらにちょっと。)


ラベル張り機
かなり年代物の「ラベル張り機」

殺菌するものは
殺菌台急速冷蔵
60数度で殺菌、その後冷水で急速冷蔵
その後ラベルを貼って完成です。


ちなみにパック酒用の米は
洗米2
大目の量で洗われ

洗米3
クレーンで吊られ水切り
大きなタンクで仕込まれ

プレス
プレス機で搾られ(これはまだ自然の重みで搾ってる、後から重し)
少し熟成して完成

酒粕は
酒粕1
こんな感じ、普通の蔵よりも少し柔らかめ
これは全て粕屋に売られます。



試飲1試飲2
ラストに試飲です。
今年の「文佳人純米」「鳴子舞純米」は、本当に見事!
滑らかな舌触りと、絹のような喉越し、キレ味も良い!
色々な料理にも合うし、飽きさせないので飲みすぎてしまいます。

にごり酒「はなおしろい」は
今年は目の細かいザルで漉しているので、クリーミーさがアップ!

そんなアリサワ酒造さん
現在、約4人で700石 (年間生産量、一升瓶70000本という事です)
そのうち、パックが600石
現在の目標としては
特定名称酒の生産量を、1.5倍くらいにしたいそうです。



こんな瓶が保管されてました
お宝の瓶

なんと昭和18年(戦時中)の空瓶!
当時の価格は 
 1升:3.5円
 4合:1.43円
300ml:0.61円

当時の1円って、いくらだろう・・・?
私のイメージでは、1円=今の1万円 と思っているのですが・・・

それ考えたら、凄い!
でも当時は米が不足していたはずだから・・・。


有澤さんとは、一生のお付き合いになることでしょう!
お忙しい中、ありがとうございました。

<最後に耳寄り情報>
土佐山田駅を背に真っ直ぐ、最初の信号を左に曲がって1km
三叉路信号の手前に「さくらベーカリー」があります。
さくらベーカリー外

こちらは、天然酵母でパンを作っている「本物のパン屋」さん
そして、天然酵母と文佳人の酒粕で作ったのが
さくらベーカリー中
「土佐酒粕パン」
これは、出来立てなら生。
軽く焼いても香ばしい!

是非行ってみてください!


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