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ワインアドバイザーの食卓

ワインアドバイザーの食卓

塩2:塩の可能性

塩・・・

各国や各地域で色々な塩がありながら、
これほど興味をもたれていない調味料は無いのではないでしょうか?

卓上塩、塩コショウなどの手軽な商品の普及が原因なのもあるでしょう。
ですから塩をなめ比べた事のない方が多いかもしれません。

一番簡単なのは、トマトのスライスにパラパラかけて食べてみること
精製塩は、とんがった塩分だけが感じられ、トマトの旨味を壊します
自然塩は、(特に高知の海塩は合う!)トマトの旨味を引き出します。



以前多国籍料理をウリにしているお店に行って飲んだとき
トマトのスライスを注文しました。

驚きました!

荒めのカキ氷を皿にひいてから、トマトのスライスを乗せてきたのです。
この心遣いと、見た目を重視する演出に感動すら覚えました。

(*゚ー゚)さすがだな~♪
   言うだけのことはあるな~♪


店員さん:「こちらをお使いください」
と言いながら塩を出してきたのです。

それは・・・・・・
どこの家庭にもある、普通の卓上精製塩でした・・・

||||||||||||||(* ̄ロ ̄)ガーン||||||||||||||||

この瞬間、私の脳内は沸点に達しました!!
「この気遣いができるのに、なんてもったいない!!」

店長さんに塩の違いを言っても、「はぁ?」なんて顔しかしません。

私はショックでした。
見た目の良い店、今系の店なんて言われます。
でも、これが現実なのだと・・・。

酒の食の専門店の店長としては、こんな飲食店様こそ
当店の並々ならぬ食材を使っていただきたいと思ってました。

基礎を侮る店に、味の分かるお客様は来ない。
これは当店のような小売業も含め、食にたずさわる店全てに当てはまります。


例えば、酒を例にとると

いくらおいしいワインを置いていても、温度管理の出来ない店は
クチコミでどんどん「あの店はダメだ」と広がります。

いくら凄い焼酎を置いている酒屋でも
商品がホコリまみれだったら
「この店の人は、本当に焼酎が好きなの?」って思われます。

いくらおいしい日本酒をおいている飲食店でも、
開封して何日もたった酒を平気で出す店に、日本酒ファンは来ません。



他店と差別化を図る
それは正しい事です。

でも、基礎・お客様の舌を侮る店は「エセ~、~もどき」の名がつきます。




精製塩と自然塩
同じグラムだったら自然塩のほうが高いです。
でも、1回に使う量を考えたら、差は何円でしょうか?

その小さな差で、お客様の心をつかむことが出来る場合があります。
「このお店は、ほかの店よりおいしい!」
「このお店のスタッフは勉強している」
って思ってくださる方きっといます。

そんな店は、クチコミ以外でもブログで紹介してもらえます。

安いと思いませんか?
塩・・・・・・素晴らしき可能性を秘めている調味料なのです。


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