攻撃行動とホルモンの関係<オスの攻撃性> ・男性ホルモンは内側視索前野 (MPA) に位置するニューロンの男性ホルモン レセプターと相互作用することでオスの性的行動を刺激 ・去勢によって攻撃性は減少し、テストステロンの注入によって、元に戻る <メスの攻撃性> ・攻撃はテストステロンを用いると容易に起こる <テストステロンと攻撃的行動の関係 > ・多量のテストステロンを持っていた男はより反社会的な行動(強姦、親や先 生に面倒をかけることなど)を行っていた ・刑務所の囚人のテストステロンの量と暴力には重要な相関が見られた ・女性の囚人にも当てはまった <14日間ボートに閉じ込められた5人の男性の例 > (予め5人の中で優劣の順位をつけておく) ・優劣のランクが高いほど、テストステロンの量は高くなった ・多量のテストステロンが優位性や攻撃性の原因になっていることを確信でき ない ※相関はあっても、因果関係を必ずしも示していない(つまり、原因 としての「テストステロンの量」→結果としての「攻撃性」という関係はな いということ) 以上PHYSIOLOGY of BEHAVIORより これらの実験結果と考察から、テストステロンの分泌量は先天的なものや遺伝的なものではなく、環境によって決まると考えていいと思う。 つまり、最初からテストステロン量の多いものが、攻撃性を持っているのではなく、環境としてランク(優位性)を与えることによってテストステロン量が増加するということのようだ。 例えば、軍隊で勇敢な軍人を育てたい場合、組織内での優位性をはっきりさせることにより、上位のものがより攻撃性を増すことになる。まさしく軍隊の縦社会がそれである。 また、スポーツの世界でも体育会系と呼ばれる縦社会によって優劣をつけ同様に攻撃性を増すことで良い成績をあげることができる。 この原理を応用すれば再犯率の高い性犯罪者をどう更生させるかということに結びつくと思う。つまり、逆に優位性の無い環境を作ることで、テストステロンの分泌量を抑えられるはずである。 例えば、刑務所内では看守を含めて縦社会的な優位性を全て禁止にする、とか。 看守<受刑者 という優位性の構造が受刑者のテストステロンを増加させ、結果的に受刑者の更生につながらないのではないかと。 なぜ、看守>受刑者 ではなく 看守<受刑者 になってしまうのか。 受刑者の人権を尊重し過ぎなのかもしれない。 また、警察>市民 教師>生徒 といった優位性も警察官や教師のテストステロンを増加させそうだ。 現に警察と教師は昔からスケベであるという噂はよくきく。 最近の警察はだらしないということに関しては、常日頃の横暴な警察官の態度は困るという市民の声が多くあがることにより 市民>警察 という関係になり、警察官のテストステロン分泌が抑制され、取り締まるために必要な攻撃性までも失っているということは考えられる。 それと 市民>市民 という構図ができやすい環境も攻撃的な犯罪を生む温床になると思う。つまり、いじめとか人権蹂躙などにより、市民同志で優位に立った者がテストステロンの分泌を増加させ、あげく犯罪に及ぶということも充分に考えられる。 日本経済の国際競争力が低下しているとしたら、国内での攻撃性の強い人への圧力が考えられる。国内では、そういった人を抑えることで平和で温和な人が多くなり安全な社会ができるかもしれないが、グローバル社会においては他国との関係において必要な人材だと思う。ところが国内の平和だけしか見ないことで、外国との優位性のバランスを崩しがちなのではないか。 それと出生率の低下の一因と目される若い夫婦間のセックスレス、ED(男性の性機能障害)なども応用できる。最近のジェンダーフリー思想により、社会の構築に必要な最低限の男女間の優位性が無くなり、男性の生殖能力に障害をきたしていると考えるのが妥当ではないか。 これを解決するには、女性側にそういった男性の生理現象を理解することが求められると同時に、男性側にも過剰な優位性による暴力的な言動を慎むことが求められる。 そういった適度な男女間の優位性を保つのは、明確でわかりやすい基準による国民の合意が必要と思われる。 |