【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

ショップハンター

ショップハンター

2014.08.04
XML
 暑さで脳みそが溶けそうになる今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
 夏はホラーで盛り上がりたいところを完全無視して、今回はベタな恋愛映画をご紹介します。

 はい、それではまずジャケットをご覧ください。

 
 
 『コリーナ、コリーナ』[1994年]は、コメディ映画でご存じのウーピー・ゴールドバーグと、キワモノ俳優として有名なレイ・リオッタの恋愛ものということで、きっとすごいことになると思いきや、ほのぼのとした映画にまとまっているところに意外性があります。

わかりやすいあらすじ


 1959年、アメリカ合衆国。
 妻の突然の死によって、茫然自失状態の父と娘。
 その耐えがたいショックに、娘は口がきけなくなってしまう。

 父は仕事に行かなければならないので、ベビーシッターを雇うことに。
 洗練された白人女性のベビーシッターを候補にしていたが、どれも結局ダメ。
 そのうちやってきた黒人女性は、あきらかにベビーシッター向きではない。
 ガサツな性格で完全アウトだったが、どういうわけか娘が興味を示す。

 おためしで彼女を雇ってみたところ、娘が心を開くようになり、なんと話せるようにまで回復。
 この流れで父親もこの女性の人柄に次第に惹かれていくという、よくありがちな展開。

 とテキトーなことを書いてしまいましたが、全体的に癒されるポイントがたくさん散らばっている作品ですから、ストレスを抱えているときや、心が荒んでいるときなどに観賞すると、適度に心が温まるでしょう。

 

みどころ


1. レイ・リオッタの普通さ

 メラニー・グリフィス主演『サムシング・ワイルド』[1988年]にストーカー旦那役でデビュー出演したときから悪役がハマりすぎていたこともあり、レイ・リオッタ = 曲者俳優というイメージが定着していましたね。




 彼がキワモノ俳優としてピークを迎えたのが、レクター博士でおなじみのサイコスリラー映画『ハンニバル』[2001年]ではないでしょうか。
 レクター博士に薬漬けにされたあげく、自分の脳みそを調理されるシーンは、生理的に受け付けないという方も多かったことでしょう。
 韓国ではこのシーンが規制対象になってしまい、劇場のスクリーンで頭部が真っ黒に塗りつぶされていたのを、たった今思い出しました。




 そんな彼ですが、『コリーナ・コリーナ』では、CM ソングを作る会社に勤める陽気なパパを素敵に怪演してくれています。


2. ウーピー・ゴールドバーグの普通さ

 映画好きなら彼女のことを知らない人はまずいないといわれるくらい有名な女優兼コメディアンですね。
 映画ではシリアスからコメディまで幅広くこなす彼女ですが、テレビ番組に彼女が出演すると、豪快で底抜けの明るさで雰囲気をガラリと変えてしまうほどの影響力を持っていますから、元々楽しい人であることがうかがえますね。

 マイノリティであることから、白人の前では決して強気に出ることのない、謙虚な優しい女性(いわゆるフツーに良い女性)という人物を演じながらも、タイトルにあるように『コリーナ、コリーナ』と連呼されるにふさわしい、魅力的な女性に仕上がっています。


3. 子役の演技の上手さ

 娘役のティナ・マジョリーノは、母を失ったショックで閉鎖的になってしまう難しい役どころでしたが、目の動きや微妙な表情の変化で心境を表現したり、最後には父親をコリーナと結びつけたくてたまらない世話焼き婆さんのような一面も垣間見せたりするという、チビッ子ながら名役者ぶりを発揮しています。

 個人的お気に入り映画のひとつ、『ナポレオン・ダイナマイト』[2004年]にも出演していますが、ダッさい田舎娘をフツーに演じているところが素晴らしいですね。

4. 人種差別

 このほのぼのとした映画の中で、黒人差別的な言葉がチラホラ聞かれます。
 特に、nigger(黒んぼ)、colored(有色)は現代の欧米諸国では公共の場で口にしてはなりませんね。
 当時の時代的背景を表現するために外せないセリフですが、差別的な扱いを受ける黒人たちの悲しそうな表情は、心に訴えるものがあります。

 多くの白人たちは黒人を信用していませんし、逆に黒人たちの多くも白人を信用していません。
 そういう状況で、白人の父親と、黒人のベビーシッターが恋に落ちると、家庭ではまず大問題になります。

 いっぽう、ジェシー・ネルソン監督が描いたこの差別表現が、1959年の設定にしては時代錯誤的であり、それがリアリティを著しく欠いているいるとの指摘もみられます。
 
 しかしながら、過去にはシドニー・ポアチエ主演作品『招かれざる客』[1967年] での、白人の娘が黒人の婚約者を家につれてくるという設定が、たとえ優秀でも黒人であるというだけで白人家庭にはなじまないという白人至上主義が根強い(しかも表面的には人種差別を禁止している)社会を揶揄した作品として話題になりましたし、事実、今日でも人種差別が完全になくなったわけではありませんので、問題意識を持ちつつ視聴することは大切だと思います。




5. 宗教観のすり合わせの難しさ

 無神論者の父親が娘を宗教的な価値観に晒さないで育てようとする一方で、キリスト教徒であるベビーシッターは、娘の母親は天使が天国につれていったと教えてしまいます。
 娘にとっては、それが最もしっくりくる説明だったのかもしれませんが、無神論者からしてみればとんでもない宗教的価値観の刷り込みになります。
 途中、ベビーシッターは娘を教会のゴスペル聖歌隊に混ぜて歌わせたりしますが、観ていてハラハラする場面でもあります。

 日本では、口では無神論者とは言いつつも、年始は神社、結婚は教会、盆暮れには墓参、出産すればお宮参り、死ねば坊さんを呼ぶ、のようなパターンが意外と一般的ですから、無神論者とはほど遠い価値観が根づいているといえるでしょう。

 もし、厳格な無神論者(または宗教的価値観が大きく異なる者)の家庭でこの映画のようなことが起これば、良くて解雇、こじらせれば訴訟問題、最悪の場合は殺人事件にまで発展しかねないので要注意です。


どうでもいいトリビア


1. 子供向け番組

 娘が観ている子供向け番組は『シャーリー・ルイス・ショー』。
 この番組の放送時期は 1960年~1963年なので、時代設定の 1959年とは微妙に矛盾。
 参考リンク:The Shari Lewis Show [IMDb]

2. やっちゃったマイク

 母親の死後、娘が初めて声を発するときに、集音用のマイクが一瞬画面に映り込む。

3. 手袋のゆくえ

 ベビーシッターが、玄関先で父親と話しながら一度は手袋を手から外すが、次のカットで、父親にスーツのジャケットを着させているときには手袋をしたままになっている。

4. 亡霊のように突然現れるドリンク瓶

 ドライブスルーで言葉を発しない娘のメニュー選びで苦戦。
 イライライ気味のウエイトレスを後部座席に座らせてリラックスさせるシーン。
 メニューしか持っていなかったウエイトレスが、なぜか後部座席ではドリンクの瓶を持っている。



web拍手 by FC2 ← こちらからこっそりコメントでけます









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.08.07 01:57:13


PR

楽天カード

サイド自由欄

キーワードサーチ

▼キーワード検索

日記/記事の投稿


© Rakuten Group, Inc.