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眠れない夜のおつまみ

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2005/03/03
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テーマ:小説日記(233)
カテゴリ:LOVE
私は深夜のファミレスにマサトと向かい合って座っていた。
「なぁ、急にどうしたんだよ。別れたいだなんて。」
「ごめんなさい・・・。」
私にはそれしか言えない。
「さっきから、そればっかじゃん。なんか理由があるんだろ?言ってみろよ。怒らないから。」
理由?
そんなこと、本当に言って欲しいの?
「私、好きな人が(あなたに)出来たの。(飽きたの。)」
そう言うと私はマサトの顔を見もせず席を立って小走りに去った。
いや、逃げた。
マサトは私の名前を呼んでいるようだった。
その声は情けなく響いていた。

マリ!マリ!!マリ!!!

私はすぐにタクシーを拾いマンションへ向かった。
そこは私だけの城。
今まで男を入れた事など一度も無い。
タクシーから降りると何故だか笑いがこみ上げてきた。
深夜のマンションはしんと静まり返っており部屋までこみ上げてくる笑いを必死で抑えた。
急いでバッグから鍵を取り出しやっと部屋に入る。
ソファーに転がると吐き出すように笑った。
そして机の鍵を開け皮のカバーのかかった赤い手帳を開く。
マサトの名前の上に赤いペンでバツ印を打った。
「49人か・・・。」
私は本気で好きになった事がいまだ無い。
自分から好きになった事も無い。
待っていなくても相手から次々にやって来るし、やってくる男やってくる男みんな始めはいい男に見えてしまい直ぐ恋に落ちる。
いや、錯覚をする。
マサトはその内の49人目の男だった。
始めは強引に迫ってきて、グイグイ引っ張る感じが良かったのだけど、すぐに立場が逆転して最後は私のいいなり状態になった。
最初の強引さと、さっきの情けない声のギャップがあまりにもありすぎて可笑しくなってしまった。
影で私の事を悪く言う声も耳にするが、結局はひがみが半分以上だ。
自分で言うのもなんだが、私は美人だ。
美人というかかわいい感じ?
とにかく23の今までモテている。
だけど、私だって本気で好きになれる人が現れて欲しいと思う。
ただ、今まで現れなかっただけ、そう思う。
もっと早く現れてくれれば、私だってこんな風に次々と男をかえたりしないと思うんだけど・・・。
こんな風にゲームみたいな恋愛もしていないと思うのだ。
携帯が鳴った。
メールだ。

マリ、急に別れたいだなんて言われてびっくりした。
好きな人が出来たなら仕方ない。
今までありがとう。

               マサト


メールを見るなり私はショウコに電話する。
「もしもし、ショウコ?今、電話O.K.?今度の金曜合コンセッティングしてくれない?今日、マサトと別れたから。」
私は少しも悪びれてなかった。



                         <つづく>

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+ ちょっと一言 +

今回はこんな出だしです。
ちょっと理解不可能な悪い女キャラです。





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Last updated  2005/03/08 02:44:33 PM
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