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眠れない夜のおつまみ

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2005/03/13
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テーマ:小説日記(233)
カテゴリ:LOVE
「私の事?」
「そう。」
「改まって、何を聞きたいんですか?」
「男性遍歴かな。」
「な、何よ、それ。いきなりそんな聞き方で、そんな事聞いて、今までぶたれませんでした?」
あはは、と笑って
「そういう顔も好きだよ。」
「私、からかわれているなら帰ります。」
席を立とうとすると右手首をグッと掴まれてマリはもう一度座りなおした。
「冗談だ。」
マリは唇を歪めてソッポを向いた。
「君に興味がある。だから単純にいろいろ聞きくなる。気づいているかもしれないが、俺はあまり口はいい方じゃない。女の扱いは上手くないんだろうな。仕事と同じように全力で付き合っているつもりでも、何故か女は離れていく。」
日下部の方にマリは顔を向けた。
「一体、君には俺がどんな風に写っているんだろうな。」
「そんな弱気な言葉聞けると思ってなかったわ。」
「君の口から聞きたいんだ。俺の事どう思ってる?」
やはり、この男はどういう人間なのかよく分からないとマリは思った。
「時々よく分からないけど、でも、いつもドキドキさせられるわ。」
「それだけ?」
「好きなのかどうなのか、分からないわ。でも、一緒にいるとドキドキする。あなたみたいな人は今まで出合ったことなかったからかしら・・・。」
「好きなのかどうなのか試してみる?」
バーを出てエレベーターで地下の駐車場まで降りる。
日下部はキスをしてきた。
マリもそれに応えた。
お互いが求め合っているキスだと気づいた。
駐車場の階に着くとエレベーターのドアが開いた。
車に乗り込むと、お互い抱き合いキスをした。
身体が火照ってくるのが分かる。
唇と唇を合わせるとまるで溶けて一体になってしまうようだった。
一瞬離れては繋がりお互いを感じまた一体となった。
暗黙の了解で隣接したグランドハイアットの駐車場に車を走らせる。
ロビーでチェックインを終えエレベーターに乗り込むと同時に身体を引き合わせ少しの時間も惜しむようにキスをした。
部屋に入るとお互いの殻を脱ぎ捨て抱き合った。
触れ合う肌の温もりで血を鼓動を存在の全てを確認し合う。
火照った身体はお互いを受け入れるのを待っていたように飲み込んだ。
微かに見える日下部の顔も思考回路がストップし乳白色の霧に包まれているような感覚になったり、一瞬現実に戻されたりする。
そして完全に身も心も溶け合って真っ白な世界にふわふわと浮いてしまったようだった。

シャワーの音でマリは目を覚ました。
どうやらうたた寝をしてしまったようだ。
ぼやけた視界の人影が日下部だとだんだんはっきりとしてきた。
腰にバスタオルを巻いて洗いざらしの髪をタオルで拭きながらバスルームから出てきた。
「起きた?」
ベッドの縁に腰掛けてマリに優しいキスをした。
部屋を見渡すとドレスや下着がばら撒かれていた。
「案外凄くてびっくりした。」
と耳元で日下部に言われるとマリは赤面した。
「わ、私もシャワー浴びてきます。」
バスルームに入るとまた思い出されてマリは一人赤面した。
バスルームから出ると日下部はうつ伏せになっており眠ってしまったようだった。
マリは散らかった衣服をハンガーに掛けてクローゼットにしまった。
日下部の横に潜り込むと日下部の腕はマリを引き寄せ抱きしめた。
「眠ってなかったの。」
マリが聞くとふふっと笑ってキスをした。
また身体の芯が溶け出そうとしているのをマリは感じた。
この人と始まる予感が実感になっていく。
まだ、何も知らないこの男と。
今までだって、そうだったじゃない・・・。
でも、なんだか今回はいつもと違う。
どう違うのか分からないけど。
そんな気がする・・・。
そんなマリの思いもだんだん薄れていき溺れていった。
そして夜明けまでお互いが離れないように何度も貪るように抱き合った。
朝が来なければいいと思った。


                       <つづく>

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+ ちょっと一言 +

マリちゃん、ついに、ってかやっとってか食われました。(笑)
駄文ですみません・・・。
もう先が読めている方もおられるかもしれません・・・。
ヒヤヒヤ。
もうちょっとで最終回の予定です。
ここまで読んでくれただけでもうれしく思っております。
次は、もっとのほほんとした話がいいなぁ・・・。
ではでは、また。











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Last updated  2005/03/13 01:19:53 PM
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