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灯台

灯台

すべてが古い砂に変わる日のことを・・・・・・

 1 星のパターン、縮図、早見、象徴、


   ほ   む   あ

  し   や   し

 が     み   た

  あ   な   に

   っ   こ   な

  た   と   ら

   そ   む   あ

  れ   や   し

 を     み   た

  ほ   な   に

   し   ほ   な

  が   ど   れ

 っ   に     る

  た   さ   よ


 × × ×


 一年ばかりの間、一人の『来た』を下さい

 いや一と月、・・一週間でもいい。ててててっぽうを下さい

 そうするとゆらゆらごんごん鳴っている鐘の音がして耳がキーン
 ななようか
 七八日 一銭の値打ちがなくても!


   小さいのが言う「あれは星だよ」

   大きいのが言う「あれは指だよ」


    指はおしゃぶりのようにあまがゆい そそるソーセージな指先
       つや
    あの光沢は真珠いろの爪 なみだを吸える快適、駝鳥、九靴

    一本は? フウワリと水素の何処までも軽くなって

     楽器のように傷付けばバイオリンは弾けないの指、蜆のような爪

     鍬、鋤で火照らせていった、トランプ、ピアノでトランポリンを覚えた


      ――『一件の新着メッセージがあります』

    釘づけにする不確かな肉魂、水で「断ちもの」を滑らかに洗う時

    しゃっきり伸びたノウテンまで洗う、ゆびのなかに暗くて深い河がある

    ・・・あすこをきれいにする時のように薔薇の蕾を押し開こう

    うぶ毛が細かく光り、――よくよく見ればそこに城がある、・・王女が


   小さいのが言う「あれは思想だよ」

   大きいのが言う「あれは理想だよ」


  2 蟻、欠けていく海岸、ホワイトノイズ、黒の消失、


点と線の間に円がある連になる一部になる

点と線の間に円がある連になる一部に

点と線の間に円がある連になる一部

点と線の間に円がある連になる一

点と線の間に円がある連になる

点と線の間に円がある連にな

点と線の間に円がある連に

点と線の間に円がある連

点と線の間に円がある

点と線の間に円があ

点と線の間に円が

点と線の間に円

点と線の間に

点と線の間

点と線の

点と線

点と




 × × ×


 くちびるがうまれたよ つめたぁいキッスがうまれたよ


 × × ×


  一日目 オノマトペ


しとじと・しとりじとり・じッとり

じとオッ・じと・ジナジナ・じぃなじぃな

しとっ・しぱ・しっぱ・しは

じっくじっく・じいじいじ・じじじ・じゅくじゅく

しっしっ・しったり・しっしっ・シックリ

したした・じたばた・じじくじゃ


  二日目 回文


しんぶんしはしんぶんし こねこはこねこ

磨かぬ鏡 竹藪焼けた

鰐の庭 傘の坂 豚肉のつけ焼き焼け角クニTABOO
                      よ  こばやち
おもちゃばこしょうねん 根・・・ウ? 縦し小林もお

封筒に切手――憑きにウトうふ

とまと こたつたこ すなはまででまはなす
          
メロディは胃出ろ瞳


  三日目 反対語


いたい⇔いたくない わらう⇔わらわない

脱げ⇔脱がない やめろ⇔やめない

ちがうぞ⇔違わない


  四日目 駄洒落


ニューヨークで入浴 スキーが好きです

だじゃればかり言っているのはだれじゃ!

会いたい→あ、痛い(奥歯がでしょ?)

髪切った? → うん、噛み切った(やっぱり奥歯で?)

置く場所がない → 奥歯しょうがない


 3 星の消滅、優雅な舞踊、ミューズ、死


らららららららららら

りり。


 × × ×


アイスクリームを食べ過ぎた

四、五本のアイスクリームを食べ終わった時

お金がなくて奥さんに逃げられたことを思い出す男がいる


 4 星のスケッチ、鉱石の採掘、鳥の死、かなしみ、


●●●はかけない 
          レジェンド
PPPPP―――legend

フ~フ~フ~ ワヰウヱヲ
      かじか   かじか
悴んだ手 齧噛んだ手!ZZZ!こすれる るれすこ 

レンズの反射レンズの聖母像の石レンズの仕掛け
             救済          ムゲン
凹凸と○×のH 蟻の8のようなからだ∞のようなからだ

ニュートリノはサナダ虫かゾウリ虫である QQQ!

その増殖・・・・・・ その主義者・・・・・ 

その密偵による・・・・・・

急速に!熱烈に!車輪して! 

 アリラン アリラン ありらん

穿たれた穴の壁紙のところのピクルスをつまみ

レッツ・フェンブルン レッツ・パプルオン
                  オカ
感情に従え ! トキドキ頭ノ奇妙シイ夜
                         けむ
其レダケガ ポツエーム ノ 微韻 薫製 煙にまかれる
                         つわり
しかしWとXは双生児! たとえばわたしは呪詛のなかanusと叫ぶ

ゆえにソーセージはダダの子である

わたしの論理は潔癖なほど明晰だ

ダビ!ダビ!ダベダビダバダ!ルウィン!

新宿駅のロッカールームに雨が降る、ミネソタツインズが気になる

わからなくてもいいでありやがるのだ卵のような機関銃

闇~~~~~~~~~~<<<<

ポカンと口を開けて薄気味の悪い子が微笑む、悪キリスト・・・!

EDENはここにあり sanctuary も

耳底に薄気味のわるい銃声

くるえくるえくるえくるえくるえくるえ

まえまえまえまえまえ ! おまんこおまんこおまんこ

排泄の衝突 コンビナートのうんこ くばられる下痢グそ

もりもりのサラダを喰う

サンタナ・レ・ピラツニーヤの空

なんという美 ! おどれるような美!

カツカツカ ! 逆走せよ 逆流せよ 遡行せよ 

底掠せよ、逆にぎゃくにギャクに虐に謔に・・・・・・

コロナとはピエローのシネマである

ヘリウムとはダアーフ!ツウーフ!

パラパンフ! 星霜と振袖 簪のマラリア

ああ コロッケと蛙が鳴く

一〇〇〇〇〇〇〇〇円の絵


  5 破壊のエルドラド、ダイナマイト・ダスト


雨の降る日 コンクリート コンクリート

何の変てつもない石ころのにおいがする


  × × ×


ザッツ ザッツ ザッツ・・・

自分の靴のつぶやきを聞く

これでせうか あれでせうか ないのでせうか

  ケンパ ケン パ オロロ 

  ほろろ ほろ ろ けんも


 × × ×


くりかえし くりかえし 波の くりかえし

 石ころと砂と セメント 砂と砂と ミキサー と

タンネンにタンネンに ソクリヤウして絵図面をひいて

 しゃくど しゃくど 小癪な・・・


 × × ×


黙って嘘をついている内に盲目になり

蜥蜴のように身を伏せなければいけない

   黙って嘘をついている内に仮枠の中に流しこまれ

  センチメンタルなナイーヴ「・・・身動きがとれない」


 × × ×


  コンクリート  言語の外傷体験ー「大衆の  コンクリート

  コンクリート  存在」が拒絶の質をもって   コンクリート

  コンクリート  わからないというー「破綻    コンクリート

  コンクリート  ×分岐×自己を解体」する   コンクリート
                       いにしえ
  コンクリート  詩は女性であるなんて古!  コンクリート

  コンクリート  詩はオカマの装置である典  コンクリート

  コンクリート  型的なメリィゴゥラウンド    コンクリート


 × × ×


 夢は外部や他者によってある

 双眼鏡から野原の花や樹や鳥を見ているように

 遠近法は逆転するフィクションはバベルの塔!


 × × ×


 雨は血と骨の問題を明かすが

 だんだん歳をとってくると人は若い人の言葉を無視する

 十代は二十代が嫌いだし 二十代は十代が嫌いである

 三十は三十一が嫌いだし 三十一は三十が嫌いである


 × × ×


 塚元 ぼくらは孤独のうちに最後の呼吸があることを知っている。

 かもめ いや、観念的解釈も、思想体系も、精神全運動も・・・

 塚元 漏斗の底にたまった光と蝋燭のゆらぎは同一である。

 かもめ それは不明確である。不誠実である。主体を出せ。個人を出せ。

 塚元 他人の目にとまるな! くどくどするな! 

 かもめ いや、ぼくらはもう頼りない砂だ。正確な意味で、粉だ。


 × × ×


 ぼくらは死んだ弟について考えていた。死んだ妹について考えていた。死んだ従妹につい

て考えていた。死んだ腹違いの従弟について考えていた。死んだ父親について考えていた。

死んだ母親について考えていた。死んだ義父について考えていた。死んだ義母について考え

ていた。死んだ友達について考えていた。死んだAについて考えていた。死んだAは「死ん

だB」に・・・・・・。


 × × ×


 シルクハットの部屋でシガレットをくわえれば夜の小さなため息は楽器

 夜の小さなため息は楽器だとする曇り窓はコイ科の生活苦結婚無理病だ

 生活苦結婚無理病は薬代や光熱費におとずれた共働き的体温のパターン
                                       クローバー
 共働き的体温のパターンとは経済性を別に映すという意味で少し首蓿だ


 × × ×


 コ   ン ク リ ー ト コ ン ク リ ー ト コ ン ク   リ 

 ン  メタフォール メタフォール アレゴリィ アレゴリィ    |

 ク  アリュジョン アリュジョン イロニィ イロニィ       ト

 リ  サルカスム サルカスム カタクレーズ カタクレーズ  コ

 |  イパラージュ イパラージュ シネクドク シネクドク   ン

 ト  メトニミィ メトニミィ ウーフェミスム ウーフェミスム   ク

 コ  アントノマーズ アントノマーズ メタレプズ メタレプス リ

 ン  アンチフラーズ アンチフラーズ              |

 ク   リ ー ト コ ン ク リ ー ト コ ン ク リ ー   ト  


  × × ×


 もうみみずだよスネイクだよ

 ひねくれた坂みたいだよ

 幻想の領域で蛇行すればデモでも思い出すよ

 ゆらぐ不安定な肉体だよ

 そぼ降る雨だよ大小の籠だよ不信のつめたい霧だよ

 あからさまな屍臭だよ閉じ込められた《掟》だよ

 まるでもうムカデだよ工作道具だよ

 ネガだよいやポジだよすべては消えてゆく反転だよ

 夢だよ夢じゃないよ夜だよいや昼だよ現実だよ幻想だよ

 病気じゃないよ病気だよ逆転だよ発想だよ

 それは口癖だよいや濫用だよありえないよいやありえるよ

 出血が止まらないよ分泌液だよ目やにだよ唾液だよ

 くらげだよ海岸だよ噛まれるよいやそれは砂と蟻だよ

 傷つくよ傷つかないよ完璧だよ無敵だよでも少し悲しいよ


 × × ×


 護岸ブロック 堤防階段 灯台 高速道路 海遊魚

 ・・・進むにつれて遠のいていく

一日はおどろくほど長いはずなのに一日はおそろしく短い

言葉は言葉をあてどもなく追い掛けているはずなのに何も生まない

時間は時間をあてどもなく追い掛けているはずなのに何も生まない


 × × ×


この詩は目の前で起こった《沈黙》について書かれている。けたたましくおおわれた、おそ

らくは絶望に入り込む隙間はない「人の暮らし」をきっぱりと承認し、このような美意識が

不確かな適応をうみ、消し難い記憶、価値の混乱、最終的な絶望――という自然のつぶやき

を刻んだのである。どのような饒舌であれば承認できるのか? 単位や、単調さはもぐりこ

んでゆくが、心理的には。感知するべき苦痛としてあらわれてくる。人の中で、旅先で、激

動のなか、あるいは頽廃のなか、不安と、つんぼのような静寂に終わることのない幸福を求

めている。いつの日にか耳を聾する轟音となり、のべつまくなしに喋り続ける《沈黙》とな

れやがて寡黙を忘れろあやういほどあさましくなれ言葉をうしなうな・・・。


  × × ×


ゆっくりゆっくり のぼってゆくのです

  あるような き がしている 波の上のふたつの空

目に映る火と 映らない火と

  レースの手袋をしていたくねくねは糸は生き物は


  6 コンパスがそれを円で囲もうとした時、相関関係を問われ、そこに時の系譜が捺印される


 その 1


満月

パレット

オリーブの枝

地平の屍體



灯台

家へとかえる

四足歩行の

人間たち



この島の民は

催眠にかけられ

髪の毛すら

とけあう夜はこう !



そはうつくしき曙の

酔えるが如し

まはるが如し

神の声のあり


 その2


カメレオンの顔をした叔母

かた腕が尻っ尾

かた腕が伸び縮みする舌

三六○の視界



くずれてゆく表情と

あおいあおいからだ

そしてここは

見晴らしのいい崖のアトリエ


  おもかげ
月が涕をこぼす

みどり色のひかり

頸だけ人面の男

胴には壷があるばかり



人の心に啓示のある如く

名を惜むかとたづぬれば

ミューズたちの

都会の舞踏


 その3


陽射しの先から女があらわれる
かつぜん
豁然とひらいた雲間から

ブーケのようになげだされ

天なる女の子の捧げよう



ブーツにむかってパーツは唇

躱わす男におとめの歯があたるとき

めりめりという執着ぶり

足がない! 足がない !



そう 表情がない・・・・・・

時計が な い !

神様がいな い

声しかきこえな い



とうめいなとうめいな国では

血管標本のモデルとなりて

花散る 袖散る 

恋の想いがひらと散る


 その4


蛇はねじりながら ねじれながら

煙草のソフトのように

8の字にねじれていった

それ ! 抱擁に似ている


たったひとつのことばだけれど

ねじれながら

神祕のたかみまでゆく

愛の奥処へとゆく


ふたりはきっと酔っ払いつづけていた
     ふつかよい
えいえんの宿酔

そして耳は貝になる

そして月の音を聴いた


吊っている恋人たちの小夜曲

あやういところで ひとねじれ

おちくぼむところで 

ねじれねじれてピツエーロ


あなたはうれしかったのだという

ときめいていたのだという

やさしすぎるという

だから眼をつむると切ない


ふたりの想いは螺旋階段に似てる

瑪瑙 珊瑚

いろとりどりの踏板に

遠い響きを残して・・・・・・


  7 すべてが古い砂に変わる日のことを


釘は火打ち石のごとく地面に落ちた

牡蠣がらのように

それは海岸にうち棄てられていた

霜と尖った顎の交歓

しかしそれが肋骨のように突き出ることはなく

この街という城壁には

鉛の詰まった古い鞄ほどの意味しかない


シャ・ラ・ラ ・・・ シャ・ラ・ラ ・・・・・・

有刺鉄線のアリア

波の行くところは消えるところ


シャ・ラ・ラ ・・・ シャ・ラ・ラ ・・・・・・

猿も木から落ちた

そして薄い唇からあおい血を流した


しかし釘は

乞食のようにびた一文ねだったことはない

噛み付くような寒さのなかで錆びていったが

何年くらい経ちましたかと訊ねたこともない

腕のいい大工の棟梁にだって

大仕掛けの酒を匿していると

得意げに明かさなかった


シャ・ラ・ラ ・・・ シャ・ラ・ラ ・・・・・・

幽霊船はルービック・キューブ

地獄が天国を匂わせる


シャ・ラ・ラ ・・・ シャ・ラ・ラ ・・・・・・

心の準備はまだ !

その釘が最後の火種


肉や飲みものや燃料など欲しくない

されど道案内よ あからさまな預言書よ

ゆらゆらと燃え上がる松明のうちに

神祕をおしえるモーゼ !

それは水道栓を出しっ放しにした流浪者

モラトリアムの悲劇 ブルジョアーのお慈悲

かくれんぼをしたまま出口がなくなった建物


シャ・ラ・ラ ・・・ シャ・ラ・ラ ・・・・・・

腐った海老のように蛆がわくガイコツ

けたけたと哄う


シャ・ラ・ラ ・・・ シャ・ラ・ラ ・・・・・・

髪の毛 血管 皮膚の順に 

あらわれたるや自殺者


釘は毎晩この光景をみていた

くらげの大群が押し寄せた夜でさえ

空がノッカーを叩いて

扉をあけた日蝕の夜でさえ

“ねじ”と“ねじどめ”のように

釘はいつまでも考えた

すべてが古い砂に変わる日のことを・・・・・・



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