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灯台

灯台

孤独なゲーム


 ポン・デュ・ガールで逆立ちして歩くことを夢見る大道芸人は、

 話す。[光を少しずつ閉じ込める行為だ。さもなければ、その光景を見出した寒い国の白い息だ。]

 ある程度は・・アルカトラズ――いや、少しは・・・時間が花びらになって、
 
 ファースト・ショット――ファースト・ストライク・・

 ゴールデンゲートブリッジの東側を歩く・・秘められた視覚――

 一枚岩にひびが入る・・にぎやかであまいレモンさ・・

 生まれも育ちもサンフランシスコのゲイブス――


    ひとの手をくぐりぬけてきた・・照らしだされてくる――

    急な坂――発進、ぶおおおお・・ミニカー・・

   (孤独なゲームが好きな人、集まろうぜ!・・)

    僕は日本の放浪詩人カモメ、

    世界でもっとも打ちづらいと評される投球術と、コントロオォル、

    七色の変化球、でも奴の最大の武器は・・

    ビュンとうなりをあげてミットにおさまる超スピイドポオル!

    ブーブカブーブカパーパカパーパカ・・

    ちくしょう、こいつも飛ばないのかよ!

      ――飛んだのは、エクササイズ!

    死にやがれ!・・ウィリアム・バロウズ!
    
    アレン・ギンズバーグ!

    ボブ・ディラン!

    願望や嘆き、お浄めの時間。

    アァーメン!


     「まあまあ、困った人ね・・」と、奥さん。
   
     (困った人なのだ、僕・・。でも、ハメようぜ、とか言わない。

     エロいこといわない。でも、困った人なのだ。ふむ。)



    ――省略法。というか、ワイドな画面・・

    クローズアップしたくないので、さっきから、

    ロングショットで、家屋うつしながら喋ってる・・

    究極の放置プレイ・・――



  ・・・僕が、高速道路を頭上から見ている、

  音楽のPVの映像が好きなんです、と言うと――

    限定的――けれど、いわんとしている光景はわかる――

  フリーメイソンの陰謀か、ピラミッドの内部潜りか・・

  いや多分、車の流れている光景が好きなのか、――ヘリコプター、

  セスナ、・・だが、具体的には・・と、ゲイブスの連想可能性、

  しかし人は人を騙す悪い動物だ・・動物園へ行こう、

  それでは、じゃあ、ゴールデンゲートブリッジ、と・・

   
     意表を突くために――何故・・意表を突いたのかわからないが・・・

     ――くじ引きと罰ゲームを用意した・・

     わかったよ・・ジャスティス――これが君の女神なんだね・・
 
     ・・アイスクリーム食べすぎで下痢気味になる――

     ところで、ビリヤード、俺は出来ないぞ・・でなけりゃ、ダーツも・・

     いいか、ベリーバッドウェディングは最悪の映画だ、

     秘密を入れておく引き出しとしてはあんなにお説教口調なものもないが、

     ・・俺は真夜中に半分くらいまで観て続きが気になってしょうがなかった、

     のちのち観た。回数券をなくした子供に、天国の盗み方を教えたくなるくらい、

     文句なしの糞映画だった・・でも、人生はちょうどあんな感じ・・

   
   したたる水滴はオリーブオイルを想起させるだろう!

   ――掬いあげている耳たぶが痒い・・

   ・・・そして眼は、地中海を想像する――でも、それが偽写真でも、

   音楽は残る、ワインは残る――ここだけ読めば、アフォリズムだ・・

   果てしなく擴がる空があれば、多少の狼藉も許される・・


     チャイナタウン、ロンバード・ストリート――

     ポスト・ストリート沿いには、ジャパンタウン・・
   
     ラテン系、ダンス系・・ヒップホップ系、
    
     モード系・・って――いやまあね、うん・・


  「人によっては、朦朧とした意識のままで、橋の上を歩く・・

  これは硬い器が夜のやわらかいしずけさに溶けていくようなもので、

  美しい[生憎、俺はマンハッタンとダウンタウンも同じ、ゾンビもウィルスも以下同文。]

  僕はこれを、――蝋燭責めと思うのですね・・いや、・・いやね、・・

  まあ・・・なんというかね・・うん――・・」


     ねえ、自由の女神と交尾する巨神兵ってどう?・・

     そういうポルノってありだろ?・・もちろん、ジブリじゃなくズブリ、

     昔友達がそんな同人誌持ってたなあ――スタジオズコピでもいいね、
   
     ニュヨークタイムズはこんな糞映画を扱わないだろう、
  
     でも三文エッセイストは書く・・ハメハメするため? 飯食うためだろ、
 
     わかってるだろ!・・でも、誇張は必要だよ、って馬鹿、怒脹のことだよ、

     怒脹は、草木がのびるさまだよ、ホースをのばすことだよ、消防車だよ、

     ゼントウヨウガアブラハムした・・ちょきがぐうしてぱあして、蓮の花

     コブラのイキチをススった・・インキ壺――


   どうして君はサンフランシスコへ?・・

   あるいはどうしてカリフォルニアへ?・・


 日サロ、ネイルサロン、ネットカフェ、携帯屋、・・

 サンフランシスコのケーブルカー、

 パシフィックハイツのフィルモア・ストリート。

 馬鹿だねえ、「猿の惑星」でわかってたろ、全員猿なんだよ、翼?

 天使なんか心ねえんだよ、シレジウス知らないの? 読めよ、現代詩よりマトモ。

 いやだからオカルトなんですよ、わかるでしょ、

 ――クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス。

 スティーヴ・ミラー・バンド。

 ラッキーストライク喫いたい。俺にはまずいけど、マルボーロ吸いたい。

 俺にはまずいけど。セブンスター。吸わない。・・

 小麦粉に似たあれなんですよ、ふわわ・・ふわわ・・ばくしゅん!

   ――遺伝子レベルで、蚊に刺されるようなことをしようが、

   呪いをかけようが、砂の女読もうが、金閣寺読もうが・・

   有限と無限は違うし、有形と無形は違う、神と主は違う、

   それだけなんだよ、わかるだろ・・いやまあ・・たぶんね――

  広告やテレビは愚劣、ビジネスホテルで出張するサラリーマン、

  ゲイがいっぱいいるような気持ちにさせる地下鉄、アァト、

  ・・新聞。不倫。エイズ――正常じゃないよ、日本と一緒だよ、

  段差だらけの歩道、でも――ポップアアァトは好きだな、

  やっぱりぼこぼこの車道、・・ラップは大嫌いだけど――

  パソコンだってパスワードとアカウントが必要だ、

  水道だって飲める、ただし腹壊す。硬水。とかいって、

  ここだけ軟水なんです、驚いたでしょ、とかあるかも知れないな。

  路上生活者――ゴミ・・でも、ゲイパレードは好きだぜ・・


    ――さっき聞いたね、どうして僕が・・

    こんな糞つまらない街にやって来たのかって?・・

    社会見学――それだけだよ・・それだけだよ・・

    とか言ってる前に・・それだけなんだよ・・


  ・・・なんだか、少女の肉体に蛆がたかる絵って・・と、僕は言った・・

  この前さ、ウィキペディアで、抽象彫刻家のHannah Holliday Stewartの、

  ・・なんだろうな、うすっぺらいカブトムシみたいな彫刻を拝見したけど・・

  唐突だな、胸の谷間にソフトクリーム挟んでる写真より煽情的だ。

  トレイシー・ローズの不幸すぎる十代。

  蛇が女性の胸をはいめぐるシーンよりきわどくて好きですね・・

  悪魔の失敗も、誘惑の成功も・・割れた眼鏡の上を歩く蟻のようなもの、

  グロテスクで美しいですよね――病めるパセリというか――・・

  『ファーブルと昆虫記』ってあるでしょう、読んでないんです・・


    「どうして・・」とゲイブスは言いたかった。

    彼は、大道芸人だったが、僕の水道水のファンだった。

    ファンというのは、水を練乳にし、コーラにし、珈琲にする。

    ジュース各種にする。カクテルにする。無論・・まあね・・

    だが、・・都会の街と、映画と、芸術と、吉岡実・・

    同一性と差異性の矛盾を問わぬ――

    主観客観両面から形成する孤独の重層化・・爛漫と咲く花・・・

    ――ごくっ、アサヒビール飲みたい・・

  (突然、彼の中のICチップが、洗脳を開始した。

  「メザメロ、メザメルノジャー!」

  がああああ、と彼は、その時、おい眠るんじゃねえよ、馬鹿野郎・・


      ――うっ、尿意が・・


       「・・・湾内にはカリフォルニア海流という寒流が流れ込み、

       水温が低く、潮流が早い。 」

    (霧にかかることが多い。

      「湾内でサメやエイ、カニなどが採れる。」

    (死体もよくとれる。カリフォルニア名産だ。

    ・・・積極的放棄における社会の影響が、

   浮き沈みする影を曳いて


    生への虚無感を増長させた素晴らしい名物。


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