音程のこころみ

　　１

「くよくよす^ンな^ツ」

「^れもん食べたい」

突拍子も^ない。^というか、つかみ^どころがない。

さ^つき先生に叱られ^た。^ちなみに檸檬(れもん)を丸呑みできる^特技がある。

^あのおさなき日のお約束のひとつである、お金、もしくはビー玉、

^おはじきなどを呑み込みそうにな^つて、パニックに、なるみたい^に、

詰ま^つて、呼吸困難^ン。生死の境をさまよ^つて、

^いまでは^半分に切^つたものを、丸のみする蛇！

でもな^ああんまり凄くない、フードファイターだけど！

^けれどその根性は買う^ツ、だか^らなにもいわない！

「くよくよす^ンな^ツほら」

「^あ･･･う^ン･･････」

^かなり不意に^子どもの頃に、足をくじいてうえんうえ^ン泣いていた、

褐色のけんこう的な肌の少女の姿がよぎる。なんだ^か、切(せつ)ない。

ポケ^ツトから檸檬(レェモン)をさしだして、そういや切(き)るもんない^なあ、

手持ちぶさたに、^なぜか辺りをみまわしていると、

ごっく^ンという音がきこえる。人の長所を評価しよう！

^みせかけだけ^の優しさなん^て、よくないわ^ツ。

とろ^ンとした瞳がちくりと刺す^ように覗いたのは一瞬だ^つた。

「なぐさめてくれ^てありがと^ツ」

なか^なか素直じゃない。はにかんだ時の口元に八重歯^だ！

これで勢い^つてなか^なか大切なことだとおも^う。

「^なあ･･････」

「う･･･^ン？」

足をずるずる^ずるずると^引き摺りながら、読書をしている少女に、

いま時空を超え^て、本当のことを言う。

「^あの時さ･･･覚え･･･て^るか自信ないけど･･･」

くす^くす、と口もとを押さえて笑いだし^た。ほ^ンとうに、

そう本当に、ワルい奴だ^とぼくは思^う。

「許してる^わ･･･もう^ツ･･････」

つかみ^どころがない女はスゴい、

太陽が照りつける暑い日。

みいんみ^イんみ^ぃんみン^ツ―――

　　２

^ど　_れ　^ふぁ　_み

^ら　_そ　^ふぁ　_シ

^ミ　_ソ　^ラレ　_ろ

^な　_み　^だで　_て

^こ　_の　^おと　_は

^シ　_レ　^そら　_ミ

^シ　_レ　^そら　_ミ

^逃　_げ　^ない　_で

^し　_れ　^そら　_ミ

^し　_れ　^そら　_ミ

^逃　_げ　^ない　_で

　　３

^あり　_が　^とう　_と^いわ_れ^たよ

^だ　_か　^らぼ　_く

^さよ　_う　^なら　_せ^んせ_い^と！

^い　_の　^こり　_の

^せ　_ん　^せい　_は^てを_ふ^って

^こ　_の　^おと　_は

^は　_た　^ふり　_の^おと_で^した

^か　_ぜ　^そよ　_ぐ

^は　_ら　^っぱ　_の^おと_で^した

　　４

^さよ　_う　^なら　_こ^とり_ち^ゃん

^おそ　_ら　^にき　_え^てゆ_く^のは

^とり　_の　^はね　_が^あっ_た^から

^さよ　_う　^なら　_こ^とり_ち^ゃん

^きれ　_い　^なは　_ね^こえ_の^よう

^うつ　_く　^しす　_ぎ^るね_こ^とり

^さよ　_う　^なら　_こ^とり_ち^ゃん

^おね　_え　^さん　_も^なき_ま^した

^ぼろ　_ぼ　^ろな　_い^たら_こ^とり

^さよ　_う　^なら　_こ^とり_ち^ゃん

^あし　_た　^もぼ　_く^おも_う^から

　　５

^ぎぞ　_だ　^んだん　_ぎ^ぞだ_ん^だん

^ばだ　_ぼ　^んぼん　_ば^だぼ_ん^ぼん

^ぜぞ　_き　^んぎん　_ぜ^ぞき_ん^ぎん

^でだ　_し　^んじん　_で^だし_ん^じん

^げだ　_ぺん　^ぽん　_げ^だぺ_ん^ぽん

^びじ　_ずん　^ぞん　_び^じす_ん^そん

^べど　_びん　^ぴん　_ひ^ひひ_の^ひん

^がぜ　_ぞん　^そん　_が^ぜぞ_ん^そん

^きみ　_だん　^がん　_き^みだ_ん^だん

^きみ　_だん　^だん　_き^みだ_ん^がん