八行詩

　　８之雪達磨

○松明をかせ、ぶるう、と火が揺れる、

　―――餓えた虎より荒れ狂う海よりも、ぜいたくな

　饗宴《もてなし》･･･小川。

　魚族《うろくづ》たちの終《は》てない星をつかまえなければ、

　かせ、月を。「ふふふ･･････、苦しみたまえ、」

　りん、と音が鳴る。「ムーン泥棒になります、

　でもユウウツな時代の、さらにわたしより若い人の、

　まっしろい手の骸骨、･･･！」

　　８行×４連「･･･愛しい人、ぼくの詩《うた》は好きかい」

○･･･愛しい人、ぼくの詩《うた》は好きかい

　ぼくはぱんちんぐ・ぐろーぶ

　さんどばつぐが好き

　　　軽やかに飛んでいく翼なきヒヨコ

　　　あおくふくれあがるじゅうゆ・たんく

　　　きみはだいなまいとがお好き！

　　ねえどうすれば、悪夢からのがれられるの？

　　･･･起きるのよ　めいくあっぷ・うぇいくあっぷ

　　　　　　　･･･愛しい人、ぼくの詩《うた》は好きかい

　　　　　　　ふらんす・ぱんでもやくようなぼくの魂

　　　　　　　かたいのは　ばけつ・こおりの状《さま》

　　　　　夜も昼も通い続ける魂のおヘンロ

　　　　　ぴいたあ・ぱん　にでもなるつもりかい

　　　　　やわらかい　わんぴいす　に　Touch

　　ねえどうすれば、人嫌いが直るの？

　　･･･殴るのよ　めい　いっぱい、せい　いっぱい

　･･･愛しい人、ぼくの詩《うた》は好きかい

　りのりゅうむ　の　ゆか　に　おちる　時計

　めす　に　も　似し　たっち

　　　けれど　ときどきは　ピストルの弾･･･！
　　　
　　　どれほどふかい　ぼうえうきょう　の　れんず

　　　きみはいまでも　すたー　だぶる・すたー

　　ねえどうすれば、世界は平和になるの？

　　･･･うたうのよ　しょおあっぷ・てんしょん　・あっぷ

　　　　　　　･･･愛しい人、ぼくの詩《うた》は好きかい

　　　　　　　おあしす　あなたはとかいの　べると・らいん

　　　　　　　かれくさ　の　まっと　・サイエンティスト

　　　　　ねえ･･･どうやって、わすれたら　い　い？

　　　　　あのひとのこえ　･･･まるで　さいれん

　　　　　まわりつづけ　る　Propeller

　　　　　　　　･･･愛しい人、ぼくの詩《うた》は好きかい

　　　　　　　　たぶ　ん　ネ

　　８行×４連「いつでも一緒」

○きょうはわたしが洗濯をしよう

　では私も洗濯板で･･･ｖ　

　　　きょうはちょっと動物園なぞへ行ってくる

　　　私もお仕事サボってお供します･･･ｖ

　　　　　わたしも夜の店へでも繰り出すか

　　　　　あなたが行くならどこまでも･･･ｖ

　　　ノンストップ　くっつき虫、･･･、

　　　ばかね、わたしはあなたの蚤なのに･･･。

　　　　　世界中、わたしたちみたいに仲がよかったらいいのにね、

　　　　　･･･くだらん、―――そんなクールなDiscovery

　　　パジャマあなたが着ないなら着なくてもいい、

　　　そしてそれはまるで、Fantasyの旅の途中

　　　　　　　私は、―――あなたに100回くらい死んでくれといわれる

　　　　　　　首を吊る、手首を切る真似もざっと100くらいしましたね･･･ｖ

　　　　　心がシルバーにコーティングされていく、･･･雨は降り続いてる、

　　　　　まるでピアノのうえにあった見知らぬ譜面にひろがる人生のように

　意識をうしなうほどの鎮静剤みたいに

　ゆっくりゆっくり倒れこむ私はトーテムポールです

　　　笑っているからシアワセですか、泣いているからフシアワセ

　　　叫んだ、ウットウしいよ、マトリョーシカ／金太郎飴

　　　　　･･･世界はきっと夢のなかみたいに、じつはぐにゃぐにゃしていて、

　　　　　グミというより、ゼリーなんです･･･　それでも、それでも、

　　　ダリやムンクじゃない、―――不安や愛の欠如した詩人のように

　　　もう何回、じぶんを子泣きジジイみたいに代えたか

　　
　　　　　ホラー映画のようなマスクが貼り付いている

　　　　　･･･それで脅かすか、―――それともそれを認めるか

　　　鬱かかえこまないでください、ご相談ください、

　　　という、ポスターににわか鬱病患者のできあがり

　　　　　　　私は、―――愛玩動物が遺伝子改良品種だと知ってる、

　　　　　　　･･･整形手術のかたわらで無心にパズルする人びと

　　　　　みんな、まだ知らない　の、･･･雨は降り続いてる、

　　　　　わたしたちの家々の上空から、心の　中　か　ら―――。