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灯台

灯台

想像の森

  0-1 蜉蝣


 無酸素状態の くるしそうな泣き声

 夏の太陽に やはらかな身体が揺れる


   0-2 蜉蝣の死


        秤が蝶の卵を孵す・・誰に何を質問しているのかわからない

         一艘の船にわたしは胸を締め付けられるのです。


 1 かの公園に渦のごとく縺るる紅、紫、緑


  ・・・無限形成運動“image”・・・

   今もなおあわただしい世相の動き

    生命の春・・気魄を奪い、宝石のごとくにしてそれを惜しめ。

  つきが満ち欠けをしている。うすく靉靆きわたるくものかけらは

  はるか杳いちりと瓦斯をこごめ、水素ガスと塵のりゅうしがあつめられ、
                                    やどかり  ちくしゅつ
  そのいろをふかめし母なる胎内では一千万度の熱を有す奇居虫たちの矗出

  見よ、その火のようにあかき竜を。


 広大な宇宙で噴霧器する涙は、俗卑と凡雑と低吝とのいやしくもこれに入り込むことを拒

み、受話器する声。埋葬して合掌し焼香したい敬虔な心持ち、いやはてに透明は遠く、硝子

でさえも遠い、自己の影を労う。彼岸と調和との思慕。されどX線やY線が飛び交う、斥け

たるものをも摂り、曖昧な、目障りな破壊の世界にうまれたる――非常に強い重力場。相対

論的効果によって物体の時間の進み方が遅れるが、羞恥を忍ぶ衒気と感傷の本道であるが故

に、光ですら、その監獄から抜け出すことは出来ない。

  どうして摩擦し合うのだろうx線

    善とは何ぞや」

     真理とは何ぞや」


  1-1 蜉蝣ー蝶の卵ー鳥

                ライン
 発送人不明のありえない線の行方

 抛物線、航路、――内心、鳥たちは地平線に憧れ

 夜 非平衡の 音楽の冷たい持続に 夕暮れが歩く


   1-2 鳥は画家の眼である


        プリミティヴな画家たちが、・・・[愛してはいけないもの]

         ――奇妙に赤くこわばった、クレーン船が停泊する。

         河口に位牌がある。巌だ。中州だ。

         ・・中央分離帯。

  
    1-3 いたずらに星が降る


     答えだけが妙にはっきりと聞こえ、

     輝く夜空の下で、星が降る、

     星がもし、雫であったら・・

     草の上に あるいは葉のうえに生成されるだろう、

     星が、溶けてゆく真珠が。


     1-4 デスペラードな気分を帯びる如く長い手紙を丁寧に読んだ。


 わたしは腹話術師のように独り言を喋っている。種々の尊き徳について、眺め、考え、究

めんとせるためおよび、思索と体験の進むに従いて唯心論的な認識論の入門をあわせ、わた

しの声は無量の哀調を聞くごとく。

 ・・・多くは、独り言ではなく、・・内省、あるいは自戒――みじめな現実的な何かに対する
                          
気後れを感じている時、やるせのない不安と寂愁とが絶えず襲うてくる。わたしは頭の中の
スラム
貧民窟で倨傲な心がぬっと頭を擡げる。・・・。

  八俣遠呂智よ、神を冒?する忌み名よ、失楽園でそそのかした蛇のごときしるし。

  醜い邪心。水素は核融合によりてヘリウムにかわり
                                       シムボル
  ついにあかくもえはじめ星は誕生す。けものは致命的な治癒の象徴

  また霽れもやらぬ蔓をからめし月面の第一歩をつげうる

  怨念恐怖のごとき蒼ざめた奔馬の廻転。


 漂流する電流は手応え無きときに覚ゆる淋しさ。水母の透徹なる批判と、纏綿たる執着。

多面体的ウラシマ効果。水脈ー爆裂-落雷ー大尖塔。・・(ホロビジョンのスウィッチ

を起動)ブラックホールが映った。互いに胸を打ち明けし、崇とかりしその顔(に、)
                 どろへき
 周辺の光はねじ曲げられ、厚い泥壁、黒と白のチェス、海鼠のような雲がある。

  百億の孔雀たち。百億の孔雀たち。百億の孔雀たち


      1-5 遷移ー雲が流れる


   もしかしたらそれは、

   快楽を問う時の信念であったかも知れない。


                   (わたしがいっそう親切に、忍耐に富み)・・・

         (わたしがいっそう親切に、忍耐に富み)・・・

 それを「目玉焼き」というなら、

 君は兄で、そして僕は妹かも知れない。

 違う言葉でいえば、

 君は「フォーク」で、僕は「ナイフ」だ。

 “目玉焼き”が、フライパンと換気扇の関係のように、

 パイプから流れる煙を追い掛けている、
 、、、、、、
 湯気のように、ぬくもりが伝わる。


       1-6 ぬくもりの誘惑


        追い掛けている時、人は、

         ある限定的な持続の連続モーションの中で、

         16コマ、24コマ、60コマ(枚/絵)

         ・・・わたしにとって常に誰かの顔が浮かぶ。

         『詩人は千の声を持つ、』と言うように・・

         反芻しよう 花園はルソーの蛇使いの女。

         霧の中に 密林がある 沈める城がある


        1-7 少なくとも巌のごとき安心の地盤


  ロダンの大理石塊を前にして・・ヴェートベェンの楽譜魂を前にして・・・

 ・・・ブラックホールに葬られる。星の生誕から、加速せよ!

 柩に嵌め込まれたように大質量の恒星が超新星爆発した後、自己重力によって極限まで収

縮する・・・われ歓楽からただちに人生に入りたるごとく、抽象して常に眼前にぶら下げ、おお

雑駁なる混淆物・・・巨大なガス雲が収縮することで生成し、星が集い・・引き寄せ、引きあうと

き。車のフロントガラスの雨が、頭上ではなく、前方から降る――

 断れ断れな耽美主義に惑溺し、憎悪を燃やしながら、疎らなわれの影は淡く崩れた。
 ヘッドレス
 頭飾り。その質量は太陽の十億倍。重力半径は30億キロ。

 ・・・わたしがちょうど、その思考の中で、陶器のように化石化して、硝子海洋の幻想を見せ
                         ドック
るように。境界の無限。宇宙の無限。それを暗渠のような場所で感じている。濁水滔々たる

黄河の流れを貪り汲まんとする、彼・・創造の世界と・・・蚯蚓の声も幽かに代赭色としての心

臓。神経束の循環。シナプスーのさらに霊的な纏まり――
          ふきだしみず
  くわつと牙をむき間歇泉の毒液が宇宙空間をおおいつくす

  ナルシスの愛の液。アポロの讃美の虚無。

  硫黄のにおい、オーロラとたつまき、また薄翅かげろうの大群を髣髴さす

  大吹雪はするどにとがり、そこしれぬところに鎖と鍵をもち。

  おお、角ぐむ雷雨、そのおおうなぎのさばきのような地震、

  首をはねられてもなおやむことなき噴火。

  ひとつの予兆が諸国のたみをまどわす権威と教え知らしめ。

  すい墨のりゅうろたる獣の手に、また額に、眼球に

  蛇のしるしをつけられた大陸は移動せり。

  駱駝のこぶのような隆起はおとしあなのように陥没し、

  えいえんにとざされることなき断層の亀裂のこるなり
           ほし
  このるり晴天の地球のサタン。



         1-8 ぬくもりの誘惑


      沖の嵐によってやられた破船は

       ・・・鰓からゆるい気泡を吐く。

       無垢な白銀のー空に猿。


          1-9 ぬくもりをもし、俳優のしゃがれ声と呼ぶなら


            猿、おまえは身体をくねらせていた、

             ・・・舞台の幕がしまりきるまで。――


  まことに荒んでいる。君の吐く息は悽愴の気に充ちている。

  でも人生の真の研究たらんとする君ならば、・・おお君よ、やさしい眼で、

  そこから一歩勇ましく踏み止まる勇気を持ちたまえ。


                   (答えなんかなくてもいい、)・・・

         (ただ、自分の生まれてきた理由を知りたい)・・・


 ・・・・・・・・・封印されていた記憶を解放せよ、暢々して眺めた風景の電車に騎り。低感度のセ

ンサから、高感度へ。するとウルトラマリンだ。(古めかしい香いのする)・・、みじかい周

期の波長が何か所にも認められた。耽溺、刹那主義。肉の香、白い腕、紫の帯。だがデータ

が不足している。無秩序な情報の流入によって起こる摩擦。雑音。中枢部の格納庫のような

場所の膨大な記憶が眠っている。

 「わたしはこれから生まれようとする星の揺籃・・・」

      ・・・Who did you see?・・・

     あなたは誰を見たの?

 わたしは散逸する一瞬ごとの記憶から、欲求を抑制して、古い、弱い、小さい、危そうな

象形文字を印したる凸凹道を、鳥を、冷やりとした。数多き墓の中で到達せんとする。巨大

なる言語体系へ。猛烈な癩病らしい、砂塵へ。奮い戦慄く蛇類に似た執拗さで。・・(名も知

れぬ白い、小さな草花があたりに簇り咲いている。ああ、また無意味な記憶の流入。不要な

質量。思考片。咽び泣く木精。ミゼラブルな不安と懊悩。

 ――流れの速度は、もう光速近くにまで達している。


 2 スーベニア


 やさしい季節は 暗い詩から逃れた 

 バスに乗ってお前は・・迎えに行った

  「・・・幼少期の悲しいお前自身を」

  恋は何処へゆく、猿は何処へゆく

  折り畳まれた淫靡な感覚の優先的な権利 

 暮れる靄からはなやかな衣装まで

 ――これは背景の問題である


   経済的な成功の背景・・・

    環境に適した競争力の者が生き残る!




  2-1 頭脳は景色を販売している


        フロイトのもっとも得意とした願望の錯乱。
 
        抑制された因子、優秀さは巨大な表現をもとめ、

        朔太郎は、敵と呼び!・・敵は!七人以上が常となる
             ちまた
        すさんだ衢。灰が物語を食べ始め、

        孤独の砦に捨て犬のような鴉。

        心に激しい欲求がうごめいて、鳥が走る。

        世の中のほとんどは、車やバイクが走る。


   2-2 「頭脳は景色を販売している」を基に書かれた短詩


      そんな風に・・・。時間のほとりを・・。

       影のように光をあつめて

       隠れている 樹の影――。


 無辺際の空より切り落とされたる暗澹たる灰色の冷たい幕。

 哀れな、哀れな虫けらの我は、

 野良犬のごとくうろうろとあわれな舌を出している。


    2-3 花壇でかたつむりが片想いをしている


            もしとしたら、

    餅に黴が生えるという黙契

 
              背景の色とイメージを印刷する

              ・・・は

  セルの“背景色”を設定する

  青空を背景に木々を描くとき、塔が見える


         (の、)なかにある


 写真の背景にいる男は誰ですか? 圧倒した歴史に重要な人種差別思想、植民地政策とは

何ですか? 報道規制を異なる色や織地の、増幅レベルにするのは何故ですか?

 [両脇には壁があり、背景には2つのアーチがかかっていました。

           もしとしたら、

           もしとしたら、



              まま・・・・・・、


     2-4 レアリー


 レアリー
 稀に・・希薄な大地に呑まれそうなことがある。徳を修め、推して之を四海に擴むれば、無

数の星々が燦めくなかで、他国の種類を殊にする文明が俄かに侵入し、されば時に、利己的

快楽主義の鉾をまっこうから振り翳す。自国固有の文明がその為に破壞されようとし、時に

は邪説揣摩臆測の粋を出ぬ――植民地化を思想的に後押ししたダーウィン進化論・・たとい破

壊までは行かずとも、他国の文明の為に自国の文明が、幾分か光輝を失い懸るというような
            いぶき                 うるお
場合も起こる。暖かな気息を吹きかけてじんわりと濡える眸と柔らかな掌とは君を迎えるべ
 やぶさか                     ハイカラ
く吝ではないであろう。世界が縮小し、高襟・・しているような、あの、信号の灯火。(ラン

プの黄ばんだ光は室をぼんやり照らしている。)・・立体走査・・・スタンガンのように火花が散

る。スタン (stun) とは、英語で(打撃によって)気絶させる、呆然とさせる等の意味で、

これに銃を意味する gun を付けてスタンガ(n)・・N 今この瞬間 層システム。テンプレ

ートを正しく作成するための背景・・n行m列の配列(n×m配列)s――N 縋りたいという意識の

生じ得ない刹那がいっそう茎を曲げる。(この茎とは、重力に常に影響を受けて釣りのよう

に下部から引っ張られている)――でさえ滅んでいくというのに、我々は現代の見解をただ

盲目的に信用し、世界が断ち切られない、地盤沈下しないと信じている――

  ここで n はディスプレイ番号になる。

  ここで n は鼻音となる。

    パターンスペースに読み込む/追加する。
                                    こけし
 (粘土細工のような顔、ニヤニヤして骨の埋まっている顔、木偶の顔、)
                                    ラピッズ かお
 ・・・汚れている信仰、冷たい、古びた業火、崩れた形相の急流。面貌 

   番号 n のフィールド、コンマ、番号

   「n がどのような数であっても成り立つ」

      ――トランジスタの発明に始まるコンピューターの小型化――

 腐ってゆく菫いろの心臓、ベルの鳴っている時間 文字の集積。モスグリンの黴生えそう

な気配、周波数(Hz)をセットする。蛆虫、蛭が無数に貼り付いた。「ゼロから始まるユリウ

ス日」「Nは予想される文字列の長さです。」・・果てしなく気持ち悪い男、女。まるでマケ

ドニア王国を崩壊させたマラリア。死の病ペスト。メメント・モリにつながる黒死病。天然

痘(を用いた)映画やドラマ・・(その数を切り捨てて、小数点以下n桁にする)・・カフカの悲

嘆。変遷してきた宿命的経路を追跡せよ、突然柱時計が鳴り始める。重い、鈍い音である。

数は三つである。蒼白い、悲哀が女の黒髪の直後に蟠る無限の暗闇のなかに迷い入る。すべ

て・・残忍な王の仕業。白い疫病。――この律動が装飾であると看破してみせよ。この異説、

ああこの異端が税関倉庫のつめたい混凝土のように思えてくる。サナトリウムは閉鎖された

。あるコマンドの致命的なシグナル。その生長を阻害した者は、競争者だ。日陰に隠すこと
                レアー
で地下室の焙り肉。レアー・稀に。
      

      2-5 エイプリル・・あるいはタイムマシーン

 のろし
 ?台はあがれども――「語る、ということで・・」

  ガスバーナーは多島海的きちがいのリズム

   繊維を焼切れ、・・
     トンネル
 その隧道に地名を与えれば、
       ほばしら
  せわしなく?檣のマストも固い夢想に膨れよう、・・

  「情念のアンテナ設置しまくり!」

   ・・イエース


    ――「増殖する 顔の毛 顔の月」

    ――「悲惨な顔、整った顔、怒った顔」


   ・・イエース


    ――「顔面神経痛不審顔」

    ――「醜い顔、物知りの顔、悪魔の顔」

         
 もし、遠い祖先が食人種であったなら!
 
  抗生物質が必要だ、インフルエンザ!心は著しく繊細になっている。

    ・・・水銀の底冷たさ。ああ!この窓に鳴って惨じく荒れ狂うている嵐。

     (瞼など重だるく閉じれば、世界大破滅の荒涼たる光景)

 ・・・俺たちは正気でいられるだろうか、ハンバーガー・マン!

   「あの人の顔は立派なハンバーガーだ」

   「あの人の顔は立派なねずみで出来ている」 


 (妄想)・・石の柩を、いや粗末なあばら屋でもいい。そうさ。灯台もと暗し。足元に置い

てある電気ストーブの電熱棒で、俺は自分の肉が光の鞭で叩かれていると思う。


 鞭とは、顔がない幽霊にとって、

  無表情を誘う、という意味において、無知である。



     (感染者は増加の一途をたどっている、)

  (油溶性顔料の色だけ白い家・・)



 ・・・無限形成運動“image”・・・
  シンクロニシティ
  不思議な因縁によって妊娠はいちじくの葉にかわり

  また。知恵の実はひとつの石榴のわれた頭部。
       パシレイオン                にこげ
  幻の街よ、宮殿よ、永遠の鏡よ、果実の絨毛よ。

  たいようから降り注ぐ熱エネルギーのために。朝となり
                     なめ       ひら
  またこの夜をむかえ、獣の皮を鞣した聖書を闢く。
               ばけ
  うすうつむったおしろい刷毛のまぶたが猿のように厚ぼったく縮み
                         なんだ
  ぎりぎりという歯ぎしりと。ひらめくまるい泪がこぼれおちる

  本の頁が無造作にひらかれている。混迷の月蝕のような雰囲気をただよわせ

  しむみりとした蛍のお尻がぷっくりとする。

  あれはみんなきらきら星です。くらい孤独やかなしみでいろどられた

  ものがたりよりも一層わびしい、粟のようなひと文字を

  移植している手術のいろ硝子にふれながら・・

  まひるの旋律をかなでています。



       2-6 太陽に焼かれたるオ ナニー


        教えてやろうか、・・・言ってやろうか、物好きな奴! 

         にげまどうはあわれな「無智、」

         眼とった【娶った】・・・罵声や肉片。

         幾種類もの造花。

         闇の中 光る蝙蝠。警戒と無関心は 貝の耳。

         ハイエナほとんど同じ

         卑しさと同意味。

          ・・・誰かの呼び声ひびわれるかも。


        2-7 腐り、腐りして、露出した骨


 上流は風光明媚な渓谷であり、谷川の畦道をあるいていると逍遥という雰囲気がでてくる

。足に蹈まるる影。淡い、甘い悲哀の内を彷徨し、私の脳味噌は哲学書になった。不機嫌な

顔つき・・しなびた血色、しわの寄った厳めしい顔。出血、下痢、脳炎などを引き起こしそう

な精神状態。白日夢,夢想, 空想.

 中流から次第に流れは細り岩でごつごつし、賽の河原。一切は恐ろしい倦怠のみ。草の葉

ばかり揺らいで根の無いごとく、根がない暴走は、胡蝶の夢。下流では石と砂が多くみられ

る。胆石、化石、・・「ああ、石化する森!」

   そして、月・・月の光だ・・・

 (の、)光だ。さながら切れ切れになった鋼索が、赤い土のあいだから、枯草のように顔

を出している。幽霊だ。自分自身を追い求める心臓の片割れだ。不安だ。四つん這いの赤ん

坊だ。宝石芸術のごとき蹄形磁石。詳細、ヒント、助言および補足説明。
  
     そして、月・・月の光だ・・・

 ・・・どうしてこんなに微風が門へと走る、あの狭い黒い裂け目に影が走る――

     (アルコール、ドラッグ、セックスの放浪、)

 あらゆるものは新概念によって展開されるべきものである、ということか。たとい充実せ

ぬはかない気分で冷たい境地をうろついていても、未経験の発想、原風景、その感染部位、

、ああ!未体験の世界へと突入していくために、具現する必然性を問い掛けず、ただ、ふと

した疑問を投げ掛け続けることが、遺伝子変異や交配を経て、人びとに伝染するということ

か。ああ!・・発作的恐怖に戦慄する。欲求的衝動の方も強烈に、信仰し、謳歌し、主張した

い。ああ・・何処へ、特殊的自我の色彩をもって・・・眠れる宇宙の果てへ――

        そして、月・・月の光だ・・・

 にわかに予測を覆した現在の知識の連続性を俺は学ばなければならない。落ち葉のメカニ
 
ズムに集積保存をみる! 全体の敷石はまるで、石英ガラスのようだ。母なる自然ではなく

、思考の実体を表現する純粋な自然だ。本質だ。宝石が光る、石器時代も写真で垣間見る石

板なぞあれば、「縁起説法門」のprogramとなる。

  見えてくる時の喜びだ・・母親が息子を売り、父親が娘を売る・・・

 エジプトの僧侶よ、ギリシアの万有学者よ。学問の婢僕を見ろ、韜晦者を見ろ。肥った鼠

のようなふてぶてしさをみろ。あまりに成功を急ぎすぎた吊下げ式の運搬器を見ろ。あれは
                                  りん
読経であり、あれは蝋燭の揺れる光であり、余韻嫋嫋の鈴の音である。

 障子に稲妻が投影る。――FLASH――

                  そして、月・・月の光だ・・・

       (眠れる自覚を唆り起こして、われらを偉大なる自然の前に引きいだし、)

     (イメージを変更するオプション、)


 神社には地獄極楽の絵が堂内に掛けられており、ぎょうぎょうしい仏像、沖縄のシーサー

、酸鼻の極限で変身してしまった狐が、俺の中で明瞭と狂気する。そして崩壊した、やつれ

果てた怠惰が何百万もの蝿に変わる。また、覚束ないちりめんの月。・・


         2-8 これは転移の問題である


       ・・・わたし達はようやく一条縄ではいかない論理を発見した。

       発見されたし八犬伝、

       予言がものの見事に的中する。「的中デス」「天中殺デス」

       欲望に囚われた神への隷属。ああ!

        ――不可視の跳躍デス!

        ――際涯的なパフォーマティブな実態デス!
                         ひれ
         ・・・長く 尾を引く、ヘンタイ的お領巾

         昆虫類 空にたゆたうあからさま性 欲亢進

   (シルエットのようにスクリーンがあり、)
 
      (ステージ・セッティングのもと異なる人物が合わさり、)


 メタルの。バターの。そっとつめたい指先で頬にふれると――

 また俺は厚い雲と、湖底と、そのまた宇宙空間に漂っている。認識し、情感し、意欲する

心的態度のもと自然力の偉大を悟り、生の悲痛を感じてはまた恥じる。漲る歓喜の声にイズ

ムは鏗鏘の音を傾聴する。公衆衛生問題のように雷の音を聞く。基督よ、釈迦よ、孔子よ、

・・・女だ。目ざめると、いつもそこに女だ。その隣りにいるのは、どうやら俺のようだ。心理

学的には補強妄想、性的記憶の抑圧ということになるのだろう、どうぞ、御覧あれ贋記憶。

 つめたい月のように俺を凝視める君――きみ・・

 静止画像が突如とかれ、そのくちびるは俺の耳におしあてられ、御杖衝き立てて、

 「だれがすきなの?」と言ってくる。

 ぞくっ、としてしまう。さくらの塩漬け。

 充実せる生を開拓する大なる可能性を蔵した結果・・「君を捨てる!」と宣告した。いずれ

も重症な収集家がそうであるように、何が、どれが一番良いのかわからない。なにを信じた

らよいのか、感情的なポムプの。銀のボタンの。もうわからない砂漠のような精神は、沙漠

の夜の骨の過ち。焦熱太陽にぐらつく滲んだ新聞紙。

 表われた世界は意志の鏡であり、写し・・ふしぎだ、その時、花粉がちらばる。或時代に編

纂された書籍目録さながらの埃・・最大多数の最大幸福――、ほんのわずかに伸びている彫刻

の浮き彫り・・(ああ、白い手、その白のカーディガンが。)・・ちがう、それでも誓う、この

世の中でまだ見たことはない衣服が、むき出しになって、腐り、おお!腐り、骨が露出して

いるということを。神の信号機。森羅万象の輪廻転生。透明なビットマップ。おお!フォー

カスのうちにわれわれは鉄橋を横切っていく。現象のために、人間に至るまで、完全に現わ

れている主観でも客観でもなく、まったく別の次元で、材木、認識、表象という文字が官能

を透かしてくる物質のように、その水面・・・(ERRORとしてセットされている)・・に、死

体のように浮いている。にこやかに微笑んだ女は、俺の肩に腕を巻きつけている。赤・黄色

・青。月白く花咲ける情緒。そう、君は絞殺せず、片目をとじて、引き攣ったウィンクをし

てみせる。遠深なる形而上学の問題である。愛とは、背景の転換。

   (蘆そよぐ枯野の寒きに飛び去らんとするイメージ)

  (あらゆるものが、窓である。羽根である)


 そんな風に、俺はいつもズレている。独楽を廻わしていると、花魁の首。村人に奇襲をか

けられ敢え無く死した武士のくびがみえてくる。すずろかな不穏である。

 パスポート・ナンバー! ・・・俎板の生臭みには湯ではなく水だ。ぷるン、としてやわらか

い瞳孔の部屋には、白黒のストライプがある。
              ちょうせき
  きららかな月はうみに潮汐をひきおこす

  ちなまぐさそな鳳仙花も、蟻に糸をくくりつけて、

  ほらがいをとおっていく。あのすてきな神さまのお話のように、

  なにか粘っとりとした外光のいたさが蜜のあまさとかがく反応をおこし

  ふしぎとやらかい惚っとりとしたここちにする

  とまれ万有引力。おお、万有斥力によって

  宇宙のインフレーション、宇宙の加速膨張。

  いつか紛失くししオリュンポズのりんごよ、

  ビックバンについてかたるべき宇宙背景放射よ、元素の生成比よ。

  かくて人類の水分は滾る。あのおぼろめくルナによって、

  くわうくわうとした、あたらしい山がみえるまで!


 ここに殺された日がある。デス・マスクがある。頭蓋骨の眼窩に蛇が、次に蛆がウィルス

のようにその“死”を骨粉にする。構成要素のように態度、用意、気分またはその背後に潜

む至情を泥にする。泥靴をこすって泥を落とすように、あの埃は、はげしい家具の動揺をさ

そう。台風の時とあまり区別がつかない荒屋(に、)門は閉まらず、直す気も起きず、あた

りは植物と花だらけといった具合である。泥灰土。厳粛なる事実を直観する。宇宙の万物は

皆その影のうちに、読み返します。屋根は爪先上りにかたむき、軒廂は雀の糞だらけである

。人格の分裂、害悪としての苦悩を読む。タルカムパウダー的恍惚。裏庭に面した縁側、物

干竿のまえの頭部・・(と表現するほどに、正しくなる)・・雀の巣。

 そして、俺は何処にいるのだ?



 3 開花ー音楽のめざめ


 わが身を弓なりにし永遠を見つけた!

   暗い暗い、気味悪く冷たい、
       いき
   吐く気息も切ない、混沌迷瞑に・・

 未知は、永遠という機械(を、)

 持続的に発動させ、

 遠ざかることが嬉しかった・・!
            しじま
   この橋のもと、暗き沈黙に
      
   藍色の夜の暗さ さ・・

 血色のよい膚が、こんな時には、磨きをかけたように艶光りして、

 血糸の綾がその視線が太く短くなってやがてはたと切れたとき

   空気の振動、機械の振動でたましい(が、飛び交う)

   蝙蝠も、眼から除去できぬ意味では永遠だ! 

 裡に盛りあがってくる活動力の愉しさ
 もろて         むじな
 両手をあてし官能の甘き狢!

 ああ 深く咎め給わざらむことを。と・・

 クリッとした利巧そうな目がフーッと溜息を吐いた! 見た!
   ひき        つかれ           くゆり
   蟇! 神経の衰弱にぞシガレットの薫深くして!


 

  3-1 快楽の執着ー解放ー拡充


 そして、僕は何処にいるのだ?
          
   
   3-2 松吹く風


 手もとへとどかなかった郵便物もあったろうが、・・・二階の窓から眺めていると、舊りし世

を憶う。まるで凝結したように佇んでいた。森鬱として理知の快味、巨人のごとき大きな山

が現前にあらわれるように、空には郭公が一目散に飛んでいる。広告軽気球がブラーマ(す

なわち、精霊)の伝説中に再現しているのを発見する。ジッと、ジィーッと注がれていった
                                        ロッキング・チェア
。ためつ、すがめつ。そうしていった。と、見る間にあとからあとから、この揺椅子は揺れ
                                                   きた
た。少しばかりの風に檜葉がゆれているように、明るい熱い空気とに、乱射した。絶えず来
 よ                                                             かいな
る夜のよき香料が風、夜の寂寥が消えてしまった。無人だった。しかしその味わいは、腕の
さわり
感触に似たれば瞬時に身のまわりを取り巻かれ、――即ち、彼は、萎んだ軽気球が水素ガス

を吹込まれると満足げに脹れあがるように、個々の断片的なる官能的経験において弓なりの
            
空よ、君という冷き愁いの物語(神話上のまたは超自然の存在、あるいは出来事の行為、発

生、詳細、進行を伝えるメッセージとして、)――広くほしいままに横たわる。部屋の中が

暗い。花の匂いがしない。それでも蜂の巣の病める瞳。お前は蛇や蜥蜴や蠍をそこにうろつ

かせてみたくなっている。アンリ・ミショー的だ。過去の出来事の集合体だ。そして僕はそ

の風景の中に、研究室の空虚を意識し、裸体画に用いられるカンヴァスにおいて必要不可欠

な指を、アクロバティックに匍匐させ、ピアノの鍵盤を端から端まで、蜘蛛のたわむれして

みたくなっている。必要のなさ過ぎる冷静で峻厳な世界の「音」・・

 宇宙の真理を説く思想家なら、気遣わしげに点りたる、かかる日の真昼――
 
 くもぐった鋭い声を洩らし、淫れし、いとふくよかに温臭き残香。侘びしい灯の流れてい
           つゆ
るほうへとゆけば、汁の匂い。花屋は美しかった。赤い薔薇はもう病んでいた。頭が痺れて

いるような健康の妙じき具現で、二本の足のいかに心細くも痩せて見ゆる、声も絶え絶えに
                  エクスタ
、湿りがちに、朝顔の萎みがちに、絶頂。

 そのあかくなった肌色や、黄ばみゆく瓦斯のものうき香りや、太い腕やというものは、嫌

、嫌。・・牛乳の上を、アメンボが粘着している。ふたつのメロンの上を盲人のうしなわれた

黒の食膳が横切る。む、む・・・む・・今ではたいへん嫌いになっている、ストーキングの蚊。ラ

ッシュアワーの蚊。墨一色の世界とは比ぶべくもなく多幸な多彩。たとえ思惟の根底に知的

真観が束縛され、匍匐いながら、ハム、ウィンナーソーセージの類が昼飯の佗しさを菫いろ
          、、、、、、、、、、、、、、、、
にするとしても。頭の芯までヒューズが飛んでしまう。洗濯機の困惑。酔いどれの登場。仔

細に物語るオペラ。・・真っ白な?燭。昼顔が咲いている。松の風が吹いている――物の怪に

でも憑かれたかのような、ベットリとした脂汗が滲みだしてくる。はなはだ空想的にして不

可思議なる神秘的能力のごとく思われる、彼女は石。男は臼。重量が一定などというのは、

まったくもって無根拠なことのように思われる。ぷつンと電燈をつけたれば、不思議の光に

潤うたる瞳をもってハイネ――しかしハイネは大藤の花の垂るるがごとく咲き垂れるのみで

、ひとりでにそのことについて昂奮しない。妬情をかきたてられたる描写もない。ボードレ

ール、ランボー、という系譜。残忍で容赦ないスウィッチがはいってしまっている僕は、私

生児を孕んでいるのか、雌豚。きさま芸妓か。堕胎してこい。(不妊薬を飲ましてやろうか

、)・・どいつと浮気したんだ。ヒステリイな玩具屋か。それとも、黒だか白だかか。・・つよ

い風が吹いて一面に空がかき曇るように、俺の言葉は、奴を陰濕にはずかしめる。虐待。被

虐・・折檻。歯の痛みがこめかみの上まで這う。狂乱の夜はえてして卑怯な取調。もう少し

のところで誘惑されてしまうところであった、思いとどまって、言い訳・・

 しかし意志を離れたる純粋認識圏では、経験的事実に基づいた無量の哀調が流れる。挑み

かける脚。ふとしも手が伸びる牌。ストリップの時間をひそかに愉しむ、超高層ビル。

 人工的に作為したる眼路遠く、蛇が瞬けり・・。

 内奥をみつめれば、ふらんねる、びろおど、しるく、が、敷き詰められている。はだしの

まま庭へ下りても、泥まみれにならない。春の覚醒め・・熱い石の上または残り火の上を裸足

で歩く儀式。(霜やけでころころに膨れた手を膝の上で揉みながら、)ついぞ夜明けをみる

ことがなかった蝶の飛翔とともに、鬼がいる。チャンギリ、チャンチキ、ゴム鞠、太鼓の音

でもするように。アルファでありまたオメガである。認識は自由の過程である。・・抛物線の

きえていく幻影が、(軌道的でも、非軌道的でも、)・・あの三日月のしなやかなカーヴをつ

たって、「左へ急カーブしてください」・・移動する、あたりが変わる、くだらないその呟き

を、この胸に沁み込ませ、この飴は苦い、と言わせようとしている。

 「なんだ、この愛液は・・・」

 車のブレーキをかけると、滑る道路に尻の形――

 「お願いです、・・うう、うう・・ああ・・・ああ、やめてください」

 僕はデジタル・カメラで写す。内秘より研ぎすましたる羞恥。魚のように瞼がない、スト

ロボが光る。バシャッ・・・ON。それが人にものを頼む時の口の利き方か。同じことをくりか

えして俯かせる。抑圧を超越して悠々として自由な知性の拡張。不器用にひとつところばか

りをどうどうめぐり・・お願いしますだろ、何が止めてほしいんだ。「・・お前いつもこんなに

濡れてるのか」と僕はポルノ小説みたいなことを居丈高に口走る。貝になり、蛞蝓になる。

いたずらに彗星が降る。汗と涙と鼻汁の区別がつかない。

 ふるふる、と首を無我夢中で横に振りつづける。
   むらがり しづけさ  ちんもく
 緑の簇の沈黙・・沈黙。あれおかしいなあ、よく聞こえなかったか?――言葉をはじいて、
                                         イリュージョン
舌に消えていく、鎗尖と盛り上がった丘陵部。ああ、そのかがやきは幻影。
  
 ボイスレコーダー機能付きのデジカメ。・・虫の唸り声。だんだんその槌打つ拍子にある種

の調子が加わり出す。声もいよいよ大きく、汗ばむほどに握りしめた手の槌。全身を照らさ

れた。水仙。兎のように赤い眼の玉をキョロキョロさせている女――
 
 「見てもらいたいんだろ・・・」
 
 甘き甘きあるものを掻きいださんとするがごとく。

 「・・・見てほしいです」
 、、、、、、、、、、
 自虐的告白を強要する。スカートをまくって、パンティーを見てほしい、と言え。屈辱的

な懇願。被虐美。(でも、松林の中には魚の骨が落ちている)・・

 こんなのひどい、ひどすぎる――どうしてですかLOVE、あなたの心は歪んでいるの

に。服従のしるし、・・・触ると滑らかな触感の赤じゃないか。鎧を脱ぎたい。ほらもう、色ん

なものが剥がれてくる。無垢になりたい、より一層楽になりたい。俺にはわかってるんだ、

どんなに隠しても無駄だ。隠そうとする方が、ジャムにミルクというものだ。
 、、、、、、、、、、、、、、、、
 いつもこんなものを付けているのか。俯向いたまま、すすり泣くような息遣い。様子ぶっ

た人々から、癪にさわるほどじろじろ眺められたもの。絶望の顔をよせて、お前は教会の鐘

の音でも、どんな説教でも望んだかも知れない。

 ――感じていたんだろう。(松ぼっくりが、ぽとん、と落ちてくる、)

  ・・・無限形成運動“image”・・・
                      コ ス モ ス
  つきが満ち欠けをしている 秩序をもつ完結した世界

  黄色く脂じみて、黴に腐っている。舊りし剣がなる、をどる、あらはれる

  学ぶことにも、ろまんがあり叙情があり、うねうねと、
                             にほひ
  いつものやま道をわたしはのぼる。なつかしい気韻で

  からだにねむる鋳型の回路が。いきなりいきいきとめざめるように! 
              おちかた うろくづ
  ハッブルの法則で、遠方の銀河の後退速度を観測ぜんとすれば、
  へだたり        ラッシュ
  距離があるほどに大速度で地球から遠ざかることを発見せり

  アインシュタインは。一般相対性理論で、

  エネルギーと時空の曲率の間の関係を記述する重力場の方程式を
  かれ
  故は。宇宙項を消去し、人生最大のヘマ・・



   3-3 全力疾走 火によって血が燃える


        飛べるそいつら狂気に追っかけまわされながら、

         ・・・いつも虚数ダッタア! 韃靼人ダッタア!

         ダッタンダッタン!・・踏切が機織りダタア!

          ――取り乱して、生きること大至急可及的速やか!
           
         虚言。妄言。・・震源地は、永遠・・・

          その天末線に浮かんだアダムの棘!

            ・・・・・・俺、まだ息していたんダッタア!





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