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灯台

灯台

初期作品 12

  173 犠牲






いけにえになろうときめたひは

かなしいかな

じんせいにけいいをしめしたひだ


こころのおくふかくに

えいこうのひかりとかげがある

ちしきのいずみへのかつぼうも


ぜつぼうのうみへのさすらいにも

すこしはなれてきたのに

しみじみとつたえてくる・・・・・・


ひびのやるせなさというのは

なみたたせるかぜをわすれ

きらびやかなほうせきをわすれさせる


いけにえになろうときめたひは

どうしてだろう

よどんだしおをかきわけるかのようだ


えいえんのねむりをもとめる

かぐわしい そのしおのかおりに

ぜんもあくもない


あるとすれば むしろたいきにそよぐ

みえないさかなたち

みずのせいぶつたち


かつてえいゆうのたおれたところに

さかずきがおち

そこにつきがかがやいていた


ふくろうとこうもりがねずのばんで

あわいひかりのなかを

はかもりとしていすわっていた


かれらはけんじゃそのものだった

おおいなるもののじゅうぞくしゃ

あるいはまりょくのすべて


しんぴなるけものたちは

かじつとはなとをこころゆくまであいした

それがみらいのかなたであったから


そう かつてはそこにいのちのひがあった

わたしのきおくがただしければ

そこはせいちとよばれていた


だがわらうなかれ おどけるなかれ

いまもついおくのかずかずはのこり

ひとびとはかいこのねんにおかされている


そのれいみょうな ながれのなかにいると

よるのすべてはしんぴであり

ぼうれいすらもめいせいになりえた


おお だれがしりえただろう

とおいとおいはるかむかし いけにえがいた

そしてかれはあいすることをのぞんだ


はたして それはかなったのだろうか?

だが こたえはひらめいている

そのたましいはなによりもつよかった






  174 リラックス・タイム






瞳が存在している

それがカメラだ アイだ

ファインダーである

悲しいほど見つからない ことば は

いずれ 消えてなくなっていくのかな ?


いとも容易く 透きとおって い く 

通り抜けていく ことば 


僕はトラックにスポーツ・カーがビリヤードするのを

見ながら大炎上 して いるのを見ている

追突。玉突き。スピード違反ゆうに・・・・・・


バリケートになったパトカー に クラッシュ

し て 救急車 が 

なんてことはない作業をするのを


ホワイトの救済

かたわらでは赤の爆発


夕焼けに染まる かなしい贈り物だ ね・・・・・・

まるで骨董品だ 旧時代的遺物だ


背中の曲がった男が杖をついて歩いていました

くびれ加減にうつむき 筋肉は もう とろけていたでしょう

厚い皮膚を脱ぎ捨てる! 脱皮です 脱殻 で す


もう 腕から時計をはずしてもよいでしょう

(髭と鼻毛がもうわからないくらいですから)


リュックサックをおろしてもよいでしょう

(髪と耳毛がもうわからないくらいですから)


さあ 草原です

見渡す限りの!

やさしい 

君の風に舞う風車のリズム・・・・・・


鼻先にすぎた日々に立ちのぼる

僕をとおり過ぎていった 

羽根をあげるから手をつなごうよ

手にいっぱいの贈り物 が ドアを開けてくれる


満たされないでしょ う? 

こころは真実の声

標識に目をやっている街路脇 の 公衆電話のように

別レニ片手ヲフルトキモ 横目デ時計ヲミルトキモ

 
いつも、いつも、いつも、いつも、いつも・・・・・・

丸型 縦長型 横長型


満たされない ん でしょ う?

あなたという揺籃 を 

ブランコ に 見立てて

短イ手紙ヲカクトキモ 誰カニ電話ヲスルトキモ


ねえ いつか 夢や理想がおわったら

賽を投げられた あの 線路の真ん中に佇立ちながら

僕を愛してくれるかい 

と もう一度 

聞いてもいいかな ?


瞳が存在している

それがカメラだ アイだ

ファインダーである

悲しいほど見つからない ことば は

いずれ 消えてなくなっていくのかな ?


夕焼けに染まる

空を見ました 緑をかすめて頬に吹き寄せる風は

いつも ふたりだけの為めに 椰子の木をゆすっていました

こぼれた 日差しの水溜まり に きらきらゆれる夢が売られて

それはセロファン・テープを剥がした時に

微かに残った粘着。


いつも それに無口になり 心を閉ざしてしまった

夕陽とオレンジ・カラーの瞳

瞼毛はつらら状になり 規則正しい呼吸を

繰り返す瞬きが やけに ロボットめいている


だとして も 僕の質量は変わらない

睡眠不足の疲れた躰を 

むりやりベッドから引き摺りだして

方角を見失った針だけ が めぐる

そしてむやみやたらな扇動! 口も 舌も その縁取り

リップ・クリーム 口紅 という名の嘘

男性用トイレに 女の口が描かれている


明るい日 と 書くの ね? 

そうだよ 明日という字は

しょぼくれてるんだ うなだれてんだ 港でも 山 でも 

リバー・サイドでも 歴史的建造物にも 

雲にも そしてステルス に も

この夕焼け が そう この 夕焼け が・・・・・・


形のないもので 構成された あの日をいま 

愛のしるしにかえて

おろかで かわいい 夕焼けのカメラマン 

として 僕は見ている


すこしだけ時が止まった! 

きっと 未来の幸せを

ねがいながら 夜風にさらわれた白い雲 を 

想っているんだ よ 突き進む んだよ 

グリィーン の 空 を


きっと誰れもが 蓑虫や だんご虫 のように

鏡の前 で 脱け殻のセミ から 

いざ脱け出して 

きれいな蝶がブルー・スカイに 飛翔するのを信じている

それが 蜉蝣の翼だとしても

極彩色であること に 玻璃 であること に

ああ 気付いたとして も


瞳が存在している

それがカメラだ アイだ

ファインダーである

悲しいほど見つからない ことば は

いずれ 消えてなくなっていくのかな ?


産卵 も 有刺鉄線の金網 の なかで

孵化する! ああ ゴキブリ や ドブネズミみたいだな

けれど 迷っていても 信じるしかない毎日・・・・・・

どこか 灼熱けるように いたい感受性 が

緑いろのインクで手紙を書かせる

それが あたたかいピンクいろの魔法で


ばあむくうへん や

しよこら や くつきい や てらみす や

しゆうくりいむ や みるふいいゆ や かすてえら に・・・・・・


夕焼けに染まる

複雑な地下鉄! その日の月は とても 美しくて 

そんなエロティック・アートを 

愛したいな と 思えた 


壁にペンキが塗られたあとで

わざと ホワイトをぶちまけて スプレーをし て


じゃれてキスするのも 

誰かとはしゃいで眠るのも 悪くはないよ 

孤独な時間 も 

はぐれた心も いつか途切れた心の回廊を彷徨う だけ

夕焼けに染まる 蒼い星の砂に

太陽の求愛 抽象のりんご

あまやかな牡丹

夕焼けに染まる

夕焼けに染まる!


瞳が存在している

それがカメラだ アイだ

ファインダーである

悲しいほど見つからない ことば は

いずれ 消えてなくなっていくのかな ?


それはどんな 香水 なのかな 太陽めがけて

僕等はそれに引き寄せられる 

どんなフェロモンなのか な ?

でも 知りたくないという気持ちがある

よろこびが うすれる か ら

でも両手を 平行棒にかえて ふらふらヤジロベエ

しながら でも うまく 歩いてゆけそうな気がする


風はマロニエ 

ああ 風はエターナル 


生きとし生ける者に リラックス・タイム

神隠しのような恋をして

きえてしまう人生に透明党をたちあげる

鈍色のあこがれが谺する夕方をリセットして

迷宮のような星空にある何かを血眼になってさがす


みぞに落ちて 水かきがとれてしまった 

蹴りをかました拍子に頂部の皿が割れて 嘴もとれて

亀のような甲羅は 雨が降って浸水する

しまった しまった しまった

夕焼けに染まる ので 河童をやめる


池や 沼や みづうみ に

草原や 花畑や 家屋に 布団に・・・・・・


そう 水の中の太陽めがけ 落ちてゆかなければなるまい 

それは青いランプの誘導路

みすぼらしい虹。

をナメクジが食べてしまった

それにいたく感動した僕は特有のフェロモンを発散し

すこし だけ 酸っぱかったり 生臭かったりするだろう

生活臭 や 発酵臭をあげ る

それは 夕焼けに染まる 夢去りし街角


人生はたとえばこんな風だねと換気扇をまわそう!

とてもあっけないピリオドをのこして

ページがやぶられていく

細道・放置自転車 ディジタル・

シャッターの閉まる音


瞳が存在している

それがカメラだ アイだ

ファインダーである

悲しいほど見つからない ことば は

いずれ 消えてなくなっていくのかな ?


消えてなくなるかもしれない

いや なくならないかもしれない

星の交信は長く途絶えている

静かなトーンで くりかえされる

リセット・ボタン


もっと大きな器でなくちゃいけない

赤い花びらで埋め尽くされた部屋で 消化器があって

暖炉があって ザリガニがいて そう きみの唇!


僕はそれを ぱあぷる にしたり

いえろお にしたり して すこし遊んでい る

そんな髪の色 で 瞳の色 で 皮膚の色 で

すこし見えにくかった部分が露骨にあかされる

エロティックなほどに 明け透けに

瞳は騙されている! 


世界平和のともしび が A V女優から

発見できるかも知れないように

ぼかすな ぬらせ てらてら濡らせ

誰も差別に興味がもてなくなるほどに


瞳が存在している

それは汗をかくこともあるのだ 


冷や汗 も 粘つく汗も 

緑色の葉っぱ に 無数のこまかい水滴が

浮かんでいる それもまた 汗 だ・・・・・・


瞼は腫れる 

近視や乱視にも な る

夕焼けに染まる






  174 泣いても泣いても泣きたりない夜は






 くかあ、ぷはあ、びいるはよいものらあ。読者らま、らっきね、焼酎二杯を

ぐがあっと一分でのんらのれす。ぴいす。れも、大丈夫れす。この酔ひの感じ

をつたえるらけらから、たぁんと書けるくらいの理性、正常らなかった平常心

てのもなんらか変らけろ、なんらか、のこっているのれす。


 酔っ払いに罪はらいし、ふざけてこんなことをしているわけじゃないのら、

けれろ陽気な気分れす。ああ、れすって、れたすみたいでいいのら。らもかく、

らういう試みらから、読者らまも酔っ払っている気持ちとてうものを知ってほ

しいのれす。かんな、りょうたいれ、車ににょったら死ぬってかとれす。


 知ってほしいのりゃ。法律はふざけてるのりゃ。れも、りんしゅ運転者りも、

家族というのがりるのれす。死んだりゃ、取り返しがつかないのれたす。りゃ

から、かんなものをくきたいとおもったのれす。れも、たさぐりで、てく、という

のはよいものら。てく、って、かく、のことれす。


 そよぎゆらぎのワカメして、ふわふわしてよいのら。物体浮游術はむりらけ

ろ、いちどでよいかりゃ、分身の術はしたいのら。れなくても、幽体離脱はし

たいのら。うえっ。てこっと気持ち悪いれたす。横隔膜らとおもうのらけろ、お

腹がむぞむぞして、いんべえだあ・げえむ・いそぎんちゃく。


 れすぽんすのれす。てょっと、宇宙人がやってきているのら。抗いがたいう

っ憤を、あ、鬱憤を、晴らすのら。何を晴らすのら? てもかく抗鬱剤らんて

ものはいらないのりゃ、のりゃ。れも、アルちゅうはいけないのりゃ。更生し

て社会復帰している人にはごめんにゃ。


 一滴れものんだりゃらめって蛇にきいたのれす。ごめんにゃ。れも、ぼくり

はかういうやり方しかないかりゃ、ゆるしてほしいのりゃ。らって、度の合わ

ない眼鏡ろかとけて運転ふにゅやうに、文章を書くにゃんて無理もげら。りろ

りろ試してがぎぐげごすてみたけど、でうも、さつまいもなのれす。


 ♪ にょんでにょんで、にょまれてえ、にょんでえっ。にょんでえ、にょにて

ぶれてねむりゅまでのんでえ。にゃあがあて、にょとこは、にゃごにゃごね

むるのれしょう。


 濁点てけなきゃ。げろ、らからりるれろ、酔っ払ってのたくってる無様をし

ってほしいのりゃ。みんなにうながすのりゃ。読者のしらたま、こんにつは、

よつぱらい、の、うひ、うひひ、れす。れも、って、たっきから、れも、れも、

ばっかりの、れもん。内省的なのら。らから、気分かえるのれす。づら。


 かの喋り方はふしぎと気持ちがよいのれす。鷹揚なのだぞよ。ああ、ぎゅ

びぎゅびやりたいのらぁぁぁ。ああ、奥さん欲しいのら、だっち・わいふでも

よいのら。ひとりでいいのりゃ、ああ、僕はたち、あふがにすたん、とちく

るったことをいってるかしら。ふたりらったら、はあれむなのら。


 ああ、つらいのれす、ばかみたいらって、しっているのれす。英雄ってゆ

われても、天才ってゆわれても、らから、つらいのれす。ろれんす、らって、

きつと、なぽれおん、らって、かんな気持ちのゆきさきをしっているのれしょ

うか。らんのために、しをかくのか、たまにわからなくなるのれす。


 らけろ、ああ、蛙みたいな喋り方らけろ、だけど、らけろ、あとは食べられ

るのにまかせるらけれす。読者のとのさま、こんにちはれす。りまはてうど、

はとのまめでっぽうのじかん、れす。ふひ。ぐでんぐでんにらって、ふにゃふ

にゃの、軟体動物に、とんまげつけたてのさま、に、ぐひ。


 でこの方言かもわからねえっすけろ、マグロっていわれてえっす。ああ、い

いきもちなのら。もぐら。らっぱのら。らういう時はれすね、福山雅治たんな

んかの歌をきいて、あの人のばりゃあどなんかを、ふにゃふにゃきくのがええ

っす。とっても気持ちいいのれす。まだるっこしい毛糸の声がええっす。


 らもかく、ふぐのふ。しょうぎのふ。ふんころがしみたいに、こりょこりょ

してると、なんらか、はむつたあがぐるぐるしているみたいでよいのれす。非

常によいのら。僕はてうど、さあかす、の、にゃんだっけ、にゃんだっけ、あ

の玉乗りするれしょ? あの熊さんらか、


 ライオンさんらかみたいな気分なのら。らん、って、あらしのことれす。ひ

とごろしをしたあとれ、とりとめのないはなしを、り、り、りっぱなはなしを

しているとれすね、なんらか、流木のやうな、みなしごのやうな、気持ちらけ

がのこります。招き猫ひゃんがいるのれす。


 どうなのら、どうらどうら。がぶらあッとウォッカのんでるみたいな、酔い

というのはつたわるのら? れそらく、てたわるのら。にゃんだか、よいのら。

ほにょぼにょして、にゃんだか、にょろか、で、きもちがよいのら。づら。文

字のひと足ごとにくる、あばうと。


 あのわだかまりのない、りゃっこ、がよいのら。唐突らけろ、詩のメロディ

ーってなんなのらろう。ろれにしても、めちゃくちゃなのら。唐揚げって突然

さけびたくなるのら。うえっ。またら。胃液がじりじりのぼってくるような感

じなのら。りっと、ろおぷをつたってのぼってくる、体内生物感覚。


 ♪ にゃみだにはあ、にくつもの、じゃがいもゆでるう。にょころにも、に

くつもの、じゃがいもがあるう。


 ♪ じゃがこおん、じゃがぽてとお、にゃんかをたべながりゃあ。さつまい

も、そんなにょも、たまにゃあ、にくじゃがよ。


 なんらかわからないけど、そういうことにしとこうとおもうのら。頭おかし

くなっちゃいそうな時って、あるものなんら。れす、あ、です。れも、メロデ

ィーのことを考えてると、夜も眠れなかったりするのらが、ははは、嘘こいた

べ。屁だってこいちゃうもんだべ。ぶひっ、とらあ、すかんく。


 りつを言うとれすね、今はぐっすり、影絵で魚つくれるか、しらんもんじゃ

けど、両手を魚や、らこ、なんかにして、すったらこ、すったらこ、するのれ

す。ねむいのりゃ。ろうら、嘘つきらぞ、嘘つきに相等しい歌なのらぞ。ちょ

っと泣いちゃうのら。おセンチ野郎なのら。


 どうらどうら。こんにつは、豚ひゃん。詩人なんてのはやう、豚ばっかれす。

ぼくはれすね、いまの詩の現状とゆうものにもう耐えられないのれす。懺悔。

らんけするとれすね、好奇心は身を滅ぼすっていうのをやったのが僕れす。う

ひひ。れす。ああなんらか、空におたまじゃくしがいっぱいれす。


 金魚すくい。らんれ、ばかな詩人はすぐに、詩人やめるろか、いっちゃうん

らろう。へたくそはきらいなのら。らけろ、あたまのよい人が、ばかなことを

いうのはもっといやなのら。さぶ・かるちゃあ、がくるらんて、僕はいうけろ

さ、ああ 管まいてらあ! てれてらあ、ばかにゃあ、


 こいつは、んとに、ばかにゃあ。にゃんだか、茶化したくなるのれす。れも

ん・すかっしゅのみたいのらあ。らけろ、多様化した時代なんだにゃあ、その

にゃかで、らんと書けなければいけないと思うのれす。しょれがぼくの結論な

の、れ、す。らから、僕らんか、りつも、さみしいのれす。


 世の中は弱い人にりつもつらくあたるかりゃ、酔っ払いの泣き言はくるしい

らけれす。読者のでかまらのあんだあすたんど? がそりん・すたんど。れも

かく、にゃんらか、ねむいのら、ねむいのら。ああ、しんじられないくらいね

むいのら。れも、こんな風に死ねたらよいと思うのれす。です。


 うぃっく、ってりつは、さっきから連発しているのりゃあ。勝手に爆竹みた

いにぶすぶす、ばかすか、たばすこ。ふへへへ、って気持ち悪い笑いもしてい

るのら。りっと、こんなだらしないらこを、みられたりゃ、舌を噛んで死んで

しまいたくなるのりゃ。自制心っていふものがおら、りもあるのれす。


 りんな、はずがしがり屋とりうけれろ、そうじゃないのら、話のテンポがぼ

くにはわからないのれす。そしたら、身体が痒くなってきて、むずむずして、

なんらか、みんなの話を聞いてりる方が、なんらか、楽だと思うのれす。いま、

瞼かいて、まじまじと文字みたけれろ、にゃんだか、わからない、れす。


 おで、いまなに書いたっけ? まあ、らもかく、読者のだらいらま様、にゃ

んらか、さっきから文字がうにょうにょして、うにゅっ、でタコがあるいてい

るみたいにみえてくる、けふ、このごろ。ほんとは、お酒なんてのめないのら。

りつはからっきし一歩手前れ、おさけよわいのらけろ、のらくろ、のらくろ。


 ♪ ねこの肉球なのにゃあ、ほんにょにゃにゃいなことなのにょお。にゃれ

は猫っていたし、にゃんこはドッグ・ふうども食べるにょよ。


 ♪ にゃっこうはにゃめたわ。にゃごもはたらく時代によ。にゃがい尻尾ひ

きずってた、にょおんびり野良猫してらんない。またたび嗅いだみたいにゃ、

吾輩は猫であるぞよ、ねこ、ひとは奴隷に召使い、きれいにはいえないにゃあ。


 うぃっく。のまなきゃ、のまなきゃ、ひとだってころしそうなのれす。らあ。

らあったら、らあ。りんせい、というのはらあ、ふやけているほうがいいのらあ。

りつも、ちょっとくらい、ふやけてる方がいいのらあ。れんぶ、ふざけちゃいけ

ないのら。ああ、ぼくは、屋台のよっぱらいがすきなのれす。


 屋台でのんらことはないけれろ、遠目でたのしそうらと、いいなあ、とおも

うのれす。遠目からみると、らんれも、きれいなのら。れんき、も、きれえ、

れ。ああ、片思いの彼女にも、遠目の方がやっぱり好きらあと言えそうなのら

あ。らあっていったら、こらあって怒られそうな気がするのらあ。


 障害者みたいれす。なんらか、りつも、おかしい世界にりるみたいれす。ぼ

くにゃんかは、るうっと、ひとりでいればいいとおもうのりゃ。りつは甘えん

坊だってこと、ばれそうなのらあ。ちょっと、ぐるぐるめがまわってきらから、

わけのわからないことを、はなすのら。


 けれろ、あんまり話すとおこりゃれるからいわないのれす。らって、まえば

のぬけたくちみたいれすから。やらかい毛布に、くりゅまったみらいに、ささ

やかな、ふはふは。らのこはれすねえ、てうど、しろっぽいものをもっていて、

きつねみたいに、しっぽをふっていてかわいいのれす。


 気をつけないと、みつめても、しらないふりをされるのりゃあ。一五六四を

したって天のむくいがちゃんとあるやうに、ぼくにらって、ぼくの流儀という

ものがあるのれす。らけろ、あんまり、ぶぁかぁ。ばかなことをいうとわらわ

れるのら。りゃから、りゃから。りっかり、しなくちゃいけないのら。


 りま、意識とびさうれした。めんたまが、めんたいこになったみたいれす。

れ、かくれんぼりている、めざしれす。めざまし、のことれす。ああ、りつは、

てこっと透視能力があったりするのにゃ。にゃあ、でごまかせるとよいのら。

かういうのは、言ったもんがちなのりゃあ。


 らから、きっと酔っている人というのは、みいんな、超能力者なのれす。し

ろのなみの小人や、あわい、ぴんくの妖精なのら。ぶるう・たあこいずの人魚

なのれす。です。れ、まあがれつと・おぶらいえんのことをおもうのれす。さ

みしい、めをして、なんらか、ぞくぞくして、ぼくをおちつかせないのれす。


 もっと澄んでいるのりゃ、ろして、やさしい音なのら。もっと美しくて、な

によりも尊いのら。まぶしくて、ちょこっと悲しいくらいがよいのら。ああ、

れも、そういうものはいつかは壊れてしまうものらと知っているのら。窓を気

をつけてあけるのら。なんらか、空ってきれいらなあ、とおもうのれす。


 うふふふ、らりもみえないけれろ、美しいらあと思うのら。億らか兆らかし

らないけれろ、そんな昔のことはられもしらないのら。らから、無限らって妙

に説得力のある言葉をつぶやいて、これは大変れすね、とひとごとみたいにい

うのれす。かれはてうど、哀愁のぬうど、れしょう。


 らって、そんな時を把握していたら、きっと頭おかしくなってしまふってお

もふきゃら。らって、始終修繕をしなきゃいけないれしょう? ああ、ねむい

のら。れも、なんれ、愛とか平和とかが笑われるように、れきているんらろう。

国にゃんかこわれるらけらし、らうせ、何もしなくたって、


 ゆがみが直る時はなおるのら。歯がゆくて、けれろ、そういうらきにかぎっ

て、涙なんか一滴もこぼれないのれす。石けり、れす。めんこ、や、びいどろ、

や、べえごま、れす。僕の涙はてうど、こども、や、まご、のためにながれて

いるのらから、一滴たりとも、他者への共感につかうわけにはいかないのれす。


 真実はりつでも苦しいのら。罪のまへねは、神にゃどいない。あたへにゃれ

た答えに、満足はしにゃいけれろ、縛られもしにゃい。閉じ込めにゃれた部屋

に、どうなつがにゃり、コーヒーがにゃる。にゃらゆる質問に、答えがにゃる

にょだ。えっぐの在り方。れは、れは、読者のみならま、おやすみなさひ。



     ♪1 「酒と泪と男と女 河島英五」 ♪2 「酒よ 吉幾三」 ♪3 「酒よ 吉幾三」 
     ♪4 「ダンスホール 尾崎豊」 ♪5 「ダンスホール 尾崎豊」







  176 幸福のケース ~自信過剰~






 町一番の美少女とよばれし。よくいるじゃない、お調子ものの親、自分がブ

スだったからさ復讐みたいにメルヘンした女の子。で、あれはないんじゃない

というと、烈火のごとく怒って、嫉妬ねって。そりゃあキレイよ、あなたの娘

は。毒りんごの樹ってこんなかしらって思うくらいキレイよ。


 両親からほしいものを沢山あたえらる。けれどボクはなんだか着せ替え人形

みたいで好きだな。まあ仲良くしようとすると、あの狐のけだものが、しっし

っ、って犬を追っ払うジェスチャーされて、かっちーん、とくるけどさ。ボク

はだから同情するな、そりゃあ、性格くらい悪くなるって。


 嫉妬や羨望がこの上なく好きな節くれ女に成長す。あたしをいじめないで、

マゾっけがあるからってやめて。美男子をめろめろにしたからって、ブスの

僻みなんて。あたしをいじめないで、ちょっと頭がよすぎるからって。男の子

に好かれてるだけ、男子全員にむちゃくちゃ好かれてるだけ。


 いじめに遭っているという場面。なんてことをいうのよとつっぱり金髪・ロ

ンスカのわかりやすいヤンキー。きいっとキツネ様がお憑きになられた。あた

いのヌンチャクで絞殺してやる、おお鉄パイもっといで。きゃあ、という叫び

声とはウラハラにぐふッ。藪からサッソウと先生がうじゃうじゃあらわる。


 あっという間にいじめっ子たちの一斉処分セール。悪はゼッタイに勝つ。勝

てば官軍負ければ地獄。どうせいくなら地獄がたのしい。おちるもんなら人の

欲望のきわみまで。お金持ちと、二枚目をえらべといわれたらわたしは両方手

に入れる。なぜならわたしは選ばれた人間だから!


 年収・顔・学歴・高身長・優しさを兼ね備えた男でなければ嫌ッ。その口の

悪さたるやソウゼツたるもの。金もってない男はネズミにも劣る、料理つくら

せるよおな前時代的なヤツは禿げちょろけ。頭ワルいやつは所詮どこまで遡っ

てもエロとバカ。学歴ないのは人生設計のない証拠。


 具合のわるいことにモデルにスカウトされて、更にエスカレート・ガール。

いわば資格ばっかもってる女は身体で勝負できない乳 首マックロ。才媛きど

ってるやつは奥手でうぶでシンデレラ症候群で、最終的にはまわりの好奇に

たえきれなくなって援 助交際をして処 女をなくす。


 年収・顔・学歴・高身長・優しさを兼ね備えた男があらわれる。しかしたと

えそうではなくても、わたしは彼に一目で惹かれたと思う。うまれてはじめて

満たされた心地がする。彼の前ではふしぎと素直になれた。両親に甘やかされ

て育ったと思うの、みんなそういう眼で見るから、ずっと演じてたのね。


 すげえ嫌な女だったと思うの、ほんとに蓼喰う虫もすきずきっておもうのよ、

あわれで、不幸で、まわりにいつも迷惑かけっぱなしでした。ことあるごとに

毒舌をとばしてたけど、なんか、みんながどうせお前も頭がカルいんだろうっ

ていやらしい眼でみるでしょ、それならもう、開き直っちゃえって。


 わたしが欲しかったのは、コップに水を入れてもらうということ。おかあさ

んは玉の輿でよろこんでるけど、気にしないで、わたしは一生ついていきます。

これぽっちもお金がなくてもよいのよ、ほんとに。だから勘違いしないでね、

わたしはけしてあなたを騙したりなんてしないから。


 しかしその男が突然死する。ああ、当然の報い。自分のことしか考えない風

潮のすべての価値観が崩壊する。本人にはすべての不幸が自分の所為だと思っ

ている女を演じていると叩かれる。しかし彼女には、すぐに自分がどう生きて

いくべきかわかったのである。それは彼女の幸福!


 そもそもあんな短命だったら有効労働力とはいえないわよね、こっちだって、

未練も愛情もこれっぽっちもないんだけどさ。えっ、なに、やっぱり玉の輿だ

ったんじゃないって。そりゃそうよ、男は道具でしょ。見捨てないでください

っていわせる奴隷よ。もちろん、そうよ、女は子供をうめるんだから。






  177 幸福のケース ~名声~






 名家とよばれる家にうまれた少年。御ちょう愛もさることながら、おねたみ

心のない筆にも口にもお伝えしかねるほどの天真らんまんなわか様でござりま

した。まかにも不思議なことにもたびたびお疲れのときには、なよなよとされ

て、そういう時はドラゴンがミミズになりましたとかいわれました。


 使用人のことを家来、またはペットとよぶ破天荒な一面あり。それでもお優

しゅうお人でした。というのは、蟻のいっ匹であれ盗賊であれインフェルノの

申し子であれど膝にぽたぽたとなみだがおちる音がきこえるほどお慈悲ぶかい

かなしみを知っておられる方でした。うしなわれた蛍光灯のミッシングリンク。


 しかし没落、赤紙、不渡り。命を断つか、殺されるか、逃げるかといったご

主人さまのことばはいまでもお怨みに存じます。お可愛そうなわか様の遽わた

だしい人生の幕開けでござりまする霰られなき裾のみだれ。その時にわか様は、

ぜったいに僕はあの家を取り戻してみせるからねと言ったのでございます。


 のがれられて幸いはあざなえるなわのごとし墓前のまえで、とらえられたら

煮て喰うか嫉妬いても灼ききれぬわという夜気のなかでわか様は、いかめしい

先祖の墓のまえでそうお誓いになったのでござりまする。あのときのぷつりと

糸の切れたような人形の泣き声がわたくしの耳にのこってござりまする。


 少年は必死に勉強して、会社経営をし、とうとうあの家をまた取り戻すこと

ができる。はげしい怒りもどこ吹く風に、泥を塗った歴史もどこへやら、わか

様はすっかり逞しい青年実業家。おおはや鐘をうつむな元の懸河のごとし汗の

ミキシンググラス。わか様のわかかりし日の俤をとどむべきかな。


 両親や、使用人たちはその少年を囲んでクラッカーを鳴らし、ケーキをプレ

ゼントし、またそれでも足りないくらいにぼろぼろと涙をこぼした。凱旋式で

した、氷漬けにされたマンモスのとけだしでござりました。どうご解釈しても

足りないほどのわたくしの膝頭はロマンティックにがくがくするのでした。



 在りし日の少年はこそばゆく笑う。ああ、わか様の辛く苦しかった水の泡、

あやまった方向へと煙にまこうとしたあわれで無情なしうちの数々がすべて

むくわれるような気持ちでござりました。ああ、あれがドラゴンをミミズだ、

アリのティラノだのといっていたどういつ人物でござりましょうか。


 僕にとっての人生は常にこの家だった。そしてこの家が、そしてそこにいる

人たちが僕の財産だった、あの庭も、噴水も、季節を彩る花々も。そしてそこ

にお父さんやお母さんがいて、みんながいて、そして毎日めざめてねむるのが

僕のすべてだった、買い揃えられないかけがえのない僕の宝でした。


 いろんなものを捨ててきたけれど、ゲームやおもちゃは、自転車や靴や、な

らいごとはこれから取り戻せる。でも何年かかっても思い出は褪せない、そこ

で生きていられるという幸せはきっと厭世家でも、コンステトの優勝者でも同

じだろうと思うよ、不釣り合いなベッドで眠るよりはいい。


 年老いた少年の前に子供時代の自分のうまれかわりのような、奔放な孫があ

らわれる。ああ、わか様はオムツをされて、すこしボケてきて、それでもいま

でもわたくしのお尻にさわってははく露のごとくとおっしゃられます。わたく

しにとってわか様のお世話をすることが人生のすべてでございました。


 ねえ、おじいちゃん、こんな古臭い家に住んでて辛気臭くならない? その

時のわか様のお顔の眼のしばたきときたらどうでしょう不気味なほどの寂寥を

きわめてこまりまする。かすかな耳のそこに今でもごくりと唾をのむこむ音が

きこえる心地がします。ああ、ほまれがたきはわか様の!


 わたしの人生の幸福は、エピソードをしらない、こんなばかな孫に、そうじ

ゃな、建て替えるか、といえることだ。かたわらでは息子や娘の顔がひいっと

蒼褪める。そうして不覚をとりましたわたくしは、ついぞ解することのできな

かったドラゴンのミミズ、アリのティラノの意味がわかったのでございます。


 名家とよばれる家にうまれた少年。御ちょう愛もさることながら、おねたみ

心のない筆にも口にもお伝えしかねるほどの天真らんまんなわか様でござりま

した。最後はわたくしの手をにぎられてミゼラブル、ああミゼラブル、もう一

度だけ君のお尻をさわりたかった、とわたくしを泣かせたのでございます。






  178 幸福のケース ~膨張~






 ふいと快楽の波があるき出していた。すっかり欲望の追求をこしらえていた

のであろうあやしい緊張が、こころよい踵と、紙一重の擦り具合へところがり

込んでいる。せいぜい鳴き声やうなり声をあげるがいいさトキの声でも。ぐら

ぐらとするハイヒールという名のバベルの塔が、いくらでも思い当たる快感と、

そのふしを未だにあたりもとぼしきものにする不快や当惑へとすりかえている。

しかしほめてやらねばならない愚劣な匙を。オレは麻薬・酒・女・ギャンブル

・車・お金といった髪の毛一本にからみついた蚤のなりゆきにまかせている。

なぜ飛躍というあてこすりを拒むのだろうはちの蜜をほっするくせに、ふしぎ

な塊は電車のようにがたんごとんと動き始めているではないか着実にいけにえ

のように。いまだけが人生のタマシイ! 


 するりと背なかに乳房というワイセツなサーチライトがあたった時、パンテ

ィーストッキングのむこうの花園に指をいれてみたい今さえよけりゃ後しらぬ

という喜悦にまみれたスナップ写真に、折れた肋骨が官肉へとささるようなキ

ミョウな段階へとすすみたいあまりに。ちらと浮かぶご馳走と一瞬のあやまち

と魔が差したといいわけする間の抜けたいとけなさと。その肉塊がましゅまろ

であるのなら食べればいいサクランボを二人の愛のいとなみの産物のアサマシ

サを。くび筋から本能的にかくしておく行為への序幕があがったのならこころ

の中にしまいこむことはない。みにくいものとしていとわしげに覆い隠すこと

はないエクスタシイ。なぜならオレは我が物顔にしゃべる俄然いじめるように

だらだらと急所をシメたボウをむやみに太くボウガン!


 とたんにオレは借金取りに追われてイヨウなふくらみ方をしたドラム缶ので

こぼこに指を這わせながら湯をわかしてもらっている。ゼッタイゼツメイの時

ってなぜかしらツトめをはたしたなって気がするな。さしずめひとつの梱包の

手がペダルを踏む情事のようにうつりかわる転がる石のまっさかさま。よいじ

ゃないか住所不定でもホームレスでも朝刊のなさけない記事のひとつにされて

も。ひょいと忘れてしまえばいいと臓器提供と試薬によろこんで協力する。そ

れも茶をのむようにひょいひょいと隠れた刑事のようにガラスを一枚ずつべろ

りとはがしてなし崩してきに。臓器の叩き売りのその現場でもう道はつうじな

い写真を引裂くこともできぬままタバコに火をつけるだけ。どれくらい首に手

があったのだろう咽喉がひくひくとサンダルをぬぐ。


 したがってスカートはいつも食肉用のもののように及びごしでウィンクしな

がら脱がすテクニックのゲンジツ逃避。サランラップでまかれている厚いむっ

ちりとしたおどけた表情の停止したクレイジイ枝にぶらさがったナマケモノ。

いま死ぬか、あとで死ぬか選べときかれたのはケンメイにかんがえあぐねてい

た時分のころではなかったろうかオレの人生は蝋燭のようなもの。着想はわら

うべきコヨリと窓ともやされたカーテン。あの時にバックれときゃあと幾つも

思い浮かべる。それってのが坂道をあやつりながら自転車でふりきれるまです

べり降りていくジェットコースターだから、動物的欲求なのか文句のつけよう

のない社会人のストレス発散法なのかそれとも満たされなければうまれないと

いう依存症なのか。その時、悪魔がわが耳にささやきし!


 親豚のような声でまっしろい霜降りのこえで後ろにまわりこんだようにサッ

ソウとひびかせる。どんな殺し方がいいかえらべとにやにやしている頑固なレ

ンチュウのただ中で。おまえの人生を買いたい。一にも二にもすぐに飛びつく

トウモロコシの実がまだ熟さぬうちにかれてしまうよりもバッタの大群にとま

どうよりも。銃の暴発、つづいて警察の乱入であっという間に御用のドタバタ

劇のなかでまわらぬ両腕から開放された人質のようなあつかいで。オレはすぐ

さまバックれて金持ちの嫁ぎ先をみつけた昔の女をたよって洗濯機のぐるぐる

というめまぐるしい音をききながら、皿が割れる中華料理店のようなネタをつ

かって強請る過去は写真のようではなく滲んだ水彩画のようにべとべと。その

金で整形手術をしすませ悪魔の誕生。


 また麻薬・酒・女・ギャンブル・車・お金の面白おかしい毎日とからかいに

みちた子豚としての暮らし。もうソウジキにタイクツしたりはしない過ちをフ

トウにおそれたりはしない腐っているのだ頭にはおが屑がぱんぱんにつまって

いる。そうして金がなくなって人間キャッシュ・カードに挨拶にいくとはちき

れるようなトマトの陰影をつれてバッグから金を差出す拍子に死んでちょうだ

いと包丁でグサリと刺され逃げる習性をうしなった。死という名の紗がおおい

かぶさってくる目まいは平板な道をはしることもないのだ。光る毛のはえた草

原がまぶしく露おもわず。そうそれは悪魔のシワザと気付いているオレの耳に

のどの渇きと靴の尖鋭のゼツボウ的なシグサ。ジグザクにあゆみすすめてきた

豚はアタラシイ聖書のもと笑いながら女を殺す少しふくらみがちに。






  179 ぴゅあ






そして きっと

あの笑顔 は

消えてしま う ・・・・・・


つまらないプライドで

そう つたない波 で

いつのまに か

こんなに深い溝


傷つけて しまっ て

ごめん ね と

素直に出てこない


もどかし い 想い

波紋 の よう に

ひろがって ゆ く


ゆきひらの粥

いいえ 鮫の卵

しろい着物の ような 気配

春の夜は深かく・・・・・・


あの子 が

かわいそうだったから

なぐさめ た


でも 抱いてな い

そう 抱いてない !

知ってるわ やさしいこ と


でも不安の種 は

いつも ある の

ねぇ こわい の ・・・・・・


わたし きれいじゃない し

かわいく も ないし


でも 好き な の

だか ら こわ い ・・・・・・


きっと いつ か

あたし捨てられる

そんな気が し て

夜も眠れない ことが

ある の よ・・・・・・


あなた に は

ひと の こころが

ない の よ


だから

わたしの きもち が

わからない んだ わ !


言わなければ

よか った


ものすごく傷ついた顔を

し て 首を振って

あきらめたよう に

そうか って


しいんとした部屋で

しきり直そうと

わざと明るく振る舞っ て


みだらになってみたり

する け れど

まったく反応 が な い


うたた寝のように

しめやか に

そう ひそやかに

ゆきいろ の なぐさめ


でも 言わずに は

いられな か っ た の

辛くて つら く て 

つらく て ・・・・・・


いつのまにか軟泥 を おび

ときに心あそばせ

わたしはゆらめく精霊の

春の行進曲を聴く


いつのまにかわたしは

花の散る愁いに 涙 を 

こぼしていたようだ


そして きっと

あの笑顔 は

消えてしま う ・・・・・・


そして きっと

あの笑顔 は

消えてしま う ・・・・・・


午後の空は

何故か いつも狭く て

約束のふた文字は

淡紫 の 余韻


ふっと眼を覚すと

自室の不潔な鬱陶しい感じが

壁越しに左右へ伸び拡がり

のしかかってく る


魅せられたい花 は 

散り続け 残り香 を

さがすように 風は歌っ た


寝返り を 打って も

なに か 息苦しく て

手 を 伸ばせば

あったはず の やわらかい髪


ねじきれまいとした

バネ仕掛けの莟 か ら

澱み な く ふくら み


窮屈な宝物を 

エンドレス・リピート

ふたつ並んだ 影 は

鮮やか な 実験

 
化学反応 の 影と光をのせて

螺鈿のごとき

クリスタルのごとき

七宝 の ごとき 魔法


凍んでゆくような膚は

また生まれ変わる季節 へ と

ほんの少しの偶然 へ と


かなしい運命 に

翻弄され な が ら

やわらか く ひれふしながら


あの人に踏まれ て

遠い眼 で 汚らわしく思われ

それでもこわれそうな薫りの

春の夜は深かく・・・・・・


そして きっと

あの笑顔 は

消えてしま う ・・・・・・


そして きっと

あの笑顔 は

消えてしま う ・・・・・・


化粧をしても 

似合ってない の 

わかるから

ちょっぴり 切な い


なんて 人なの

いじわ る !

それでも

消えて しま う ・・・・・・


こうやって ・・・・・・

ミルク が しゃりしゃり

音 を さやかに立てて 

溶けて い く


溶けていくの よ 

そうやっ て ぬるりぬるり

あいすくりいむ は

雲みたい に 


エレベストみたい に

ふしぎ と しろくて

すうっと 口に甘さをのこして


お気に召されるよう に

まあたらしい 

すぷうん で


左の耳から 

かすかにきこえた

いたずら な 愛撫

優しく微笑むあなたの横顔


さりげ な く

おぼつかな い 

好きだよの の 消しゴム


仲直り の キス よ り

うれし かっ た

カメラ・アイ が


風をましまいて

たゆんだよ う に

どこか ぬるんだその眼 が

わたしだけ の みづうみ


その瞬間 に わたしは信じる

マニキュアを塗 っ て も

顕微鏡的 な ガラス の

研究 に ならないことを


わたし は 貼り付け る

ストーン や シールや

ステンシル や ビーズ を


でも わたし に きく

そっと ささや く

悪魔 は  50/50 の天秤 で

愛され ているのか と ?


こそばゆそうに

髪を揺らしてる 

しゃぼん玉の帰り道は いつか


もよお すかもしれな い

むくむく と

わたし の視界 を


こんな に 愛されていても

同じ 轍を 踏む

愚かな女だか ら


だから 覚えててね

あたしのことば 

すこしだけ で いいから


地面に転がっている鞄

折れた鉛筆 欠けた消しゴム


ラッカー塗料の発明

鳳仙花による爪紅


ふうわりと くるまれてる 

みた い に だから

ふれてい た い 

ゆれていたい ・・・・・・


ゆきひらの粥

いいえ 鮫の卵

しろい着物の ような 気配

春の夜は深かく・・・・・・


ふれてい た い 

ゆれていたい ・・・・・・


それでもまだ

それで も ま だ

ふれてい た い 

ゆれていたい ・・・・・・






  180 あっぷる くらんぶる うぃず かすたあど






それを食べたのは小さな店 
           、、、
 こぢんまりとしたかふぇだった 


空飛ぶ円盤、未確認飛行物体・・・・・・
 、、、、、、    、、、、、、、、
 あだむすきいがとったふらいんぐそおさを僕も撮るように


あばれんぼうのおねえさんが

 かちゃかちゃ運ぶ皿が目の前に飛んでくる どうぞ召しませ!


                    ―――アップルクランブルウィズカスタード!


もしも人生を切り取ることが出来るなら 
    、、、、、      、、、、、
 こんなわんしいんを切り取ってあっぷりけにしよう

、、、、、、       、、、、、
あっぷるぱいに とろりとしたかすたあどを

 かけて食する あっぷる くらんぶる うぃず かすたあど


きっと誰もが ありんころみたいに
 
 もじもじしちゃう あっぷる くらんぶる うぃず かすたあど


                    ―――アップルクランブルウィズカスタード!


それを食べたのは小さな店 
           、、、
 こぢんまりとしたかふぇだった


紅茶を注文するついでに甘いものをと 
 、、、、      、、、、、、
 しなもんを思いだし あっぷるぱいを発見して注文してみた


ひがむわけじゃないけど 本当に欲しいものは

 いつもそこにはない あっぷる くらんぶる うぃず かすたあど


                    ―――アップルクランブルウィズカスタード!


友達が訳知り顔でこんなことを言う

 あれから僕が変わった 何かが変わってしまったと


でも誰が悪いわけでもない・・・・・・

 でも僕には何かが足りない いつも足りなくなってしまった 


そしてそんなどうしようもない時 
 、、、、、、、、、、                     ひと
 僕はあなたに出逢った きっとあなたは僕の忘れられない女性


                    ―――アップルクランブルウィズカスタード!


それを食べたのは小さな店 
            、、、   、、、、、、、、、、、、
 こぢんまりとしたかふぇだった あなたは窓辺で泣いていた


胸が熱くなった あのときめきをよく覚えている 
            、、、
 でもそれは胸が きゅんとするような初恋の味だったことを 


僕はすっかり忘れてしまっていた・・・・・・

 あなたの涙が 僕にそれを思い出させたのだ


                    ―――アップルクランブルウィズカスタード!



あれから僕は変わった・・・・・・
                 、、、、、、 、、、、、、、、
 何かが変わってしまった いつのまにか そういつのまにか


食べ終れば僕は立ち上がり声もかけずに 
                        、、、、、、、、、、、、、
 そしてまたいつもの日常に戻るだろう こんなことはもう二度とない


あなたもいつか理解する日がやって来る・・・・・・

 そんなの優しさじゃないと 慰めに聞き飽きたあなたの為の魔法  


                    ―――アップルクランブルウィズカスタード!







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