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灯台

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2014年12月17日
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by norio.takahashi



 不意に君のつまらない横顔 思い出してしまう

 ごめんよ 今日が終わるから

 見覚えの無い手を握り返している 僕は

 白い表情をしてにわかに際立って針のように尖っていって踏み込む

 守るすべのない永遠が寒さや悲しみのように思えてくる 僕は

 手を繋ぐことを恐れているという感情のまま 黒い気流に呑み込まれる

 吐き気が過熱されはじける いつもさ メルヒェンのあらわれいでたる流星

 でも謝らなくてはいけない 衝突の火花によってうまれた緩速のまどろみ

 やわらかい粘粉の中に押し込まれた石炭のような 皺が
 
 その複雑なものを隠そうとする包み込もうとする違和感が

 宇宙へとつながっている部屋のカレンダーを生むから

 出逢ったこともないけれど意識することしかできない 神が

 次第次第に季節に顔を見せ始める 内省的な作用みたいに
 
 交差点踏み出した瞬間みたいに もう分からないよ

 見慣れたものがひびわれていくのを僕は背徳的な震えを感じながら見ている

 何処かで受けた暗示が鋳型にはまって異なる幻想が開花する
 フェアリー
 仙女 肯定し続けねばいけなくなる

 血が流れても陽光にさらされぬまま泥として処理されるような闇も

 はっきり開いた眼で見つめる 背中合わせの知識の脂肪と一握りの性の余剰を

 一つ残らず言ってしまいたいと思いながら消化不良の感じが募る

 たとえば下卑た女が自分の股間に無意識に触れている時みたいに

 高く低くゆらめいている喘えぎ声が 

 揺れる 赤肥りした虚空の彼方を 交差点で受け取ってしまう 

 何もかもに見放されたこの病 ゆがんでゆくのはたった一瞬
 
 裏返しただけなんだ それなのにそれは地球の裏側まで抜けてしまう

 そうだろうとばかりに ネオンテトラが部屋のうえを滑ってゆく

 林檎にあいた虫食い跡のような 深い謎に満ちながら

 つめたすぎるビールを咽喉に受け止める
 
 カメラのシャッターを切る音がする

 入口へと姿を覗かせた僕は獣の顔から人の顔へと変化する

 ずぶ濡れていたいって思う もっと暗いみどり色の自我に狂おしい喜びを感じていたい

 人間のシステムを天の原の次元にまで置き換えてみたい 僕は

 向こうではどんな平均値のことで皺くちゃになっているのかもわからぬまま

 あたたかくてやさしい気持ちで あるとかないとか考えている

 こめかみに死と生をたたえた不凍液のようなものが見える

 こだわりつづけることで途切れてしまいそうな 会話の隙間を埋める
 
 前頭葉 この前頭葉は 白磁に黒曜石を象嵌するパズルが好きらしい

 ワレモノ取扱注意

 もう風もない 音もない 心の世界の中で思い出してる 君

 思ったとおり 悲しげで どこかつまらない君の横顔

 さまざまな物思いにオオヴァアヒイトしてゆく君が見えるぜ

 ふと消えてさみしい 気持ちに ふと振り返るような感情が 生活

 自分で自分に囚われて少しずつ眼が醒めていく理想によって揺らぐまで

 染色体は静けさを貪婪に吸収してる 

 わからないよ 澄んだ 青白い一瞬に エデン もう冬

 言葉が見えるから 一歩前に すすんでしまう 卵を抱き続ける

 深海魚が重い水圧に醜悪で魁偉の姿になっていったみたいに

 時が一回りするまでは 海藻に巻きつかれている の さ 

 とぐろを巻く蛇から何故か寝息がきこえてくる

 存在を否定された存在が決定的な隔たりを湧き起したようにまた おおきく

 囚われた感覚の中 憎悪と愛情を不自然にいびつにかさねあわせながら

 こみあげてくる不安や恐怖の戦慄に皮肉な微笑を浮かべる 僕は

 息が白くなる 何処かへ置き去りにされたような異和感に

 自分の中心感覚が少しずつズレていく 簡単なミステイク

 そうさ いかさまが慮っていたものをことごとく僕は見破ってしまう

 透明な声をしてみたつじつま合わせみたいに口笛を吹きたくなる

 手錠をはめられた気持ちの奥で罪状を読み上げるすました顔に

 無感動に僕は聞いてる 聞いてるか 聴いていないか 判決

 世間知らずの裁判官殿 敵はあなた自身 

 踏み出した 踏切の向こう側にある 退屈すぎる毎日が

 思い違いさせる 錯覚 鈍感なほどに 麻痺して らりって 

 不意に君のつまらない横顔 思い出してしまう

 汚れてしまう そしてもっといたいけに単純に汚してしまう
 
 星屑となって大気圏外に 嘘から 異和から そういうコネクションから

 ロールキャベツが食いたい しちゅーがくいたい

 もう言葉になっていない 言葉なんていらない それだけさ 僕は
 







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最終更新日  2014年12月18日 02時38分31秒



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