|
カテゴリ:水曜…サンキュータツオ
【サンキュータツオの『純情ロマンチカ』場外乱闘編】
全国のロマンチカニスタのみなさん、こんばんは。 『純情ロマンチカ』の話ばかりで恐縮です。 ここで、私ごときにわか腐男子の意見を紹介しても、『ロマンチカ』の魅力は伝わりきらないと思いますので、女性の、特に「貴腐人」のご意見もご紹介せねばと思いますのでここで紹介させていただきます。 私の知り合いのとある貴腐人に、 「『純情ロマンチカ』、ご覧になってますか? 正直あの作品は、腐歴30年の御仁から見ていかがですか?」と問いましたところ、以下のような回答が寄せられました。 「用意された天麩羅のようなカプはお気に召さないのですが、ここまで甘く様式美をなぞってくれると、それはそれでオッケエ」 キター! そうか、そうだったのか! 「様式美」! 言われてみればそうなのだ。 晴海のときのコミケから参加していらっしゃる貴腐人の言うことなら間違いない。 昔、仁侠映画の『博奕打ち 総長賭博』が、三島由紀夫によって「様式美」として激賞され市民権を得たように、 いまこそ『純情ロマンチカ』が、世の貴腐人たちによって「様式美」として絶賛されるべきなのである。 「同人誌で見たことがある展開」「そういうパターンは知っている」「わかりやすすぎる」と言われようが、結局「ベタ」には説得力があればいい。 どんなに言い古されていて、くだらないダジャレでも、優れたプレイヤーが言えばおもしろいように、 どんなに古典的・伝統的な展開であっても、登場人物たちが生きていれば、それはもう「様式美」なのだ。 だから『純情ロマンチカ』は、一筋縄ではいかない原作ファン、貴腐人の方々、そしてはじめてBLというものを堪能する男子諸君にとっても楽しいものなのだ! そして、『ロマンチカ病』になったオレは、この『純情ロマンチカ』において、おなじアニメ会のメンバーである国井さんと喧嘩をしているのである。 名づけて 「野分、是非論争」 である。 第5話終了時点での「純情エゴイスト」カプ、つまりヒロさんと野分の関係性を見て、国井さんは大激怒していた。 「野分のあの態度はねえ!」と。 自らが「まったくおなじタイプ」としている「上條」ことヒロさんに感情移入するあまり、言葉の足らない野分に激怒していたのである。オレからしてみたら、部屋でくまと寝ている宇佐美てんてーのほうがよほど国井さんらしいのであるが、とにもかくにも国井さんはヒロさんが好きらしく、ヒロさんに感情移入して『ロマンチカタイム』を満喫しているようなのだ。 ここでオレは「まあ待て」とたしなめた。次週を見ろ、と! さすればその胸のつかえもとれ、気持ちよくあの2人を応援できるに違いないと。 こんなことは……『マリみて』の「レイニー止め」以来の事件である。 あの時オレは、祥子様好きを自称していたものの、いや、好きだからこそ、「祥子許すまじ」モードに突入していた。 しかし国井氏は言ったのだ。「まあ待て」と。最後まで見れば納得できるから、と。 いまこそ、あの時とまったく逆の展開になると思い、今回オレは「止める」側に回ったのだ。 しかし、第6話を見て大感動したオレのところに、国井氏から以下のようなメールが届いたのである。 件名は「戦場ギタリストから」である。 この時点で意味がわからないのだが。 「いやー、でも、野分はねーよ。こいつはタラシだ! 早うちだ! だから惹かれるんだろーな~(笑)」 野分を断罪である。 待て。野分には野分の事情があったではないか。 ヒロさんは普段は「ツン」過ぎて、とても話を聞いてくれるように人ではなかったし、野分の留学だって背中を押していたはずだ。 それに、「好きだ」とストレートにいえる、非常に「男らしい」男ではないか。 ヒロさんは、どちらかといえば乙女が感情移入できる「女性性」を持っているが、それでも「男」だから乙女はヒロさんに「キャー!」となれる。 まさに一石二鳥のカプではないか! これぞBLの醍醐味ではないか! 野分あってのヒロさん、ヒロさんあっての野分である、とオレは力説した。 ところがギタリストから返信されたメールにはこうあった。 「あれ、わざと見せるようにしたんだぜ、あの男。 いや、もしかしたら、帰国してから手紙を書いた可能性もある。すべて言い訳じゃない!(ぷんすか)」 怒っている。 いや、野分はそんなずるい男じゃないことはあなたもよく知っているではないか! それは、祥子様がそんなにいやな女性でないことをオレが知っていたように、 野分とヒロさんの「言葉のたらなさ」が原因であって、非は一方的に野分にあるわけではないことをオレは主張した。 すると「戦場ギタリスト」からは、 「言いたくてもいえない、と思い込むところが、 恋情のエゴイズム。 愛情のアルゴリズム。 布袋のギタリズム。」 と、なんだかんだでギターでまとめた返信がきた。 「うまいことを言うな!」とつっこむと、ギタリストからは、 例の「真っ赤なスポーツカーなら、5分だぜ」を意識したのか、 「赤い落ち研なら、枕だぜ。」 と、もはやなにがなんだかさっぱりわからないメールがきた。 ぷんすか。 でも、こうやって国井さんと論争するのが好きだった自分を思い出した! しばらくこの『純ロマ論争戦』は続きそうである。 劣情アナリスト こと サンキュータツオ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.05.21 23:03:17
[水曜…サンキュータツオ] カテゴリの最新記事
|
|