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カテゴリ:火曜/土曜…三平×2
Aの義姉さんが見つからないまま、
残り時間は15分を切っている。 もはやなりふりは構っていられない。 俺はますます強くなる雨に打たれながら、 近くにいた方に教えを乞うた。 「すいません…。Aの義姉、…おっと、かがみの場所なんですが…」 「Aの嫁…おっと、かがみなら、神社の奥のほこらにありますよ!」 うっかり脳内レベルで、 義理の兄弟になりかけてたことはさておき、 人の情けが身にしみる鷲宮。 厚く礼を述べ、急いで神社の奥のほこらへと向かう俺。 ほこらを目指すなんて完全にドラクエじゃないか。 ドラクエ以外でほこらを目指したことなんかない。 しかし、彼が教えてくれたそのほこら。 俺は最初に神社を探索した際に、 その奥にあったほこらも探しているのだ。 まあこの雨だ。見落としがあっても不思議じゃない。 俺は再び、神社の奥のほこらに続く道へと足を踏み込んだ。 鬱蒼とした木々が生える薄暗い中に一本開けた細い道。 晴れてる日なら奥のほこらが入り口からでも確認できるが、 この悪天候では暗くてほこらはうかがえない。 入り口に足を一歩踏み込もうとした瞬間、 道の奥の方から一人の男性が歩いてきた。 道を譲ろうと俺が道の端に寄ろうかと思ったその時、その男性は、 「すいません、Aのみゆきさんは見つけられましたでしょうか?」 と、口を開いた。 この時間、誰もが同じ焦燥を抱いていた。 俺はこれまでの道中、 数々の親切を受けてきたことを思い出し、快く彼に、 「みゆきさんはこの境内の…、ここからまっすぐ大鳥居を目指して、 その手前にある小屋、その梁の上にみゆきさんはいます。 目線よりかなり上にあるんでわかりづらいかもしれません」と伝えた。 彼は雲が晴れたような表情となり、 「ありがとうございます!助かりました!」と俺に礼を述べる。 「いえいえ、お互い様ですから。ところで…」 この先のほこらにあるというかがみのフィギュア。 確認の意味も込め、俺は彼に助言を求めた。 「この先のほこらにかがみがあると聞いたんですが…」 問うや否や、彼は大声で叫ぶ。 「ダメです!!!!!!!!」 ダメ? ダメ? ダメ? ダメとはなんぞや? 情報を求めることに対する「ダメ」だろうか? しかしそれならば彼もまた俺から、 みゆきさんの情報を得ているではないか? 俺は釈然とせずにただただ唖然としていると、 彼は再び口を開いた。 「ダメです!!!こっちにかがみはありません!!! かがみがあるのは、となりの道にあるほこらです!!!!」 ギャフン。 同じ境遇の同好の士が今まさに、 タイムアップ寸前に道を間違えようとしている行為を、 防がんと欲したこの物凄い剣幕の「ダメ」 親切や優しさなどをもはや超越した、 この互いに共有した仲間意識。 俺は鷲宮を愛して、本当によかった。 こうしてめでたく最後のかがみを見つけた俺は、 キーワードを6つ揃えることができ、 無事バッジ(ゆたか・パティVer)を手に入れることができたのでした。 めでたしめでたし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.08.01 11:46:57
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