あけましておめでとうございます。毎年除夜の鐘の音を聞きながら三吉神社に初詣に行くのですが、今年は風邪の治りがけで少し気温が上がってからと考え、元旦の午前中にお参りをして来ました。静かで穏やかなお正月です。「逍遙館」の住人の方々もそれぞれの実家に帰省されて、今日は私たち家族だけとなりました。みなさんの生活音が聞こえないのは、なんだか寂しい気持ちがします。
そんな時は、愛犬との逍遙に限ります。町内の方と新年のご挨拶をして、いつものコースをゆっくり歩きました。「逍遙館」から5分くらい歩いたところにかなり古い家があります。住む人はなく、すでに物置として使用されている家です。アパートやマンションに囲まれてひっそりと建っている家は、通る度に目をやらずにはおられない存在なのです。今日はちょっとびっくりしたので写真を撮ってしまいました。
玄関にお正月のお飾りがぶら下がっていたのです。「きっとおじさんが下げたのだ・・・」
昨年の夏、逍遙の途中にこの家の通りに差し掛かった時のことです。小さくラジオの音が暗がりから聞こえてきます。そして古い家の前にぼんやりと人が座っている丸い影がありました。「もしかしたら、あの家の人だろうか?」と思い、つい声を掛けたくなりました。「こんばんわ・・・」「こんばんわ。犬の散歩かい。」「はい。あの・・・この家はおじさんの家ですか?」「そうだよ。もう70年以上建っているんだ。戦争の前からあるんだから。」おじいさんは、とても懐かしそうな声で答えてくれました。なんかもっと話をしてみたかったのですが、犬が先に行きたがってしまい、短い会話で終わってしまいました。あれから、ここを通る度に「おじさん、またいないかなぁ。あの家のこともっと聞いてみたいな」と思っているのですが、それから一度も会うことがありませんでした。
きっとこの古い家には、おじさんの思い出がいっぱい詰まっていて、とても愛着のある大切な存在なのです。風に揺れている飾りを見てそう思いました。
家って人にとって特別な存在になるものなのですね。「逍遙館」を建てようと思ったときに、100年建ち続けるような建物にしたいと一番に考えました。いつか何十年か経った後「逍遙館」を愛してくれる人にバトンタッチできるように、大切に住みたいと思っています。

平成24年元旦 今年もよろしくお願いいたします。
|逍遙館倶楽部代表|

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