幸せな猫の国 連載-8
そう言いながらジョージを見つめたナビーの銀色の瞳は一瞬キラッと光ったが、少しも怖い目ではなかった。ここでは薄いブルーの帽子をかぶった猫達がみんなのお世話をしているようだ。「今はみんな怖い顔をしていますが、心が癒えて穏やかになってくると、顔つきも目つきも優しくなるのです。私はその変化を見るのが大好きなのです。」そう言ってナビーはにっこり笑った。「それにしても、あちらもこちらも、いつもこんなに一杯なのですか?」「はい、残念ながらそうなのですよ。」「俺はしあわせだ…」ジョージはそう呟いた。「そうです。あなたは大変に幸せな猫なのです。さあ、次にまいりましょう」ジョージは黙ってナビーの後ろからついて行った。ナビーはジョージを伴って再び廊下に出て先へ進み、突き当りのドアの前で立ち止まった。ナビーは何も言わずジョージの目を見て、扉を開けるようにと促した。ジョージもちゃんとそれをキャッチしてドアノブを回した…一瞬眩しくて目がくらんだ。つづく…