360241 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

プロフィール

kinagi

kinagi

カテゴリ

コメント新着

 kinagi@ 失礼してました。 NYのゆーみんさん、jetsetgirlさん 、J&…
 J&M@ pace yourself! こんばんは。私も見ましたよ、昨日の試合…

バックナンバー

2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月

フリーページ

2006年09月04日
XML
 
 「ハンカチ王子」の話題しか、高校野球
 にはないかのようになったこの2週間あまり。

 勤務のローテーション上、高校野球の決勝戦
 の取材からはずれていた僕は、この仕事に関係している
 限り<楽した>と陰で言われているのは間違い
 ないだろうし、報道者として、身近で見れる
 一番美味しいネタを落としたことにもなるのだろう。

 でも。

 何がツイてるのかは知らんけど、その時間にも
 他のこと、取材を僕もしてるわけで。そこでの
 取材、取材対象で無駄なことをしてるわけでも
 ない。水泳のインターハイで、泳いでいた高校生
 たちも立派な競技者だし、それの取材に当って
 居た者(僕でなくても)も、無駄なことをして
 いたわけじゃない。

 それが。

 メディア価値が巨大に膨らんだものが出現するや、
 ?になってしまう。

 また、前置きが長い。
 いや、9月1日に「ユナイティッド93」を
 見る機会があって。

 優れた映画とは、正直思わなかった。
 ただ、事実の持つ力、を考えないわけには
 いけなくなって。

 現実に起こったことを変えられない以上、
 「ユナイテッド93」便が、2001年9月11日に、
 ペンシルベニア州近郊に墜落したという
 ことを映画を見る人はとりあえず、予備知識
 として知っていることになる。

 そこから、面白い映画を作る方法。

 ハンディーとも思わせるような、移動カメラ
 を使い、ドキュメンタリーを彷彿させる手法
 は正解だろうし、堕ちる瞬間というか、機内
 での出来事を最低限度(映画の終盤30分を
 切ってからサスペンスが盛り上がってくる
 仕掛けにしてあった)に抑えてあるのも、
 <嘘は最低限度>と考えてる製作側の誠意が
 感じられて好感が持てた。
 as himself の出演者の多さにもそれは現れて
 いて、あの状況での自分を演じるのに、そう
 大げさな嘘は演じにくいはずだから。

 にもかかわらず。
 この映画。
 実話に基づいてます、がなければ
 見られた作品だったかどうか?

 僕は疑問で。
 事実の重さが、あの作法を支えているし、
 手法を取らせたわけで。

 だから。
 事実がないと、?、の映画になるのは
 確かで。

 それなら、再現や検証フィルムの
 方が、しっかり作れる可能性も高いような
 気がして。

 さて。
 なんで「ハンカチ王子」と関係あるかって?
 ハンカチ王子は、マスメディアに追っかけられて
 <やってられるかい!>と思ってるかもしれない。
 でも、もしそれをやったら、イメージが、って
 やつがあって。
 イメージだけでなく、おそらくやっても、一部メディア
 を除いてまともには取り上げないでしょう。
 国民的アイドルってやつで。

 亀田興穀君とは違う。
 同じような歳なのに、陰と陽。
 
 これがイメージ。

 で、「ユナイティッド93」。
 乗客を含め、アメリカ側の人間の<やってられるかい>
 はほとんど描かれず、善人に描かれてるわけでも
 ないけど、落ち度も誰にもない、っていう。

 管制塔とか、軍部とかに批判的なところは
 少し描かれるが、これは逆に見事なほど
 陳腐になっていて。

 テロで亡くなった人々はかわいそう。
 みんな犠牲者。

 これがメディアをはじめとして作られた
 イメージ。現実に、テロを行なう側から
 すれば変わるはずなのだけど。

 テロリストも描ける位置に居ながら、
 結局、このメディアイメージから逃れられなかった
 のが「ユナイティッド93」のような気がして。
 テロリストの緊張感は、見事に描けてるのに。

 テロリストも、実行犯は誰も助かっていない。
 その視点に迫りながら、結局、描けなかった
 のが「ユナイティッド93」。

 「ハンカチ王子」、あるいは、亀田親子の
 安直なイメージはメディアが作り上げた部分が
 大きいのは確かだけど、それの内実を知りえる人、
 知りえる関係者、表現できる作家、映像監督、
 なんでもええわ。

 作られたイメージを生かしつつ(なぜなら、
 大抵作られたイメージの何割かは真実である
 ケースが圧倒的に多いと思えるので)、
 その裏側、<え?>と思える部分を、外に
 出せる人。

 そういう表現者が、現れると実は神が
 いらなくなったりして。

 イメージを否定するのは、批判を覚悟すれば
 簡単だけど、そうでなく、イメージを生かしつつ、
 裏に潜むもの(暴くとかいう感じではない)まで
 も表現する、そんなん出来るかい、って
 言われそうだけど。

 出来ていた小説を一つ僕は知っている。
 トルーマン・カポーティの
 「冷血」(新潮文庫にあるはず)。

 いまだに、「冷血」以上の、イメージも生かした
 まま、批判的にも同情的にもならず、ってノンフィクション、
 出会えてないのは確かで。
 書かれておそらく、40年近く経ってる
 はずなのに。

 「ユナイティッド93」も「ハンカチ王子」
 も、ついでに亀田親子も。

 ノンフィクションとフィクションの垣根に
 ついては考えさせてくれる、というか、いやでも
 目を向けさせられてしまうけど、表現する側、
 あるいは表現されたモノを見る、読む側と
 しては困った対象というしかないのでは。

 悔しかったら、きちんと表現して見せてよ。
 オレには出来んよ。
 企業内にいて、出来るほど、こういう大きな
 モノの取材は簡単じゃない。

 それが分かっているから。

 僕は日々の、自分に与えられた、任せられた仕事を
 確実にこなす。それに全力を傾ける。
 それしか、やれるこてとはないし、それで
 満足出来る自分がいるのも確かで。

 ただ、イメージに対する心の奥深くから
 湧き出る拒否反応は抑えられなくて…。

 抑えられないから、こんなブログを。

 (下)「ハンカチ王子」が熱い甲子園の決勝戦(初戦)を
  戦っていた時間帯。別の場所での高校生。彼が誰か、判別
 しやすい写真は掲載を控えるけど。一生懸命戦い、生きている
 のは人みな一緒、みたいな紋切り型しか思い浮かばんオレは
 …。

 





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年12月01日 12時35分46秒
[現実と虚構のはざ間(映画、小説を中心に)] カテゴリの最新記事


お気に入りブログ

詐欺広告関係で再び… New! 山田真哉さん

血圧で、一喜一憂 MON-AMIEさん

さくらの中の神戸ハ… 47弦の詩人さん

○。あたしの手に、タ… Alto888さん
レモンのきもち リトルモアさん
武蔵野式部日記 武蔵野式部さん
ままみのつれづれ草(… ままみ0604さん
ミエルモノノムコウ… きらきらダイヤさん
彩歌声絵日記。 ヒキャル☆さん

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.