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テーマ:放射能汚染(395)
カテゴリ:原発事故
(画面変わって、川の水面。鳥が水面のすぐ上を飛んでいる。
カメラが引いて遠くまで映すと、超高層ビルが奥にある、 整備された公園の傍の川だということがわかる。) テロップ「ミンスク」 N 白ロシア共和国の首都、ミンスク。 テロップ「白ロシア放射線医学センター」 (バスがエンジン音を立てている) N 朝8時になると、放射線医学センターに、 汚染地域全域から体の不調を訴える人々が集まってきます。 各地域の病院で診察を受け、 放射能による影響があるとされた人たちです。 (若い夫婦が小学校高学年くらいに見える男児を歩かせ、 幼子を妻が抱いて入り口に向かう。内部の映像。 多数の住民がいる中を看護婦と思われる女性が忙しげに歩く。) N 放射線医学センターは、 チェルノブイリ事故による患者を治療するために、 一年半前に作られました。 一日の診療能力は100人。 しかし、連日2倍以上の人が詰め掛けています。 入院が必要な患者は800人を数えますが、 その4分の1しか収容できない状態です。 (診察を待つ人たちの間を通って、 カメラは診察室と思われる場所に入る。 女性医師が椅子に座り、患者と思われる少女2人が立っている。) N 影響は、特に子どもに現れています。 (男児に聴診器をあてる女性医師) N チェルノブイリ事故以降、 神経系の病気、血管障害、胃や腸の潰瘍、肝臓病などが 増加しています。 (目を半分閉じて背中に聴診器をあてられている男児 目の周囲には、明らかな隈がある) N この医学センターでは、 甲状腺の障害が、事故により増加したと見ています。 (少女の工場線を触診する女性医師。) N 甲状腺は、 体が成長するのに必要なホルモンを分泌しているところです。 (診察用のベッドに横たわり、甲状腺エコー検査を受ける少年) N これまでに診察した重傷の甲状腺異常の患者は、 およそ3000人、その殆どが子どもです。 (エコー検査の画像) N そのうち、21人の子どもが甲状腺ガンと診断され、 摘出手術を受けました。 事故直後、大量に放出された放射性ヨウ素は、 喉の甲状腺に吸収されやすい性質を持っています。(首にうっすら、手術跡が残る少女) N この14歳の少女は、 検査で直径2センチの甲状腺ガンが発見され、 摘出手術を受けました。(エコー検査の画像) N しかし、手術後腫瘍が再発していました。 スタッフ「腫れ物が残っている部分ですか?」 (エコー画像には、 はっきりわかる「異物」の繭状の形のものが映っている) (画面切り替わって、白衣の初老の男性) テロップ「治療研究部 イワン・ゴンチャリク部長」 翻訳音声 「チェルノブイリ事故で大量に吐き出された放射性ヨウ素は、 甲状腺に重大な被害を与えました。 この甲状腺は、数ある放射能の中でも 特に放射性ヨウ素を特に重点的に吸収するのです。 放射性ヨウ素の半減期、 つまり、放射線を出す力が半分に減る時間は短いのですが、 一旦体に入ってしまうと長期間に放射鮮を出し続け、 長期間にわたって、健康に悪影響を与えます。 私の病院では、今、甲状腺肥大や甲状腺ガンといった、 様々な病気が観察されていますが、 特に深刻なのは子ども達です。 彼らは、放射線に対して敏感なため、 それだけ被害も大きく、病気も治りにくいのです。 チェルノブイリ原発の事故によって、 実際に甲状腺のガンが増えているかどうかについてですが、 私の考えでは、ガンは増加したといっても間違いはないと思います。 (少年のインタビュー) 答える少年。通訳が翻訳する 「あのー手術をーしてーもらうーそうです」 スタッフ「あ、そう・・・。怖くない?」 通訳が翻訳する。苦笑しながら話す少年。 通訳「少し怖いそうです」 (表情を選択するのを迷いながらすこしこわばり、 でも笑みを浮かべようとする少年) (画面変わって、10人前後の人が歩いていく姿。 カメラが引くと、歩く先には、近代的なビルが見える。) テロップ「白ロシア児童血液研究センター」 N 同じミンスク市内にある児童血液研究センター。 (建物の廊下。男児が3人、待合のソファーの所にいる) N ここには血液に異常がある重傷の子どもたちが入院してきます。 (男児の1人が大人に話しかけ、また他のこどものところに戻る。) (画面、病室。4人入りの部屋のようだ。 入り口から右のところに青い服を着た少女が横になっている。 大人の女性が少女の足元の方に立っている。) N 1階の病室には、 汚染地帯から来た白血病の子ども達が集められています。 医師たちは、患者数の水位を見守って、 事故と白血病の関係を注意深く見つめているところです。 (別の病室。 輸液の器具、チューブの先には白い服を着た少女が横たわる。 頭にも白い帽子を被っている。) (画面切り替わって、白衣の女性) テロップ「児童血液研究センター マヤ・パブロワ所長」 翻訳音声「私達は、汚染地帯の子ども、3000人以上を検査しました。 その結果として、子ども達の腎臓から、 放射能の一種である、セシウム137が検出されました。 また、血液の中にも、 様々な放射性物質も含まれていることも分かりました。 さらに染色体につきましては、 普通の子どもの2倍から7倍もの異常が発見されております。 これらは皆、 白血病の原因となるものばかりです。 しかし、チェルノブイリ原発事故によって、 白血病が増加したと、今の段階で言い切ることは難しいことです。 しかし、事故の後の様々な状況を考慮すると、 原発事故と、子ども達の白血病の因果関係は、 きわめて高いのではないかと考えています。」 (画面 さらに別の病室。輸液を受ける子どもと、 その子どもの頭をなでる母親らしき人) N チェルノブイリ事故が、 我が子の白血病を引き起こしたのではないか? 母親達の不安は募ります」 母親翻訳字幕「この子は白血病なんです。直る可能性はありません。」 (パジャマで輸液を受けながら、 掛け布団から肩を半分だけ出して横たわる子ども。 小さい手。つま先までタイツのようなものを身に着けている) 母親翻訳字幕。(泣きながら) 「この子を日本へ連れて行ってください 少しでもこの子が良くなるなら・・・」 (画面 別の青い服を着た子ども。首から十字架を掛けている) 母親翻訳字幕 「せめて この子が 立てるようにして下さい」 (流れる涙を手のひらでぬぐう母親) (画面再び青い服の子ども) 翻訳字幕子ども「足が痛い 眠っているときも目をさましても からだがとても痛いの」 N 広島では、原爆投下後2年後から白血病が出始め、 6年後にピークを迎えました。 (画面切り替わる 処置室のような部屋。 ベッドに少年が横たわり、医師が針が付いた器具 (骨髄検査用の「ディスポーザブル イリノイ穿刺針」のような器具) を少年の胸の上部に指し、続いて体液を抜き取る。 少年は痛いのか、目の前で針を刺される恐怖からか、 顔をしかめる) N 原発事故が原因で白血病が増加したのかどうかを確認するのは、 長い期間にわたる、膨大な数の人間の追跡調査が必要になります。 通常の白血病の発生率より、 明らかに高い白血病の発生が確認されたとき、 初めて、事故と白血病の因果関係が確定します。 (少年の体から抜き取った検体を、 医療器具の上や中に、たくさん分けていく作業) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.01.04 19:53:17
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