譲れないものII一方図書室に向かったスコールは…「リノア。」 「あ・スコール、お話は終ったの?」 「あぁ、それに一週間は完全にオフだ。」 それを聞いたリノアは飛びあがった。 「本当?途中で休暇返上とか無しだよ?」 「あぁ。それもない。何処か行きたい場所はあるか?」 「う~ん…。じゃぁバラムでショッピング!今日は皆と一緒に。明日はスコールだけと。そうすれば明後日はバラムでお祭りに行けるもん!」 「ではそうしようか」 「図書室では静かにしてください」 クスクス笑いながら三編みの図書委員に注意された。 「あ・ごめんなさい」 「クスクス。気持は分かるけどね。けどすごい注目集めてるよ。」 言われて周りを見渡したスコールとリノア。そして顔を赤らめながら 「アハハッ。じゃあね」 「うん。またね。楽しんでおいで!」 「うん♪」 スコールは逃げるように出たかったが、リノアがスコールの腕にがっしり捕まって、ゆっくり仲良く揃って外に出て行った。 「スコール、皆を呼ばなきゃ。」 「そうだな。」 一言そう言うとスコールは携帯を取りだし館内アナウンスで、呼んでもらった。 そして待つこと五分。全員が校門前に集まり、仲良くバラムに向かった。 バラムの街はかなり発展し、街のショッピングモールは世界でもかなり知られていた。 「女ってやっぱスゲーよな。」 「買い物に行ったとき、女の人は女の子になるからね~」 ゼルのボヤキは二人を納得させ、アーウ゛ァインの一言も確に的を射ていた。 「まぁ楽しんでくれるならそれでいいさ。」 「確に。」「だね~。」 そして待つこと三十分 「三人ともー、終ったわよ~。」 遠くで呼ばれたのを聞き、三人はその場に向かい、呆然とした。 何をそんなに買ったのか、キスティスは大きな紙袋三つ、セルフィは二つ、リノアは小さな紙袋を一つを持っていた。 「「「…………」」」 「あら、どうしたの?」 「…何をそんなに買ったんだ?」 「洋服よ。」 「何でこんなに…」 「前から欲しかったものがどれもこれも安かったからつい、ね。」 それにしたって凄い量である。 「それに比べてリノアは少ないな。」 「え・う、うん。目ぼしい服がなくてね。けどアクセサリーを結構買ったから。」 「ま、とにかくスコール、ゼル、一つづつもって頂戴。ごめんね、リノア。スコール借りるわよ。」 「気にしなくていいよ~。」 「……」 「ん・なに?」 「いや…、なんでもない。」 その会話の後、言葉少なく全員その店を後にし、他にも色々買ってショッピングモールを後にした。 「さて、これからどうするか…。もう夕方か…。」 「腹減ったからさっさと帰らねぇ?」 「あ・じゃぁさ~どっかでご飯食べてから帰ろうよ~。」 「それいいわね。」 「僕も賛成だね~。」 「よっしゃぁ!」 「ま・いっか。」 「ならそうするか。…で…何処で食べる?」 皆そこまでは考えていなかったのか、考え始めてしまった。 「う~ん…」 「いつものところでいいんじゃないか?」 「え~たまには違うところにしようよ~」 「…皆何を食べたいんだ?」 「「「「「………」」」」」 「(…何も考えてなかったのか。)ではそこの海岸でバーベキューでもするか?今からやっても十時までに帰れるだろう。」 「それいいっ!」 「そうしよ~!」 「悪くないわね。」 「文句ないよ~。」 「肉だ―!!!」 「ではゼル、ダッシュで学園に戻り道具を一式を借りてきてくれ。セルフィ、キスティスは材料を買いに行き、アーウ゛ァインはその荷物持ちを頼む。俺達は土台を作ってる。 「了解。」 「りょ~うか~い。」 「了解~。」 「え・俺?」 「お前が一番足早いからな。」 「ちっ!わかったよ」 スコールの的確な指示に、皆同意する。こう言うところでリーダーとしての役目がどれだけ身に付いてしまっているかがよくわかる。 かくしてバーベキューの準備が始まった。 written by eoh ジャンル別一覧
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