譲れないものIVガーデンに戻ると真っ直ぐ寮に向かい皆それぞれの自室に帰って行った。(リノアはスコールの部屋に向かった)「楽しかったね~。」 「そうだな。」 「……ねぇ…スコール、、、」 「もうこんな時間か。リノア、先に風呂入るがいいか?」 「え?あ・うん。いいよ」 「悪いんだが服を外に干して置いてくれるか?煙の匂いが染み込んでる。」 「うん、わかった。任せといて!」 「頼んだぞ」 そう言うとスコールはシャワーを浴びに風呂場へ行った。 (……スコール、、、絶対何か隠してる。何で何でも話してくれないのかなぁ。 相変わらずまだこれが残ってるんだよねぇ~。 私にぐらい隠さないで何でも話して欲しいよ…。 …何でも…話してくれるほど…信用…されてないのかなぁ?) リノアが暗い思考に陥っている頃、スコールも同じようなことを考えてた。 (どうする?いつ言うべきか…。言うとしたら最低明後日の祭りが終わってからだな。でないと沈んだ状態で祭りに連れて行くはめになる。それはつまらなくなるからなぁ。しかし本当にどうするべきか……。微妙に気付いてるみたいだが…まだ大丈夫だろう。) 考えをそこで断ち切り、スコールは風呂をでた。 「リノア、上がったから入れ。煙の匂いが凄いぞ。」 「………」 「……リノア?」 「え?あ・上がったの?」 (気付いてなかったのか?何を考えて……俺のことだな………。よけいな心配をかけさえてはいけない。) 「じゃぁわたし入るね。」 リノアは風呂に入ってる間、さっきと同じ事を考え、スコールもソファーに横になり、同様に考えていた。 数十分後……… (やっぱりちゃんと聞かなきゃ駄目だよね?) 「ねぇスコール……。」 「………………」 「スコールってば!」 しかし返事は帰ってこない。スコールはソファの上で熟睡していた。考えている間に頭がぼーっとしてきていつの間にか寝てしまったのだ。 「……寝ちゃってる。ま、疲れてるんだししょうがないか。」 (けどいつもより安らかに寝てるんだから隠しごとしてるのも私の気のせいかな。それにスコール、なにか隠してるときは寝顔も苦悩してるもんね。私の気のせいみたいだね。) リノアはベットからタオルケットを持ってきてスコールにかけてあげた。 「オヤスミ、スコール。良い夢見てね。明日も付き合って貰うんだから。あ・けどあんまり買っても置き場所がないか………。まぁ、いっか。あ・もう十一時だ。もう寝よ。おやすみ~。おいで、アンジェロ」 寝ていたアンジェロは寝ぼけ眼でリノアの後を追い、ベッドに上がり、リノアの横で寝た。 翌日、、、 スコールはいつも通り朝六時に起きた。いつもの習慣のせいなのか、休みの日でもペースを崩さない。因みに他の仲間たちはまだぐっすり寝入っている時間だ。 (さて、、、リノアが起きるまでに時間あるし…訓練場でも行って来るかな。いや、その前に…) 何を思ったのか携帯を取りだし、何処かに電話をかけ始めた。相手と交渉してるためやけに長い。 「…はい。では18:00でお願いします。…いえ、ありがとうございます。」 ツー、ツー、ツー、ツー (よし、これでいいかな。さて、身体を鈍らせるわけにはいかないから、訓練場に行って一汗流してくるとするか。) 「んースコール~、ムニャムニャ」 (…よく寝てる。しかし相変わらず寝相悪いな。タオルケットは何処いった………?あ、あれだな。…そう言えばなんでアンジェロはあの寝相の横で平然と寝てられるんだ?まぁどうでもいいか。さて、行くか) リノアにタオルケットをかけ直してやりスコールは部屋を出て訓練場に向かった。 written by eoh |