2151285 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2024年05月01日
XML
カテゴリ:ギターリぺアー
◆Chaki W-3F
 ギターオーナー様は、兵庫県在住の【薪拾いジジィ】様です
 ドレッドノートタイプのご依頼は初めての様な気がします
 画像を拝見しますと、なかなかのジャンクぷりが炸裂してますが、
 問題無く修復可能ですからご安心下さい

◆画像から確認して行きます

●この時代のChakiの佇まいは何とも言えない味が出てます


●サドル交換、材はお任せ➡オイル漬けサドルを選択します


●四角の紙ラベル、ブレージング刻印無しなので70年代初期モデルです。



●このモデルの定石通りのクラックがあります。➡接着後クリアを吹いて仕上げます
●ナット交換、材はお任せで➡10年物のオイル漬けが有ります


●ネック材両端のマホ材の接着力が低下した事が原因で、 
 クラックと言うよりも剥離がシックリ来ます             
●ペグの交換
 GOTOHのSG381クラスのものを希望しますが、寸法の関係もあるでしょうから
 この品番でなくても構いません。

●SG-381から始まる品番は数百種類有りまして、381に続く特定品番のご指定が
 御座いましたらお知らせ下さい。




●ブリッジ回りも何となく怪しいです。隙間ができたので接着剤を入れたのか、
 何かややこしい感じです。➡実機を確認してから対応致します➡はみ出している
 接着剤【瞬間接着剤でした】を取除きましたらブリッジが剥がれてました


●バック材の全体は良い感じです
 画像で見る限り、バインディングの交換はバック板のセンターからボディがカーブしている手前まで
 必要な感じです


●ボディー裏底部分のバインディングが剥がれている部分の修復
 ギターを立てかけた時、背面底のバインディングがぽろぽろと剥がれてきます。
 裏板の端ものぞいているのでそのあたりだけうまく修復できないでしょうか
 ➡バック材がサイド材から剥離してると思いますので、サイド&バック材を
  接着固定して、今後も簡単に欠けが広がりそうなバインディングを取除いて
  交換します。
  バック板のマホガニーが欠損している画像左部分を、マホ材で埋木して
  クリア仕上げ致します



●ヒールネック修復➡ネックのセット角度を確認して接着固定すればOKと思いますが
 強度不安と判断した際には、内部からクサビで補強する可能性が有ります

◆内部構造材はW-3F到着後確認したいと思います
 


◆無事に届きましたので、リペア箇所を精査して行きます

●マスキングテープ間のバインディングを交換する事になると思います


●合板の貼り合わせが剥がれている箇所が有ります




●サイドの剥がれ箇所とネックヒールを接着します


●フレットボードにクラックが入ってます


●ネックヒールが剥がれた影響でネックブロックが剥がれてます


●バック側3番の右のブレーシングが剥がれてます



●画像左側の割れは材質不明の接着剤でアバウトに接着されてます。修復方法は検討してから
 決めます


●ブリッジを接着した時の接着剤が、ブリッジ周囲にたっぷり残ってます
 絞ったウエスで取れるれば良いと思ってます➡接着剤【瞬間接着剤でした】を取除きましたら
 ブリッジが剥がれてました

●接着されているピックガードにも浮きが有りますで、剥がしてから両面テープ付け直します


◆リペア開始して行きます

●画像でお知らせしました、SG381-20-13】ペグで取付け可能です


●バックの合板内の剥がれ箇所にタイトボンド流し込んで接着します

●スプールクランプで固定し接着を待ちます


●交換する部分のバインディングを取除きます


●剥がれているバック側3番右のブレーシングを接着固定します


●1弦側は段差が有る状態で接着されてましたので、外してから再接着を試みましたが、
 瞬間接着剤がタップリ流し込まれてまして、どうやっても外れません。
 隙間にタイトボンドを流し込んでクランプで圧着固定するしか有りませんでした
 
●ヘッド両側のクラックを接着固定します
 ヘッドは急なカーブが掛かっているデザインのため、桐材で治具を作ってクランプで固定出来る
 様にします


●フレットボードのクラックにローズウッドのパテを盛ります


●ビビリ音の原因にもなるピックガードを外します
 予想通り接着剤で張られてました


●ヘッドの接着が済みましたので、使わないネジ穴に埋木をしてクラックの隙間にマホガニーで
 で作ったパテを盛ります


●はみ出していた接着剤【瞬間接着剤】を取除きますと、ブリッジに隙間が有りました
 剥がれたブリッジを接着したのでは無く、隙間に瞬間接着剤を流し込むと言う
 荒技リペア【最悪手】されてました。全く参考にならないどころか、ギターの木材同士部分の
 接着に、瞬間接着剤&エポキシ系接着剤は如何なる理由が有ろうとも使てはいけません
 

●瞬間接着剤で固められたブリッジを外して行きます。念のためシリコンラバーヒーターを使用します


●瞬間が固まっていた分部は、少し手間が掛かりましたが無事に剥がれました
 外れなかったボルトを確認しますと、瞬間がタップリ侵入してました。
 これではドライバーで外せる訳が有りません
 

●タップリ付いていた瞬間接着剤は完全に取除きます


●ボディ部分の瞬間接着剤も完全に除去する必要が有ります
 半分だけ取り除くにも時間が掛かります
 

◆ネックを接着固定して行きます

●チャキのネックの取付方法は他社とは違って、4本のダボでネックを固定する方式です
 クランプの締付圧力を調整しながら締付て、ボディとネックが未着してもクランプを
 緩めると画像の通り離れてしまいます。
 予想してましたが、ネックを外してセットする工法に切り替えます


●ネックを外しました。外す際に障害になるダボは先に切断して有ります
 残った接着剤を完全に取除いて、ボディ&ネックが密着する部分も綺麗にしておきます
 



●ネックブロックを接着固定しておきます



●ネックを外してる合間に、フレットボードのクラックをサンディングしておきます
 オイルを塗りますと全く判らなくなります


●テール部分のバインディングを接着します


●バックの欠損箇所に、同じマホガニー材を使って修復します


●ボディにタップリ侵入していた瞬間接着剤を取除いて、ブリッジの収まり具合を確認します
 ボデイクランプを掛けて隆起しているボディを押さえ込んでおきます


●タイトボンドをタップリ塗って接着固定します
 はみ出したタイトボンドは可能な限り拭き取らないと後が面倒です


●隙間が無く接着固定されている事を確認します


●テールのバック材が欠けている部分の埋木をします


●補修が済んだテールのバインディング&バックです
 オーバーラッカーはネックを取付ける前に吹きます


●ネックジョインのバインディングの交換も済みました


●バックのコーナーのバインディングの交換も済みました



●ヘッドにクリアを吹いてペグを仮付けして仕上がりを確認します


●ネックの取付角度を確認するためにクランプで固定して行きます


●問題が有りませんので接着固定します
 輸送中の問題でネックが外れたとの事ですから、接着固定後の判断でサウンドホール内から
 強度を高めるため、ボルト固定を追加する可能性が有ります

 
●クランプを外してネックの状態を確認します


●ロッドフレーで順ゾリは僅かに有るだけです


●弦高をシュミレートする治具で確認しますと、予定通りに接着固定されている事が
 確認出来ました


●ブリッジを固定する補助ボルトを取付ます


●プラスチックカバーから、ポジションマークに合わせた貝を化粧カバーにします


◆セッティングに入る前にノックテストをしますと、反響音に違和感が有るポイントが有ります

●バック4番の右が剥離してました


●トップ右の一番奥のブレーシングの先端が剥離してました


●ペグをセットしてセッテイングして行きます


●弦を張りますとギターに帰って来た感じがします


●ロッドの調整は専用工具が有ればベストですが、1番の+ドライバーで無理なく回せますので
 十字の溝にマイナスドライバーを突っ込んで回さない様にして下さい
 ドライバー差し込み口に付いていたペンキを取除き綺麗にして有ります


●1フレットにスペーサーをセットして弦高を確認します


●6E/12Fは2.25mmで予定通りです


●1E/12Fは2.00mmで僅かい高いです


●チューニングすると1E弦が1フレットにベタ付きになってますが、画像の通り1フレットの際が
 浮き上がってますので、浮き上がっている部分を打込んでおきます


●更に各ポジションでバズる箇所が有りますので、フレットを擦り合わせます
 この頃のチャキのフレットエッジの処理方法の関係で、1E弦の1F&2Fが音が詰まり
 ますので、エッジを処理して解消して有ります


●フレットボードのRを確認しておきます
 この頃のチャキのフレットエッジの処理方法➡面取りの角度が緩く弦を押さえた時に、
 同じフレットの2か所で弦と接触する事で起きる現象です


●1E側を0.5mm下げてから全体をマイクロファインで磨いて仕上げます
 サドルの材質は牛骨でそのまま使う事に問題が有りませんので、
 オイル漬けに交換しなくても大丈夫と判断しました



●バックのテールを補修した箇所にクリアを吹いて有ります



◆リペア箇所が盛り沢山でしたので、一覧表代わりに画像をアップします

●1E/1F以外は問題有りません


●6E/12Fは2.25mmで変化は有りません


●1E/12Fは1.90mmでセットして有ります



●ネックリセットしたネックヒール部分です


●ブリッジ周りの仕上がりです
 サドルの出も充分に確保して有ります



●交換したボディバインディングはビンテージ感を出して着色後にクリアを吹いて有ります





●3分割になったヘッド周りの仕上がりです


●フレットの擦り合わせは完了してるのですが、1E弦の1フレットだけ数日経過すると
 浮き上がって来て弦にベタ付きになってしまいます。【打込みは最初の1かいだけしました】
 3回目の擦り合わせをして再発するようで有れば、1フレットだけ交換する事にします
 3回目の擦り合わせは交換前提で大胆に擦り合わせしました


●他の擦り合わせ箇所は問題有りません


●画像以外にピックガード&ブレーシング接着固定箇所も有りますが大きなポイントは以上です
 1フレットが解消すれば最終確認をしてお渡し出来る見込みです。


◆見込み違いが発生しました

●最終確認と思ってチューニングしてテストしますと、1弦1フレット~5フレットまで
 バズリが出てますので、再度擦り合わせする事に成りました


●更に1弦の10フレットから16フレットまでがバズリますので、再度擦り合わせが必要に成りました
 今回の擦り合わせで、ネックが完全に安定してくれる事を願ってます。

 
●ネックの状態も安定しまして、チューニングの度にバズる事が無くなりましたので
 リペアの完了しました






🌻K2ギターファクトリー
  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998 
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024年06月20日 23時58分19秒
コメント(2) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X