【傷だらけの小鳥】第2章第1話【傷だらけの小鳥】第2章第1話【君と僕との出会い】今日は打ち合わせ。 月冷は南館の端にあるエレベーターに入りそこからIDカードを入れて地下に行く。 きっとエレベーターの前には医院長かその秘書がいるだろう。 月冷は戻ってきたIDカードを白衣のポケットにしまう。 チーン 愛想の無いそんな音がしてエレベーターのドアが開くとそこにはビシリと立った医院長の秘書。 「おはようございます、ではこちらへ。」 そう言い腕の中にある書類入れから手を放しエレベーターから右側に手を向けた。 月冷は無言のまま秘書の後に続き歩いていった。 「こちらが山吹医師の部屋です。」 そういい手を月冷の前にだした。 「ここまで来るためのIDカードを。」 そう言われると白衣のポケットに手を突っ込み白いカードを出して秘書に渡した。 IDカードをドアの横にあるカードリーダーに通した。 ピー そんな音と立ててカチリと音がすると秘書はドアノブを回してドアを開けた。 室内はシンプルで月冷好みだった。 「では私は外にいますので。」 秘書はIDカードを月冷に返すとすたすたと部屋の外へ出て行きドアを閉めた。 「結構いいな。」 そう言いながら椅子に座る。 机の上には最新のノートパソコンなどが置かれている。 本棚には医学書などが陳列し、部屋の中心にあるソファーは牛の皮を張ったような少し固そうなソファーだった。 ソファーの前にある机はガラスで床が透けてみる。 月冷は本棚の医学書に手を伸ばして本を立ったまま読み出した。 ピー ガチャ ドアが開かれる音がしたので本から目を離してドアを見るとそこには白衣を着。 立っている医院長。 「やぁ、この部屋は気に入ったかね?」 医院長は部屋を見まわしながら言う。 「ええ、とてもいいです、ありがとうございます。」 本と片手に持ちながら医院長を見て少し顔を下げて礼をした。 「ではいきなりなんだが、彼女を見てくれないか、一目でいい。」 「ええ、いいですよ。」 そう言うと医学書を元あった本棚の列に戻して部屋を出た。 白い壁の無機質な廊下を少し歩くと1つのドアの前に達IDカードをカードリーダーに通した医院長。 「ここだ、入りたまえ。」 そこには椅子と机、そして壁に大きなガラスの板が張られた部屋だった。 そして目の前にある厚そうなガラスの壁。 隣の部屋を映し出している。 そしてガラスの周りに設置してある部屋の内部を映し出しているモニター。 そして監視日記かなにかをつけているのだろうか一人男がPCのモニターと部屋の内部と顔を行ったり来たりしている。 「この中を見てみたまえ。」 そう言われると月冷はガラスを除きこんだ。 そこにいたのは。 黒く長い髪に白い肌を白いTシャツから見えている。 その腕には薄っすらと傷跡が見えている。 そしてこちらを向かずずっと奥の壁にある窓を見上げている。 「あの子が?」 月冷はガラスから目を離すと医院長を見た。 「彼女が研究人物だ。」 君との出会い それはガラスごし 君は俺に気がついていたのか? 貴方との出会い 貴方がいるのはわかってた 貴方の冷たい気持ちが流れてきたから ガラスで見えなくても 僕には見えた。 ~漆黒の独り言~ なんか変ですよな~; なんか; あ、今回は月冷と紅蓮の初対面? あ、ちゃうか。 まぁ、月冷が紅蓮を始めて見たところです。 |