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カテゴリ:リンパドレナージュ
今回の研修では、手術やケガなどによる傷痕へのワークも学んだ。術後最低6週間の安定した傷が対象だ。傷痕は、小さなものであっても、審美的な意味合いばかりでなく、身体全体のバランスに影響を及ぼしていることがある。
私は胸元に古い手術の痕があるのだが、何年もたった今でも、赤く盛り上がったままで、ときどきうずくような感じがするのが気になっていた。ニューヨークでレベル1の研修を受けたとき、講師による授業後のデモンストレーションでモデルとしてその傷痕へのドレナージュを受けたのだが、ほんの10分ほどのワークではっきりと傷が小さくなり、傷痕周辺に感じていた違和感もなくなった。帰国してしばらくするとまた元に戻ってきてしまったが、続けて何度か受ければかなり良くなるような気がする。傷が消えなくても、不快な違和感はなんとかしたい。そう思って日本でワーカーを探してみたが、見つからなかった。そういうわけで、自分自身のためにも、楽しみにしていた内容だった。 このワークでは、リンパではなく筋膜にアプローチする。が、やはり前準備として、傷痕周辺のリンパの流れをマッピングし、主なリンパ節をドレナージュする。モリーのデモでは、周辺のリンパ節をドレナージュしただけでまだ傷痕にさわらないうちから、モデルの腹部の傷痕の色と形が変わっていった。 参考文献には傷痕に向かってリンパを流し込むワークと傷痕からリンパを流しだすワークが紹介されていたが、この研修では、傷痕を直接ホールドし、ねじってひきのばしながら(非常に繊細かつ慎重に)リリースする手法を主に教わった。以前からのワークなのか新しいワークなのかたずねるのを忘れたが、アプレジャーのリンパ・ドレナージュ・セミナーを監修しているチクリー博士は、アプレジャー氏同様、まだまだご健在なので、研修でも新たな研究成果が毎年とりいれられ、テキストも更新されていっている。 実習ではマレー系のベスと組み、私は彼女の膝小僧にある小さな傷にワークした。やってみると、普段やっている筋膜リリースと似たところがあり、筋膜の動いていく方向へ手を沿わせていく。こういうワークは、「次はこっち、次はあっち」と傷自体に呼び込まれるようで、気をつけないと夢中になりすぎる。ワークした箇所はほんのピンポイントだけど、ベスは身体全体がリリースされた、とすっきりした顔で起き上がった。 帰国後、腕に大きな切り傷を持つ方にワークさせてもらったが、傷痕部分にワークするだけで、全身に深いリリース効果が及ぶようだ。気づかないうちに全身で傷のある部分をかばっているのだろうか。 さて、せっかく学んできたのだから、自分に対しても毎日実践、と意気込んでいたのだが、しばらく続けて楽になると忘れてしまい、1ヶ月以上ほうっておいたらまた少しうずきだした。今度はもう少し長く続けて(忘れないようにして)、傷の大きさの変化も追ってみたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.03.02 00:49:14
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