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カテゴリ:~2006年 映画・ドラマ
☆ストーリー☆
大学初のユダヤ人古典文学教授コールマン・シルク(アンソニー・ホプキンス)。 彼は講義中に発した黒人学生に対する一言で辞職を余儀なくされる。 そしてそれを妻に話した結果、妻もショックから亡くなってしまう。 職と、妻を同時に亡くしたコールマンは怒りと抗議を表してくれと作家のネイサン・ザッカーマン(ゲイリー・シニーズ)に、この事件を本にする事を依頼する。ネイサンは断るが、2人の間には不思議な友情が芽生える。 そして、コールマンは掃除婦をしているフォーニアという若い恋人ができる。 年齢差もあり、ネイサンからも別れる事を勧められるが、彼は一途だった。 「これが最期の恋なんだ」 二人は、お互いの傷の深さを確かめ合うように関係を深めていく。 フォーニアは、義父からの虐待、結婚後の家庭内暴力、我が子の死、それらを背負って生きていた。 さらに、元夫レスター(エド・ハリス)の執拗なストーカーもある。 このレスターもベトナム戦争の後遺症(PTSD)に苦しんでいた。 コールマンは、50年間妻にも隠していた彼の秘密をフォーニアに打ち明ける事を決意する。 それは彼の人生そのもの、彼が自分で選択した重く辛い秘密だった。 人間はしみを、痕跡を、しるしを残す。それがここに存在している、唯一の証なのだ。― フィリップ・ロス ☆☆ コールマンは、大学を追われるのだ、一言のために。 この大学に改革をもたらした優秀な教授であったがために敵も多かったという事らしい。 その為に、「一言」が攻撃の対象となってしまった。 若い頃のコールマン、若さと理想に燃えていた。 その彼が、一つの決意をする。 そしてそれは一生、自分で守り通さなければならない苦しいものだった。 かたや、フォーニアは、自分が望んだわけではない人生に傷つけられて逃れる事ができない。 ☆感想?☆ 重いテーマなんだけれども、淡々と進む。 人種差別、家庭内暴力、PTSDなど、アメリカの姿を浮き彫りにしている。 コールマンの秘密は、ここで語るとつまらないかもしれない。 その秘密から、マイケル・ジャクソンを思い出した。 見た人は、わかるかな~? コールマンの場合は、回想が入るので、彼の決断がわかるのだが、 フォーニアの苦悩は、彼女の口から語られるだけ。 もしここで、もっと語られたら、もっとリアルになっただろう。 まあ、その分ニコール・キッドマンが、すさんだフォーニアを表現しているのだが。 うまいかも・・ 彼女の「イン・ザ・カット」見たかったかも・・ エド・ハリスが演じる元夫、ベトナム帰りだ。 ベトナム戦争によって、多くの兵士が、PTSD(後遺症)に悩まされているという話は聞いていた。 そちらも悲惨だな~。 本人も、家庭も、この場合家庭内暴力になったり、別れたのに執拗に追いまわしたり。 エド・ハリスが、しかしやけに澄んだ目をして淡々と語るところが、なんか不思議だった。 コールマンと作家のダンスシーンとか、ちょっとほっとする場面も入り、また若きコールマンの恋物語はかわいい。 作家のネイサン役ゲイリー・シニーズは、椎名きっぺいさんに似てるよね。 そんな事事考えて見ていた(笑) で、「どうだ」と聞かれると・・ 私としては、「そうだったのか」としかいいようが無い。 二人が、お互いの苦しみを分かち合えてよかったねという事かな。 最期が、あいまいなんだけど、でも車で二人が安らかな顔していたなあって思う。 これほど、いろんな苦しみを持っていなくとも、人間、口に出していえないことってたくさん持っているよね。 時には、それを解放したらどんなに楽になるかと思うこともあるだろう。 しかし、それが簡単にできないから、苦しみ悩むんだよね。 そういう意味で、一人でも自分をわかってくれる人がそばにいる幸せ。 一人でも、自分の心の中を裸にして見せられるって幸せ。 そんな事も感じた。 まあ、映画はそんなに、「すごい!」って感動したりはしなかったけど・・じわ~っと来るね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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