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テーマ:レンタル映画(815)
いや~~。まいりました、この映画。
☆記憶の扉☆(1994) ジュゼッペ・トルナトーレ監督 ジュラール・ドパルデュー・・・・オノフ ロマン・ポランスキー・・・・・・警察署長 ストーリー 嵐の夜、森を荒い息使いで走る何者かがいる。 その人物が写るのは車のヘッドライトに照らされて・・ ずぶぬれの大男だった。 この男は身分証もなく、警察に連れて行かれる。 この警察署というのが、石造りのこんな警察署はないでしょうと言うようなところ。 雨漏りはするし、水道は出ない、トイレの水は流れない、電話は通じない、やがては停電までしてしまう。 とにかくそこに連れて行かれて、署長に尋問を受ける事になるのだった。 この男、自分を有名な作家のオノフだと名乗る。 署長はかなりこの作家に精通していて彼の小説の一説をそらで語れるほどだ。 このオノフ、記憶が混濁している。 なぜ森の中、しかもこの嵐の夜に走っていたのか。 そして、彼はずぶぬれの衣服を着替えた時に自分の洋服に血が付いているのを見つけた。 この血はなんだ? 署長は執拗に彼の記憶を呼び覚まそうとしている。 ~~~~~~~~~~~~ これを不条理的なサスペンスというのか? ストーリーを詳しく話せない映画だ。 実は、私よくわからなかったのだ(笑) 見ていくと、オノフは、逃げているらしいと思われる。 しかも、自分のシャツに血がついているし。 そして署長の尋問である。 自分が犯人のように扱われている。 犯人は自分なのか? では被害者は誰なんだ?? ラストを見ても、ピンとこなかったのは私だけか? ~~~~~~~~~~~~~~ ドパルデュー ここの彼は、いや~大男の上にお腹がね~(笑)グリム童話かアンデルセンだったか、とにかくそういう絵本に描かれたかえるのお腹のようなのだ。 自分の記憶が混濁している様子、その記憶を執拗に思い出させて何かを告白させようとする署長との対話。 迫力があります。 ポランスキー かたやこの署長、鶏がらのような(と淀川先生もいってます)彼の取調べは執拗で、尋問ではあるけれどもオノフに語らせたいのだというのがわかるのだ。オノフの口から真実を語らせたいと。 謎めいた事が多いのは仕方ないか・・ ポランスキーって監督だけではなく、映画にも出ていたんですね~~。 このトルナトーレ監督、『マレーナ』とか『ニュー・シネマ・パラダイス』とか撮っていますけど、これってまたまったく違う雰囲気ですね。 驚きました。 場所は雨漏りがする警察署。 窓の外も雨、時々雨音が激しくなる。 雷で外も光る。 そのうち、雨漏りが激しくなって室内が水浸しになるし。 音楽と効果音とゾクゾクとしたり不気味さがましたり・・・ ジトジト、ゾクゾク・・ トイレの水が流れない時の焦り。 途中で、オノフはペンと紙を要求するのだ。しかし、ペンはどれもインクが出ない。 全て試してみんなだめなのだ。オノフのイライラ感。 この感じは、見ているほうもオノフと同じように感じるだろう。 このようにストーリーに頭を悩ましながらも、映像には堪能する映画なのだ。 以下、私が見ながら推理した事(でもそれって違っていたんだけど(笑)) そして、ネタバレで書きたいと思うのです。 以下反転してくださいね。 まず、私は、オノフがほんとうにオノフなのか?と疑った。 署長も、疑り深く小説の一説を口にしたりして彼を試すようなことをするのだから。 何度も、調書として生年月日や、ここに来た日付など聞く。 それに対して、オノフは来た日にちや、一緒にきたのは誰かなど違った事を言う。 オノフじゃないんじゃないの? そして、彼の洋服についていた血、彼はそれを引きちぎってトイレに流そうとするのだけれど、水が流れないのだ。 思い余って彼はそれを食べてしまう! ここらへんは、やっぱり何かやばい事があるんだわ、と思わせる。 殺人だ。 犯人はやっぱりこのオノフか・・・ それでも、犯人でないといいなという気持ちが湧いてしまうのだが・・ 死体らしき袋が運び込まれる。 署長は、その死体が誰であるのか、言わない。 オノフもなかなかはっきりと思い出さず、果たして男なのか、女なのか? スラッシュバックでその日の事が写る。 そこだけ日差しがまぶしい明るい画面だ。 そこに写るのは、女だ。 う~~ん??女性が被害者?でも署長の口ぶりは男の被害者みたい。 オノフは、ワインを欲しがる。 取調べの部屋の戸棚に入っていたのだ。 そこの戸棚には、ネズミ捕りの籠がある。 チーズがぶら下がったネズミ捕りだ。 ワインを飲みながら、だんだん彼の小説家としてのスランプ状態がポツリポツリと出てくる。 写真の束がどさっと、取調べの机に零れ落ちる。 これが、彼の記憶を呼び戻していく。 小説は実は、浮浪者の書き付けた物を校正しなおした物。 彼の名前も、実はオノフではない! なんだ、やっぱりオノフじゃないんだ~~、いやいや、違う。 オノフというのは本名ではないということだ。 ラスト、彼の記憶はその日の出来事に。 しかし、それもしっかりすっきりするものではない。 ただ、誰が被害者なのかわかるのだ。 そう、被害者はオノフ自身。 自殺したのだ、ピストルで。 この映像を見て、これは実は幻想ではないかと思ったのは、私。 小説家としてのスランプを抜け出す為、自分自身を殺す(頭の中で)ということなのかな~~?って しかし、そう考えると、その後がまたよくわからない。 調書は、タイプされていたのだが、その紙が真っ白だ。 そして署長以下、署員達は穏やかな顔している・・ 取調べの時に、確か戸棚にネズミが入っていったようだった。 てっきりネズミ捕りにかかったのだなと思った。 しかし、チーズはなくなりネズミもいない・・・ やっと、停電がなおり電話もかけられるといわれる。 電話をかけるが、相手には自分の声が聞こえないらしい。 『故障みたいね』と向うで女性が話している。 あ・・まだ故障しているんだ。単純な私は思っちゃった。 翌朝雨が上がり、オノフは警察署らしくない石造りの建物から出てくる。 この建物、病院か・・? そして、車に乗せられるのだ。 オノフも署長も、穏やかな顔をしている。 さて、このように、私は、混乱したのだけれども。 この話「シックス・センス」「アザーズ」と同じなんですね!! きっとこの建物も警察ではないのでしょう。 もちろん警察署長でもないし、他の人も違うはず。 あんな雨漏りして、びちょびちょした建物が、いくら田舎とはいえ警察ということは無いんですね~。 彼らは何でしょうか?死神?天使? 彼が自殺したということを自分で認めるように、彼らは執拗にオノフに話させていたのでした。 あの写真の束を見てから、彼はだんだんわかってきたのでしょう。 しかし、その日の彼がどんな事をしたのか、やっぱりあいまいでした。 よくわからなかったな・・そこらへんは。 彼が、自分の頭を撃った事を思い出したとき。 彼が何に苦悩してその行為になったのか思い出したとき、署長は穏やかな顔をしていた。 彼がやっと、あの世に旅立てると。 オノフはしかし電話をかけた。 「すまなかった」と。 相手には彼の声は聞こえない、死んでいるのだから。 調書、あれは必要のないもの。もともと何もしていなかった。 あのネズミ捕りは? あれはよくわからないのだが。 こうしてオノフは、自分が死んだ事を認め、あの世へ行く為に車に乗り込んだのだ。 う~~ん、「シックス・センス」や「アザーズ」よりももっと複雑で、すっかり罠にはまった気分でした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 頭を悩ましながら、ジトジトしながら、二人の俳優の対決を見て欲しい映画でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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