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カテゴリ:2007~映画・ドラマ
今年の初DVDは、今村昌平監督のカンゾー先生でした
何でこのDVDを選んだのか、経緯は忘れてしまいましたが。 いままで、今村監督で見たものは「楢山節考」だけかなあ。 文芸作品ですが、おもしろかったですねえ。 出演者達も良かったしね^^) ちなみに今村監督の脚本のほとんどを息子の天願大介が書いているのですね。 この天願大介は、「暗いところで待ち合わせ」の監督でもあります。 ☆カンゾー先生☆(1998) 今村昌平監督 坂口安吾原作 柄本明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カンゾー先生こと赤城 麻生久美子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ソノ子 ジャック・ガンブラン・・・・・・・・・・・・脱走兵 松坂慶子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・置屋の女将 世良公則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・モルヒネ中毒の外科医 唐十郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なまぐさ坊主 ストーリー 昭和20年夏、岡山県の漁村。開業医の赤城はタダ同然で患者を診ていたが、決まって肝臓炎と診断したため、いつしかカンゾー先生と渾名がついた。ある日、田舎には珍しい若くて美人の看護婦・ソノ子がやって来た。真面目一辺倒の働き者だったが、遊女だった母の影響と幼い姉妹を養うため密かに身体を売っていた。 坂口安吾の原作小説を、世界の巨匠・今村昌平監督が映画化したユーモラスな人間喜劇。終戦間近の瀬戸内海の小さな漁村を舞台に、初老の医師と若くて美人の看護婦を中心に人間の性と生をコミカルに描いた秀作である。 ~~~~~~~~~~~~~~ 私はね、人間喜劇でもあるし人間の性と生を描いているという事に加えてさらに人間の狂気、名誉欲とかそういったものも描いていると思うのだ。 終戦まじか、小さな漁村でも米の配給は減らされ、人々の暮らしは苦しい。 栄養状態も悪いのも頷ける。 そこで毎日往診のために、走り回っているカンゾー先生。 まさに走るのだ。 町医者は走る。 それが町医者なのだ。 最初は「赤ひげ」みたいだなあと思ってみていたんだけどね。 でも違いましたねえ。 カンゾー先生は町医者だが「肝臓病」を突き止めたいという欲求に突き動かされ、狂気に走っていく。 そこには、医者としてまた研究者としての探究心とともにやっぱり名誉欲があるんだよね。 デモね、とってもいい先生だと思うのだ。 肝臓病で苦しむ患者達のためになんとしても病原菌を見つけてやる! その気持ちもわかるのだし。 彼が自分の狂気に気がつく、患者のばあさんの葬式のシーンは見せ方がいいよね~~。 他にも、ソノ子に入れ込んで役所の金を使い込む男や、患者に注射するよりも自分で使いたいモルヒネ中毒の外科医、軍の中で出世したい軍人などなど・・・ そして、生活の為に体を売る事はなんでもないがとっても純真で、情熱的なソノ子。 事件も次々とおき、時よりエロっぽく(笑)もあり笑わせながら、人間の本性、欲望など見せてくれる面白い映画だった。 ~~~~~~~~~~~ この映画で1998年日本アカデミー賞の主演男優賞を柄本明、助演女優賞と新人俳優賞を麻生久美子が取っている。 柄本明、さすがだね。 カンゾー先生、なかなか魅力的だ^^) 麻生久美子は、新鮮なヌードを見せている。 爽やかって感じだよね。 他にやっぱり唐十郎。 最初「なんだ、この薄汚い男は?」って思ったんだけど(笑) 面白いですよ。 世良公則は、これまた薄汚い医者なんだよね。 外科手術をしながら患者にではなく自分にモルヒネ打ってくれと言う様な中毒。 でも腕はいいんだよね^^) でも、哀れではあるなあ~~。 したたかでもありかわいくもありの女将の松坂慶子とか、伊武雅刀なんかもよかったよ。 そして、音楽を山下洋輔の曲が面白かったね。 カンゾー先生・サントラ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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