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テーマ:映画館で観た映画(8346)
カテゴリ:2010邦画
これはすごい・・・中島監督!
まあもちろん原作もすごかったからね~。 それにしてもそれをこういう形で映像化できたのは、中島監督だからでしょう。 ☆告白☆(2010) 中島哲也監督 湊かなえ原作 松たか子 岡田将生 木村佳乃 ストーリー とある中学校の終業日。1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。そして、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではなく、自分の手で処罰すると宣言するのだった。その後、森口は学校を辞め、事情を知らない熱血教師のウェルテルこと寺田良輝が新担任としてクラスにやってくる。そんな中、以前と変らぬ様子の犯人Aはクラスでイジメの標的となり、一方の犯人Bはひきこもりとなってしまうのだが…。 ~~~~~~~~~ 私はかなり面白かった いや面白いという言い方はおかしいんだけど、さまざまな気持ちを湧き起こす問題作なのは間違いない。 もちろん原作自体がすごかったから映画はどうなるのかと思ったが、原作を壊すことなく監督らしい映画になっていた。 そういう点でかなり満足した映画だ。 2009年本屋大賞の原作は、一気に読んだ。 一気に読めるのだ、そして「う~む」と唸り感想も書けなかった。 暗いし、重いし…なんともいえないどよ~んとした気持ちになったのだ。 それを中島監督が映画にすると聞いて、たとえストーリーが暗くても(「嫌われ松子の一生」とかね)ポップでキッチュな映像を見せる中島監督が、どう料理するんだろうか?と思っていた。 で、今回いつもの原色&ポップでキッチュな映像は確かに抑えられていた。 ちょっと中学生たちが踊ったりしていたけど、それも派手ではないしね。 実は原作を読んで時間がたっているせいで後半かすかな記憶しかなかった。 それで映画で原作の衝撃を再び味わったという感じ。 私としては映画の方がメッセージが伝わってきたような気がする。 もちろん原作があってこそだけどね。 ラストの携帯のボタンを押したあたりからの見せ方がうまいと思うのだ。 この爆破は映画を見た人がどう判断するかよね。 私は→この爆破はなかったと思うな。 きっと見た人のほとんどがそう感じたのではないかなあ。 少年の一番痛みを感じる部分を傷つけることが最大の復讐なのはもちろん。 更生という点で考えると、自分が死んじゃってもいいくらいに心が無くなってしまった人間を更生させるには、とことん傷つき苦しむことが必要なのだと思う。 確か森口(松たか子)が言っていた。 『犯人は少年法で守られている、おとなしくして反省文でも書いていればいいのだ』と。 それで更生できるのか?できるはずがない。 心の痛みが無いからだ。 他人の痛みをわからなくて更生できるわけがない。 確かにすごい復讐ではある、そしてここまでしなくては更生できない(というか人間の心を取り戻せない)少年というのも哀れで悲しい・・・ 見ている自分の心の中にこの復讐を応援する気持ちがあることを認めなくてはいけないな。むしろ快感すら覚えるのだから・・・ 絶対に普通なら出来ない復讐を森口がしてくれるのだからね。こんなにすっきりすることはないんだよ~。 誰にでも心の奥底に復讐という気持ちがあるもんよ、って見せつけられちゃうんだ。 それもまた怖いんだよね~← 森口が告白する場面が第一幕。 ここまでの見せ方は原作とは違った形だね。 原作ではこの部分のインパクトがかなりあったけど、映画は事件のあらましも織り込みながらなので「そこまで見せちゃっていいの?」などと思いながら見ていた。 しかし、松たか子がほとんど出てこなくなるにもかかわらずその存在が見え隠れしながら続くその後の展開に、うまいなあと思う。 その後、中学生たちが事件に対してどうふるまったのかというのが恐ろしい。 私には犯人の少年の怖さと同じくらいにこの中学生たちが恐ろしかった。 この子たちはどう整理をつけて(整理がつくのか?)この先どんな大人になって行くんだろう。 さて、松たか子だがかなり良かった。 最初、中島監督の作品に松たか子?とかなり疑問に思っていたのだが、この淡々と話を進める教師、また娘の死に慟哭する姿など見てぴったりだなって思った。 かなり難しい注文をつける監督らしいが、その監督に食らいついて行ったんだろうなって(勝手に)思うよ。 この映画R15なんだね。 それもわかるかも・・・ 見る人によって評価も分かれるんだろうな。 しかし、私は中学生たちに見てほしいと思うけどねえ。 「ドッカ~~ン」と衝撃を受けてほしい・・・・・なーんてね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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