『キング 罪の王』(2005年/米国 原題:THE KING)を見た。
私のお気に入り俳優
ガエル・ガルシア・ベルナルの主演。
海軍を除隊した
エルヴィス(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、亡き母から聞いた父
デイヴィッド(ウィリアム・ハート)に会いにいくが、現在は幸せな家庭を築き、牧師として成功している彼は、
エルヴィスに自分や家族に近づくな、と言い放つ。拒絶された
エルヴィスは、彼の娘で自分の異母妹である
マレリー(ペル・ジェームズ)を誘惑し、さらに、
(ここからネタばれ反転)マレリーの兄ポール(ポール・ダノ)を殺害する。ポールは家出したとされるが、その代わりにデイヴィッドの家で生活するようになったエルヴィスは、マレリーを妊娠させたうえ、エルヴィスが兄ポールを殺したこと、そして自分と血が繋がっていることを知り絶望するマレリーとその母親=デイヴィッドの妻=をも殺し、家に火を放ち、デイヴィッドが自分を切り捨て守ろうとした家庭を破滅させる(ここまで)という話。
こう(↑)書くと壮絶で重く、タブーだらけだけれど、びっくりするほど淡々と進んでいく。そして、
(ここからネタばれ反転)
エルヴィスがデイヴィッドに向かって「懺悔して天国へ行きたい」と言ってTHE END(ここまで)
というラストも、本当に淡々としていて、それがかえって衝撃的だった。
あの後、
デイヴィッドはどうなるんだろう?と考えざるを得ないけれど、もとはと言えば、
デイヴィッドが
エルヴィスを“罪の子”として認めなかったところから始まっているのだから、自業自得、という気もする。
エルヴィスも残酷なことをするけれど、
デイヴィッドこそ“罪の王”なのかもしれない。
以下、その他雑感を箇条書きに。
・セクシーでかつキュートなガエルくんをたっぷり堪能。
マレリーと初めて結ばれた後、「Do you still love me?」と彼女に言うのだけれど、あんな表情で聞かれたら、もうなんの抵抗もできないだろうなぁ・・・
・ガエルくんが長身のウィリアム・ハートと並んだ図は、まさに“親子”(笑)。
・
マレリー役のペル・ジェームズは、吸い込まれそうな緑色の瞳が印象的だった(
マレリーは16歳という設定だったけど、本人は1977年生まれだそうだ)。
・父のような牧師になりたいと思っている
ポールが、ダーウィンの進化論ではなく“神がこの世を創った”という授業をするように、と学校に提案する活動しているのだけれど、
ポールの痛いキャラクターのせいもあり、私にはそれがとても奇異に映った。でも、きっと、現在でも本当にそんな風に考えてる人っているんだろうなぁ・・・宗教って不思議。
評価は、
★★★★ (満点は5つ)
私は大満足でしたっ!