星になった王子様
昨夜の出来事から眠いのに全く眠れないまま旦那サマが起床する朝7時半を向かえました。旦那サマもあまりよく眠れなかったそうです。布団に入ったまま旦那サマを見送りこのまま一日を過ごしたい衝動に駆られましたが気力を振り絞ってすぐに布団を出ました。昨夜旦那サマと話した際、実家の庭に埋葬させてもらおうということになりました。アパート住まいで庭はありませんし、地元ではないので安心して埋葬できる場所も分かりません。ペット霊園は飼い主が満足するためのものだと思いますし犬や猫のように埋葬場所を探すのが大変ならとにかく小さな体のこむぎさんですから土に還してあげたかったのです。まずは実家の母に、埋葬させてもらうためにメールを送り続いて動物病院に朝一番で電話をしました。つい先日診察して下さった副院長先生に代わっていただき息を引き取ったことと昨夜の経過をお伝えしました。体重が減少していたことから内臓に内部的な問題を抱えていたのかもしれない、とのことでした。年齢的にもまだ若く、下痢などのはっきりした症状もなく10日に診察した時にも呼吸や心音に異常はみられなかったので推測の域を出ませんが考えられる原因は内蔵の問題くらいでしょう、と先生は仰っていました。昨日、一昨日の午前中分の強肝薬の投薬を忘れていたことも併せてお伝えすると一度や二度飲ませなからといってすぐに影響が出るような薬ではないというお答えでした。その言葉で、昨夜からずっと心に引っ掛かっていたしこりがひとつ解消されました。最後に解剖以外で死因を特定できる方法がないかと伺いましたが、体の小さなハムスターで、更にはっきりした症状もなかったので解剖をしても死因の特定は難しいでしょうとのお言葉でした。今後のハムスター達のためにも、こむぎさんのためにもどうして死なせてしまったのかを出来れば知りたかったのですが解剖しても難しいのであればということで諦めました。本当はそっと眠らせてあげたかったので内心ホッとしつつも死因が分からないままという引っ掛かりはこのままずっと消えないのでしょう。先生によくお礼を言って電話を切るとすぐに旦那サマにメールで報告しました。返ってきたメールには「好物のリンゴも一緒に供えておいてくれ」と書いてあって、涙が出てきました。出かける身支度を整えていると母から電話が。体重が減っているという前兆はあったものの突然のメールに母も驚いた様子でした。半泣きで昨夜の話をして埋葬のことをお願いすると快く承知してくれました。明るいうちに埋葬できるようにお昼前出発にし、帰りも夜遅くなりそうなのでお皿洗いやアイロンがけを済ませておきました。紙袋にこむぎさんのごはんやおやつを全部詰め込みリンゴとこむぎさんの入った箱をそっと入れ泣き顔を隠すのに帽子を目深にかぶって家を出ました。電車で一人実家に行くのは初めでです。まさかこんな形で帰ることになろうとは・・・乗り換え駅のコンコースにお花屋さんがあるのでかわいらしい小さなブーケの中から黄色いパンジーのものを選んで購入しました。なんとなくこれがこむぎさんにピッタリな気がしたのです。電車に揺られること1時間近く、お昼過ぎに地元の駅に到着です。恐らく仕事が手に付いていないであろう旦那サマが乗り継ぎ時刻を逐一ナビしてくれたので最短時間で迷うことなくやってこれました。地元から埼玉に来たことは何度もあったのでそれほど困難ではありませんでしたけれど。最寄の駅からテクテクと歩いて実家のそばまで来ると母が外に出て植木をいじりながら待っていてくれました。暖かいうちに埋葬をしようということで家には入らず庭に行って掘る場所を決めました。花壇の一角なら人も通らないのでそこに決定。あげる機会の少なかった種子類を一緒に埋めてあげたいのですが埋めるとたくさん目が出てしまいそうなので母が石で叩いて潰してくれました。シャベルで穴を掘っていくと、深さ20cmくらいのところで固い土にかわってしまいそれ以上は掘れません。猫が荒らすこともあまりないだろうからそろそろ埋葬しようと立ち上がると母と私の話し声を聞いて窓際にいたもゆと目が合い“波夜ちゃん来てるのになんで家に入らないの?!”と言わんばかりにワンワンと元気に吠え出しました。あらっ、気付いてたのね。久しぶりに出た笑みでした(苦笑)用意してくれていた切花を母がちぎって穴に敷き詰めその上に砕いて潰した種子類と粟の穂、昨日食べられなかったペレットを何個か入れました。大事に抱えてきた箱からこむぎさんを取り出すと包んでいたティッシュを取り、母にこむぎさんを見せました。水分の多い眼がすでにしぼんできてしまっていましたがキレイな毛並みはふわふわのままで、変わっていませんでした。「こんなにちっちゃかったんだねぇ~・・・ 写真でしか見たことないからもっと大きいと思ってた。 元気な姿を見たかったよ、こむぎちゃん」そう言ってそっと撫でてから私に返してくれました。・・・そろそろお別れしなくては。早く土に還れるようにティッシュを取ってそのままの姿で花びらの上に置き、ゆっくりと土をかけました。「今までありがとね・・・」それを言うのが精一杯で、頭の中では“ごめんね”をずっと繰り返していました。涙を落としながら、土をかけているとどうしようもないくらい鼻水が垂れてくるのです。悲しいやら情けないやらで泣き笑いです。思わずこむぎさんを包んできたティッシュで鼻をかみました。母が用意してくれた切花にオアシスが付いていたので私の買ってきたパンジーたちも一緒にさしてオアシスごと土に埋め込み、持ってきたリンゴを隣に供えました。ここなら犬達がきっと守ってくれるでしょう。“私の大切なコだからよろしく頼むね”と、先に行っているチェリンにもお願いしておきました。埋葬を終えて家の中に入ると突然ひとりでやって来た私に興奮気味のもゆとピンピン。心中は察していないと思いますが無邪気な妹達の態度に気が紛れます。元気付けられます。朝から食欲がなく何も食べていないので母と二人でファミレスに食事に出かけました。健康的に二人でゆっくりと歩いていきました。精神的な疲れと寝不足からくる頭痛でなかった食欲もだいぶすっきりと落ち着いてたくさん食べられました。しっかりデザートまで平らげて気分もだいぶ回復です。ファミレスを出るとそのまま駅前のスーパーに行き父と兄と甥っ子のバレンタインチョコを購入。本当は今日一人で買い物に行く予定だったのです。旦那サマには何か作るつもりなのでチョコは買いませんでした。実家に戻るとソファーで横にならせてもらいました。寝不足のせいで心身ともに辛かったのです。しかし、ここでもあまり深くは眠れず散歩から帰ってきた犬たちに襲撃されて結局ほとんど眠れませんでした(苦笑)旦那サマも呼んでごはん食べて帰ったらどうかという母の心遣いに甘えて旦那サマに電話で来るか聞いてみると「行きます」と一言。やはりほとんど仕事にならなかったのだそうです。午後8時ごろ到着した旦那サマは先に埋葬した場所を見たいと希望したので案内すると。リンゴとお花に向かって手を合わせて涙ぐんでいました。たぶんこんな思いは旦那サマにとって初めてのことでしょうから仕事中、ずっと辛かったのでしょうね。旦那サマが家に入ると犬達は当然大騒ぎ。スーツに犬毛がつくと取るのが大変なのであらかじめ父のナイロンの上下を着させてカバーしました。効果抜群です。夕ご飯は母の作ってくれたオムライスをいただきました。悲しい時に、温かい料理が心に深く沁みます。家族っていいなぁと改めて感じたひと時でした。父にも会いたかったのですが、帰りを待っていると遅くなってしまうので私達は埼玉に帰ることにしました。母にお礼を言って玄関を出るとこむぎさんのいる場所にもう一度行き“また来るからね”と二人で手を振ってから岐路につきました。自宅に戻ると、今まで録画したこむぎさんの動画を二人でなんとなく見だしました。ひと段落終えてだいぶ落ち着いたものの置いたままのケージについ視線がいったり布団に入ってもこむぎさんが走る音が聞こえないことにたまらない寂しさを覚えます。大丈夫、悲しみはちゃんと思い出に変わる。枯れるくらいに涙を流しても、笑える日が来る。チェリンが教えてくれたことです。こむぎさんのためにも、悲しんで自分を見失うより私がやるべきことをきちんとやろう。自分のミスをきちんと自覚し、こむぎさんの一生を最後まで綴ること。そのためにいくつか問題点を挙げてみます。・金網をかじった時点で広い水槽ケージにするべきだった。・体重の減り幅が大きくなった年末年始後、 すぐに病院に連れて行くべきだった。・近場で夜間でも見てもらえる病院を探しておくべきだった。細かいものを挙げればキリがありません。あの時こうしていれば、という後悔は今になっていくつもいくつも出てきます。朝は失念していて先生に聞くことすら頭になかったのが窓掃除の時に使ったお酢の臭いです。人間ですら“お酢臭い”とはっきり感じられるものですから嗅覚の優れたハムスターには相当のものだったでしょう。それが死因に影響しているかどうかは分かりませんがあの時別の部屋に移していれば、というのもまた後悔する出来事の一つなのです。このことについては自分になりに調べようと思っています。この先、新しくハムスターをお迎えすることがあってもハムスター以外の動物であったとしても事前の準備や下調べは十分すぎるくらいに行わなければいけないと痛感させられました。本当はこむぎさんがこんな結果になる前に気付かなければいけないことだったのです。これもまた、後悔の一つです。すべてが悔やまれてなりません。でもたったひとつ、こむぎさんと出会えたことだけはかけがえのない大切な事実でした。最後に心配をかけた母と友人たち、お世話になった先生方、そしてこのブログを通してこむぎさんを可愛がってくださった全ての皆様に厚く御礼申し上げます。今後は3月半ばくらいまでにかけて未公開の動画などをアップしていく予定です。アップ作業が終わり次第、ブログランキングを一時離脱します。(内容がそぐわなくなってくるといけないので)どうぞもうしばらくお付き合い下さいませm(_ _)m