COLONYの裏側

総括は言いたいことがたくさんあるので別ページに。箇条書きで総括を・・・

・脚本・構成がまずすぎ
過去と現在を交錯させて親子のドラマを描いていく試みは悪くないが、1話の中で話を交錯していく方法を取った為に話が見えてこない。2話完結と言うのを利用し、1話目は過去。2話目を現在メインに話を書いていくか、過去のことは書かず1話完結にして話を進めていく方法を取っていけば問題なかったと思う。
　構成に井上敏樹を使ったのも最悪で設定の使い捨てっての平気でやってしまう性格のせいかバイクはろくに登場しない、シュードランとかブロンブースター、ドカバキＦは1回きりの登場になってしまったし（1回きりの設定と言えば「ＲＸ」でのロボライダー時の専用バイク”ロボイザー”が本編で登場したのも1回きりだったし。昔のライダーでもしてたりしますが）。
　なぜ東映は井上敏樹と言う仮面ライダーを面白くなくしている「ガン」を取り除かなかったのかが疑問です。（もしくは最初から採用しない）仮に途中で井上が降板してしまった場合でも綺麗に終わらない内容だったでしょうが。
　
・主人公のキャラ
渡がひきこもりってのが良太郎同様にヒーローしてなかったのが正直腹が立ちました。複数フォームチェンジ能力を持つライダーの素顔って「好青年」だったのに・・・
　それに深央が出てきてから自己中な事してたし。いきなりキングになると言い出したりとやってることが無軌道なんですよ。それに児童雑誌などでは最初から渡は人間とファンガイアの混血と説明されてましたけど話が無軌道になっていった後思い出したようにそれを説明するってのが駄目だった。一番最初にキバットとの出会いで自分がファンガイアの血を引いていると言うのを知っていたとかちゃんと説明して欲しかった。平成ライダーって翔一君にしてもたっくんにしても主人公が何で仮面ライダーに変身できるのか言うのを最初に説明しておかないでしょ？これが渡が改造人間だったら改造されたから変身できるようになったと単純に説明できるじゃないですか。何で仮面ライダーになれるかはちゃんと1話の段階で説明して欲しかったです。

・フォームチェンジの設定
　「ＲＸ」で試験的に採用されて平成では定番になったフォームチェンジですが・・・扱いが酷。登場のいきさつが「アギト」同様にちゃんと説明されてない。ＲＸ、クウガ、電王ではフォームチェンジ登場のいきさつをちゃんと描いてたし、電王ではつなぎのフォームだったクライマックスも時折活躍させてたところが有り上手く取り入れられてた箇所があったと思うんですが・・キバのフォームチェンジは何の前触れもなく登場させてるし、各フォーム特有の能力もあんまり説明されてなかった上に基本3フォームはエンペラーキバが出てきてからは全く使われなかったのが残念です。電王のときでも書いてたような気がするんですけど、強化スーツタイプのライダーが複数フォームチェンジ能力を持ってはいけません。ＲＸ、クウガ、アギトの正統派デザインのフォームチェンジライダーは改造人間かそれに準ずる存在だったのですから。
　渡は一応人間じゃなかったけどキバが強化スーツタイプのライダーってのは幻滅したので。
ここで書いてしまうのもなんですけど何で強化スーツのライダーばっかり出すんですか？強化スーツのライダーってのは弱いと言う印象しかないので（５５５やカブトなど強いのもいますけど）。なぜ改造人間のライダーを出してくれないのですか？
　私の中では「仮面ライダー＝人間」と言う設定は忌まわしいものとなりつつあります。

・アクションシーン
　私が平成の新作が出るたび切に願っているのは主演役者が高度なアクションをしてくれることですが本作では渡役の瀬戸がアクションをしてくれたのは最終回と最終回1話目だけ。昭和の役者さんは毎回と言っていいほど高度なアクションを披露してくれたのに平成のスタッフは主演役者を甘やかしすぎです。昔のスタッフは主演役者には厳しかったと言いますし。主演役者が仮面ライダーのスーツを着てアクションをしなくなったのは藤岡氏の事故の反省を踏まえてとのことですが（ただ、素顔を晒す場合と危険なアクションを伴わなければ役者自信が仮面ライダーのスーツを着てるが）。
　平成ライダーの製作事情を読んでたりすると今のスタッフが「アクションができないイケメンを大量生産している」と言う風にしか思えない。

・謎が多すぎ＆勧善懲悪じゃない
　平成の悪癖の一つの「謎をたくさん置いておいて結局はうやむやにする」と言うのを今回もしてしまったのが残念。何で謎ばかりを残すのかがわかりません。今回残ってしまった謎は
・渡とキバットは何時出会ったのか
・渡がキバに変身出来る理由
・恵の父親のこと
・ゆりのその後
等で謎を置いておいても話の中で収束させてって最終的には全ての謎を解き明かして欲しかった。

　勧善懲悪じゃないのも面白くないです。渡が何でキバに変身出来るのかと合わせてファンガイアってのは人間を滅ぼしてファンガイアだけの世界にするって言う目的を持っていれば牙が彼らと戦う理由だってはっきり出来たはずですから。脚本が勧善懲悪を嫌う井上だからと言うのと脱・勧善懲悪をよしとするＴＶ局やスポンサーの意向が絡んできているのかな？

・設定の使い捨て　謎をたくさん散りばめておいて結局はうやむやにしてしまうのと同じ平成の悪癖の一つで1回限りの設定ってのは昭和でもしてるのでおあいこなんですけど、設定だけ用意しておいて結局は実際の放送では出てこない設定をたくさん出すのも許せません。今回ならエンペラーキバの「バッシャーフィーバー」に「イクサライザー」の設定のみの機能を出さなかったことが気になるんですけど井上は脚本上でライダーの能力を上手く書いてないのも駄目ですね。平成になってから複眼の透視能力とかも使わなくなってるんですけどこれも今回使わなかったのが腹立ちました。戦闘シーンをドラマの添え物程度にしか考えてない結果です。
　主人公が堂々と仮面ライダーを名乗らない偽者ってのも気になるし。昭和ライダーになるんですが「ＢＬＡＣＫ」＃16話で事件に巻き込まれた外人の科学者が「MASKD RIDER」と口にするシーンがありましたし、平成ウルトラマンだったら特捜チームだけじゃなく一般人でもウルトラマンの存在を知ってたじゃないですか。
　ブレイドよろしく仮面ライダーは都市伝説に伝わる存在としておき、そのことを知った渡が仮面ライダーを名乗ってくれれば少々評価は変わってたんでしょうが。次回作でも主人公は堂々と「仮面ライダー」と名乗らないんだろうな