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声優交代発表時と同様、ドラえもんの完全リニューアルは、各サイトやブログでも賛否両論である。

その中で特に印象に残った日記が「藤子不二雄atRANDAM」の管理人、よね氏の日記である。よね氏は今回の件について、このように述べている。

藤子・F・不二雄の原点に帰る――この言葉はテレ朝プロデューサーなどからも以前から何度も何度も耳にタコができるほど聞いたような言葉なのですが、この「藤子・F・不二雄の原点」を本当に分かっている人がどれだけいるのか。
 そもそも、ドラえもんのテーマを『友情、努力、希望』と語っている時点で「上っ面なイメージ」でしか『ドラえもん』を見れていないと自分は思うのですが、どんなもんでしょう。


よね氏の言うことも一理ある。確かに、これまで東京プ○ンやらダブ○ユーやら、ドラえもんのイメージに合わないような主題歌が発表されたときは、テレビ朝日側はそんな風なことを言ってたよなあ。リニューアルするといっても、こんな前科があるようでは、疑念を抱くのは当然のことだろう。

そして、ドラえもんのテーマそのものが本当にわかっているのかという指摘はまさしく当を得ている。よね氏は続けてこう語る。

 『ドラえもん』の本質的な魅力は、その作品自体の持つ「エンターテイメント性」にあると自分は思っています。日常生活ギャグをベースに、SFや夢や冒険などの非日常的要素が混ぜ加えられ、笑いも感動も驚きもがゴッタ煮になったエンターテイメント作品。それが藤子・F・不二雄の描いた『ドラえもん』だと思っています。友情や努力や希望は、『ドラえもん』でももちろん描かれています。しかし、それは『ドラえもん』の主題ではなく、あくまで『ドラえもん』を形作る要素の一側面でしかありません。

事実、藤子F先生も『ドラえもん』は「SFあり、ナンセンスあり、夢も冒険も、その他何もかもぶち込んだゴッタ煮みたいな漫画というようなことを生前語っている。確かに一つずつ作品を見ていけば、ドラえもんはなんでもありの世界である。SFももちろんそうだし、諷刺だって出したりもする。(「Yロウ」がいい見本だ。)ただの子供向けアニメとは思えないものだって出してくる。『鉄人兵団』や『雲の王国』などの大長編を見れば、それは十分わかる。

(今更ながら、このブログサイトの名を「ごった煮」にしたのは、そんな藤子F先生のごった煮精神(?)に敬意を表してつけたのである。しかし、ごった煮の割には、ほとんどアニメのことばかりなんだよなあ・・・。)

そして、最後によね氏は、藤子F先生の原点を本当に目指したいのであれば、「藤子・F・不二雄自選集ドラえもん(上)(下)」に掲載されている、藤子F先生自身が『ドラえもん』について語っている文章の数々を読んでほしいと言って締めくくっている。これには私も激しく同感。

ちなみによね氏はドラえもんリニューアルについては反対していないが、「脚本などにしても、大山さんの作り上げたドラえもんのイメージからここで一度リセットしてみてみてもいいのでは」と語っている。つまり、藤子F先生の原点を大事にしつつ、それを全く新しく解釈して作り上げてもらいたいということなのであろう。これについては、私は何ともいえないが、ともかく新キャスト・スタッフ陣に望むことはただ一つ。「ドラえもん」をしっかり読んで、藤子F先生の人間性に触れてくださいということだけである。

偶然なのか、それにしてはあまりに良過ぎる(?)タイミング。今日12月1日は藤子F先生の誕生日である・・・。

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最終更新日  2004年12月02日 00時52分18秒
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