『キメラの勾玉』NARUTO-ナルト短期連載小説
※サスケ奪回任務後。
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※通常更新履歴は日記にて記載しているのですが、連載中はFreepage List(フリーページ)「更新履歴(仮)」に記載します。
第18話「ラーメン一楽にて」
ラーメン一楽にて。ナルトの前に味噌ラーメンがドンと置かれた。ナルトはニシシと笑う。
「いっただっきまーす! ……つっ!」
大きな口を開けたナルトは、唇の左端に痛みが走った。そっと手で触れると、固まりかけていた血が手に付いた。
「……そっか。オレってばカカシ先生に……ぶたれちまったんだっけ……」
独り言のように、ナルトはつぶやいた。思い出したように、腫れ上がった頬の痛みを感じる。
「なんだい。なんかイタズラでもしたんかい?」
ラーメン屋の店長、テウチがからかい気味にたずねる。
「ううん。そうじゃ……ねぇってばよ……」
ナルトは、ラーメンを一口すすった。あたたかいスープの湯気。ほっとするいつもの味噌ラーメンの味。急に気がゆるんだナルトの目から、再び涙があふれ出す。
「カカシ先生は……怒ったりは……すっけど……」
ナルトは、あふれる涙をそのままに、ラーメンをすする。肩が、ひくっと震える。
「ぶったりすることなんて……一度も……なかったんだ……」
ナルトは、おもむろにラーメンをずるずるすする。
「なのにオレってば……そんな優しいカカシ先生に手をあげさせるくらい……」
ナルトは涙をボロボロこぼしながら、つゆをぐいっと飲む。
「……うっ、ごっ、ごめん…ってばよ……。カカ…シ先生……。んっく……。サスケ……、ごめんなぁ……」
ナルトは声を詰まらせながら、息苦しそうにラーメンをすすった。涙をとめどなく流しながら、鼻をすすりながら……。泣きながらラーメンを夢中で食べた。そんなナルトを、テウチは黙ってあたたかく見守った。
「ごちそうさまっ!」
ナルトはグシグシ拳で乱暴に涙をぬぐうと、お代を払い、ラーメン屋から駆けだした。
「待ってろよサスケ……!!」
ナルトの叫びは、サスケに届いただろうか……。
☆次回予告☆
歯が立たないザキラ、そして呪印を解放させていくサスケに、シカマルがとった最後の手段とは……!
テウチ『少年よ。悩んだ先に道はある』
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