『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第25話「真っ直ぐな」
「そうだな、アイツが一番慕っているのはどうやらサスケのようだが……」
「なんでオレなんだ……」
「ただお前、子供の扱い苦手だろ」
「ガキは嫌いなんでな」
サスケは、うんざりした顔で腕を組む。
「だよな。そーすっと後は……アイツの性格からいって、初めは冷静なネジやシノが合っていると思ったんだが……」
シカマルはアゴに手を当て、少々考える。
「……よし。ここはひとつ、ナルトとヒナタに頼む。今日一日で、出来るだけ夢之助と打ち解けて、みんなに心を許すようにしてくれ」
「……シカマル、オレ、そーいうのなんかヤダってばよ。任務のために、人の心を……。嘘で仲良くなるなんて、そんなのヤダってば!」
ナルトがシカマルにくってかかる。そんなナルトの肩を、ネジはポンと叩いた。
「そんなお前だからこそ、シカマルは選んだ。真っ直ぐなお前には、人の心を動かす力がある。そうだろうシカマル」
「ああ。ナルト、オレは別に仲良くするふりしろなんて言ってないぜ? お前が望めばダチになったってかまやしねーし、もちろんアイツが嫌いならそれでもいい。ケンカしたってかまやしねぇ。アイツと真っ直ぐぶつかってさえくれればな」
「ケンカなんかしたら打ち解けられないってばよ」
「それはどーかな。なぁ、ナルトと年中ケンカしまくりのサスケくん」
シカマルはサスケにニッと笑う。
「知るかっ……」
サスケはしかめっ面で腕を組む。ナルトはそんなサスケを見ていたが……。
「分かったってばよ!」
ナルトはニシッと笑った。サクラも、ふっと笑顔になる。
「あの……私は、どうして……」
ヒナタは、おずおずとシカマルにたずねる。
「あー……。夢之助がお前に”好きっていう気持ちが分かるお菓子”をもらったって言ったんだ。それってなんとなく、特別な感じがしたからな」
「めずらしいわねー。アンタがなんとなくで判断するなんてー」
「オレはこーいうことは専門外なんだよ」
シカマルは、少しめんどくさそうにいのに答える。
「シカマルっ、ヒナタは中忍試験でネジと戦ったときも、すごかったってばよ! すっげぇ頑張って……オレってばあんとき感動したってばよ!」
「ナ、ナルトくん……」
ヒナタは真っ赤になる。
「んじゃ行くってばよヒナタ!」
「う、うん……!」
「普段とはちがうチームだ。敵の警戒心も強まるだろーから、気をつけろよ」
二人はうなずくと、夢之助の元へ走っていった。
「シノ、キバの様子はどうだ」
「あと数日ほどで退院できるそうだ」
「シカマル……」
ネジは、シノと話していたシカマルへ近寄り、耳元でささやく。リーの怪我のこと、そして気遣ってやってほしいという内容だった。
「……そーか。分かった。リーにはきついことはさせないように気をつける。……知ってるのはアンタだけか?」
シカマルも小声で聞き返す。
「今日、テンテンには話すとリーは言っていた。……オレたちは同じチームなんでな」
ネジは微笑した。
「そーだな」
シカマルも笑ってうなずく。
「んじゃ、今日もバカらしーが爆弾探しのふりだ。シノはキバの様子を見に行って、その後七班に入ってくれ。行くぞみんな」
シカマルの指示に皆はうなずき、それぞれ散っていった。
ナルト『次回は……サスケ…サクラちゃんの気持ち、大事にしてやれってば……』
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