『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第65話「お前は木ノ葉の仲間だ」
サスケが木ノ葉の里の門付近まで来たときには、すでに明け方になっていた。サスケは足を止める。木に寄りかかり立っていたのは、シカマルだった。
「里を出ていくつもりか?」
腕を組み、サスケを軽く睨むシカマル。
「……やるのか?」
「オレがお前に勝てるワケねーっつの」
シカマルは苦笑する。
「言っとくけど、お前の異変に気付いたのはナルトとサクラだぜ? 昨日、負傷したお前らが一足先に帰った後、急にサクラが泣き出しやがってよ。んでナルトも、サスケが行っちまうかも……とか、青ざめた顔でつぶやいて……」
「……」
サスケは、リュックのベルトをぎゅっと握る。
「オレはお前に何があったかなんて知らねーし、聞いたって答えねーだろーし……。無理矢理連れ戻したってムダだろ? お前が本当に、行かないと思わなければよ」
「フン……」
サスケは再び歩を進める。
「だからナルトとサクラに任せた」
サスケはピタリと止まる。
「お前を止められる一番のヤツらは、ナルトとサクラだからだ」
シカマルは、日が昇り始めたばかりの朝空を見上げ、再びサスケに視線を戻す。
「そのためには休息も必要だと思ってよ。とりあえず昨日はアイツら家に帰らせて、代わりにめんどくせーけどオレが不寝の番をしてたってワケ。まぁアイツらの事だから、朝になるのなんか待たねーで、きっと今頃里の外でお前のこと待ってんだろーけどな」
「余計なことを……」
サスケはチッと舌打ちする。
「わりーな。けど、お前は木ノ葉の仲間だ。だから、失いたくねーんだ」
「……」
「みんな、そー思ってる」
サスケは、振り向く。
「……シカマル。包帯から血がにじんでる……」
サスケはリュックから包帯を出し、シカマルにポンと投げる。
「あ、ワリ……」
「もしもお前が、オレの千鳥でこんな怪我しねぇくらい強かったら……オレを止めるのか?」
「……」
シカマルは、思わずサスケを見つめる。サスケは、今度こそ門へ向かい歩き出す。
「お前を信じてる。オレたち全員」
シカマルは、サスケの背中にそう告げた。
パタパタと、小さな足音が聞こえる。
「……シカマルお兄ちゃん!」
夢之助だった。
「朝……はぁっ……起きたら……ふっ、はあっ……、サスケお兄ちゃんが、いなくって……」
「たった今、行っちまったよ」
夢之助は、ずっと駆けてきたのだろう。息を切らして、門に目を向ける。
「アイツ、誰かに止めてほしかったのか? ホントは、行きたくねーのに……行かなきゃならねー事情が……あったの……か……?」
シカマルのつぶやきを聞いた夢之助は、門の外へ駆けだしていった。
ナルト『次回は……そっか…夢之助が呪印を解いた訳はサスケが……』
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