『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
※小説・注意事項についてはこちらをご覧ください。
※予告はこちらから。
※初めから読んでくださる方はこちらから。
第75話「エピローグその4 紅・ヒナタ」
「紅先生は、その……アスマ先生のことが好きなんですか?」
お花畑で隣りに座るヒナタが、突然顔を真っ赤にしてたずねてきたので、紅は驚いた。
「ヒナタ……アナタ急に何を言い出すの……」
紅も、かすかに頬を紅く染める。
「もしかして……話って恋の相談?」
「あ……その……」
ヒナタは両手を胸の前で組み、もじもじする。
「相談っていうか……もうフラれちゃいました……」
ほんの少し悲しみをたたえた瞳で、それでもにっこり笑うヒナタ。
「そう……ナルトにね……」
「なっ……なんでナルトくんだって分かったんですか!?」
本気で驚くヒナタに、紅は愛しさと純真さを感じる。
「なんとなく、そう思っただけよ」
紅は、大人な対応をする。
「ナルトくんは、サクラちゃんのコトが好きだけれどそれがオトナの愛なのか分からないって……そう言ってました……」
ヒナタは、膝を抱きかかえ、顔をうずめる。
「私も……ナルトくんを好きな気持ちが、お……オトナの愛……なのか……わ、わか……分かんないです……」
顔を真っ赤にして、消え入りそうな声で必死に告げるヒナタ。
「そ……それに……キバくんが……死んじゃいそうになったとき……すごく悲しくて……。キバくんのこと、すごく大切って思って……。そっ、そういうのが……もしかしたらオトナの愛なのかなって……でも分からなくて……そう思ったらなんだかキバくんと顔を合わせるのが急に恥ずかしくなって……だから……」
ヒナタは真っ赤な顔でちらちら紅を見ては、目をそらし、オドオドしながら……。
「紅先生とアスマ先生のオトナの愛を教えてください!」
紅の顔は、ボッと紅くなる。
「ヒナタ、アスマとは別にその……」
「ちっ、違うんですか?」
こうも真っ直ぐに驚かれると、紅はもう何も答えられなくなる。
「オトナの愛なんて、ヒナタにはまだ少し早いわよ」
紅は、ヒナタの頭を優しくなでる。
「たくさん悩みなさいヒナタ」
「えっ……?」
ヒナタは顔を上げ、紅を見つめる。
「ナルトのことも、キバのことも、今はどんな愛の形でもいい……。心に正直に、好きだと……大切だと……思う気持ちのままに、せいいっぱい愛しなさい。それから、シノや、ネジや、アナタが大切に思う人もみんな……。それがアナタを、忍として、女として……なにより人として成長させるわ」
紅はほほえんだ。
「……はい」
ヒナタもまたにっこり笑い、そして思う。紅のように、凛とした女になりたいと。そうして、大好きな人たちを守ることが出来る、強い人になりたいと。
ナルト『次回は……これぞ青春だってばよ!!!』
人気blogランキング
前へ 目次 次へ
よかったらケータイからお好きなときにご覧になってください^^
ケータイにこのブログのURLを送信!