レースイベントだけ終わらせて北海道を後にするほど、

勿体無い旅程は私たちには有り得ない。

翌日に帯広から函館へと移動した。

予想はしていたがレース期間中落ち着いて食事が出来なかった事に

かなり疲労していた。

ホテルにチェックイン後、夕方に異国情緒な赤レンガ倉庫群を散策し、

とっぷりと日が暮れたところでお目当ての寿司屋へ

鮨金 分店



「お待ちしておりました。先ほどお電話をくださった方ですね。」

タクシーから降りると女将さんが店の戸を開けて出迎えてくれた。

この一言だけでも旅行に疲れた身にはほっとする。

北海道へ入る前にいくつかのブログをチェックした。

このお店の寿司と大将が中々の評判。



まずにこやかな表情で、

「シャリ、山葵、お好みがあったらおっしゃってください。」

本当はその辺を細かく言えるほど私は鮨通ではないのだが、

「じゃ、少し山葵を効かせて。。。」

注文はお任せとした。



カンパチ、マグロ、ヒラメ



シマエビ、赤貝、サーモン、ホタテ

物腰が柔らかく、江戸訛りな道産子の大将の握る寿司はどれもが絶品だった。

若いころ東京で修行し二十数年前に函館に店を構えたとのこと。



真イカの耳、ホッケ貝、カニ




ミンク鯨

どの握りも最高に美味い。

シャリの固さやほぐれ具合、温度までがネタと調和して不自然なところがまったくない。

周りを海で囲まれた函館は、津軽海峡を初め近海の良漁場に恵まれている。

豊富な海の幸は最高の寿司を提供してくれる。



ウニの昆布巻き

「これはGLAYの連中が東京へ旅立つ前の晩にうちに来て食べたやつですよ。」

ちなみに「GLAY」は函館出身。大将は彼らが子供の頃から知っているそうな。

なるほど、彼らをはじめ有名人が足しげく通うのも分かる気がする。

味がいいし居心地もいい。

旅先でこのような店にめぐり合えたことに感謝さえしてしまう。



つぶ貝




鱒子の手巻き

「これは今の時期の日本海であがった鱒から取れる鱒子です。

この時期のが最高なんです。」と教えてくださった。




鱒子

いくらにも似ているがより粒が小さく、より濃厚な海の香りと味がする。

飛び切りに美味い。。。！




ジュンサイ




シマ海老椀物

良い出汁が出た椀物を頂いたころには心も身体もすっかりほぐれ、

酔いもいい感じに回ってきた。

初めて来たがなんだかすっかり馴染みになったような気がする。

大将との軽妙なやり取りが身も心もリラックスさせてくれた。

しばらくして名残惜しくお勘定と。。。呑み代を入れて２人で９０００円ほど。

安い！　飛行機代を払ってでもまた来たいと思う。

「気障」でなく「野暮」でなく。。

本物の寿司に本物の寿司職人。

レースで疲労しきった私たちに潤いが戻ってきた。

「また来たいね。」

嫁さんも上機嫌になり函館山からの夜景を見物に。



この美しい夜景もまた観に来るかもしれない。。。



味処　鮨金 分店
函館市本町１０番３号
tel:0138-51-8537
営業時間　PM5:00～AM2:00
定休日　毎週日曜・祭日


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