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カテゴリ:読んだ本
絵:杉浦 範茂
2012年11月 講談社より スノーホワイト<白雪姫>なんて、とうとうルドルフにも春の訪れを予感させるタイトル。 年齢的にそろそろオトナになってもいいような、ルドルフにはまだまだ無邪気な子供で いてほしいような、ちょっと複雑な気分です。 どんな活躍が繰り広げられるのか、楽しみ♪
以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。 ブッチーがどこかでケンカをしたらしく、怪我をして帰ってきました。 イッパイアッテナはボス猫なので、自分のなわばり内の猫が怪我をさせられたなら 落とし前を付けないと、と臨戦気分。 それを止めるため、ルドルフがブッチーのケンカ相手を探して謝らせるために よそのなわばりへ出かけていきます。 ブッチーが出かけた先は、ブッチーとミーシャの子ラッキーがもらわれていった奥戸。 奥戸のボスはシリウスという猫だったが、最近、白い猫にその座を奪われたらしい、 という噂。 ルドルフは一人で出かけていき、最初に出会った猫を追いかけて公園へ。 そこには20匹以上の猫達と、ペルシャ系の白く大きなめす猫が待ち受けていました。 おおっ、とうとうスノーホワイトとルドルフの出会い。 でもスノーホワイトはプリンセスではなく、姐御でした。 大きいし、度胸はあるし、すごい啖呵をきってくる。 スノーホワイトはシリウスの妹で、病気で入院したシリウスの代わりに、 なわばりを守っているのです。 でも「タイガーがシリウスのなわばりを奪い取って、弟分にくれてやろうとしている」とか 「市川・松戸の猫3000匹が加勢にくる」とか噂が流れたせいで、たとえ死んでも 最後まで戦い抜いてやる!という意欲満々。 説明しようとするルドルフの言葉も、全然聞いてもらえません。 ルドルフは、シリウスの入院先はミーシャのいる動物病院だろうと考え、 自分に危害を加えたらシリウスがどうなるかわからない、とはったりをかまします。 兄を見殺しにできないスノーホワイトは、自分は出て行くから、このシマの猫達の安全を 保証してほしいと頼みます。 ここで、コロッと態度が変わるルドルフ。 それまで、べらんめぇ調で勢いよく啖呵をきっていたのが、 「いや、そこまでしてもらわなくても、ブッチーに謝ってもらえれば それでいいんですけど。」 誤解が解けて、スノーホワイト以下の猫達がいっせいに溜息をつくのが可愛かった♪ 問題が解決して、スノーホワイトはシリウスのお見舞いのため、 ルドルフ達の所へやってきます。 その時に、スノーホワイトが 「一人でやってきたルドルフはかっこうよかったし、あの啖呵は素敵だった」 と言うのです。 おやおや、スノーホワイト的には満更でもない感じ? いよいよルドルフにも春が来るのか!? それはともかく。 スノーホワイトを見たデビルの感想が印象深いです。 「あれは強いな。前足なんて、おまえ(ルドルフ)の倍くらい太いし、しかも脂肪太りじゃ なく筋肉だ。あれで横からパンチ食らって、その上、爪で顔をガリッとやられたら 並みの猫なら、それだけで戦意喪失だな」 デビルのお墨付き。間違いないって感じ。 事件が発生。 ブッチーとミーシャの子チェリーが行方不明になってしまうのです。 捜索にはデビルも活躍。 散歩の時にリードを振り切って、チェリーの匂いをたどってくれました。 おかげで中華料理屋の軽トラックに乗って、本店のある横浜に行ってしまったらしいと 判明。 それにしても、デビルの飼い主さんはいつもデビルを追い掛けて走っていて、 本当にお疲れ様です。(^^; チェリーを探しに、ルドルフとスノーホワイトが横浜へ出向きます。 港をなわばりとする猫達に囲まれてピンチ! しかし、スノーホワイトは強かった。 港のボス猫の顔をガリッとやって、首筋に噛み付いて高く放り投げ、 落ちてきたところへ体当たり。 そのままボスを銜えて海の上に突き出し、落とすぞと威嚇。 ここでルドルフの出番です。 「ボスをサメの餌にしたくなかったら、チェリーを探してこい!」 「悪魔のような計略」とスノーホワイトに感心され、また株を上げるルドルフ。 しかし、チェリーは見つからず。 中華街の方へ戻った2人は、中華街のボス猫ジェントル・ジョニーに出会います。 港の猫達から名前だけは先に聞いていて、「ジェントルというくらいだから、紳士的な猫 だといいけど」などと話していた相手。 ついでに、その時にルドルフが「でもスノーホワイトって白雪姫って意味だけど、 中味は全然違う」と口走って、スノーホワイトに殴られたりしています。 もう、ルドルフったら。女心のわからないヤツ。 ジョニーは本当にジェントルで、迷子のチェリーを保護してくれていました。 友好的で、中華街の美味しい肉まんも御馳走してくれます。 チェリーは、自分の住む場所は自分で選びたかったと、軽トラックに乗った理由を告白、 このまま横浜に住みたい、と言います。 ならば、チェリーが住む横浜がどんな場所か確認するとスノーホワイトはしばらく滞在し、 ルドルフが一足先に東京に帰ることに。 でも、本当はスノーホワイトは観覧車に乗ってみたいのです。 ジョニーの飼い主はこの辺りでは裕福な商人で顔が広いらしく、その関係で ジョニーも観覧車の係員と顔なじみなんだとか。 こうして、ルドルフは東京で待っている仲間達に顛末を説明。 横浜の猫とも親しくなったし、中華料理屋の軽トラックは毎日出ているから これからは横浜とも行き来自由なのかしら? それにしても、お子ちゃまルドルフのロマンスは、まだ先のようです。 スノーホワイトは簡単に恋に落ちたりはしなさそうだけど、観覧車でロマンチックな気分に なったら、ジョニーに口説かれちゃうんじゃないかとちょっと心配。 もっとも強い強いスノーホワイトだから、並みの猫では相手にならなさそうですけど。 がんばれ、ルドルフ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.07.05 12:47:41
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