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カテゴリ:月に咲く花の如く 全74話
![]() 那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay 第29話「夢は大きく」 周瑩(シュウエイ)は商談のため若奥様らしく身なりを整えた。 王世均(オウセイキン)は久しぶりに美しく着飾った周瑩の姿に目を細め、念のため準備していた虎の巻を渡しておく。 こうして雲楽客桟(ウンラクキャクサン)に滞在する童敬夫(ドウケイフ)を訪ねた周瑩。 手の中に隠した虎の巻を盗み見しながら挨拶を始めたが、結局、馬鹿馬鹿しくなって早々に本性を現した。 「童老板、率直に話します、綿花の買い付けでお越しに?」 周瑩は関中(カンチュウ)の綿花は自分が握っていると伝え、適正な価格なら全て売ると言った。 すると相手が寡婦だと甘く見たのか、童敬夫は他の所では1斤50文で買うが涇陽(ケイヨウ)には思い入れがあるので60文で買うという。 周瑩は苦笑いした。 呉家東院の綿花は1斤120文、去年の暴落のせいで関中の綿農家は半減し、湖南(コナン)と湖北(コホク)の綿畑は災害で絶望的となれば適正な価格だろう。 周瑩は今年の綿花は最高値になるはずだと言った。 そこで童敬夫は80文なら全て買うと持ち掛けたが、周瑩は115文までしか譲らず、交渉は決裂してしまう。 すると周瑩はこれから湖南や湖北の商人とも会う予定だと嘘をついて帰ることにした。 「その時は1斤150文で売れるかも~あっ! 船に積みにの場所を確保しているとか~空のまま帰ることになりますね~」 周瑩が部屋を出ると、予想通り童敬夫が呼び止めた。 そこで周瑩は納品時に支払いができるなら110文と提示、見事に交渉が成立する。 しかし突然、沈星移(シンセイイ)が現れ、沈家綿花店の副番頭として割り込んで来た。 「1斤110文で納品時の支払いと聞こえましたが、沈家綿花店も80万斤の綿花を提供できます 品質が良く、値も同じ1斤110文です、ただし代金は7日以内にいただければ結構です」 周瑩は沈星移が邪魔しに来たと気づき、焦って105文に値を下げると、沈星移も105文に下げた。 ただし沈家綿花店なら支払いはあくまで″7日以内″…。 すると憤慨した周瑩はいきなり沈星移の胸ぐらをつかみ、別室に連れて行ってしまう。 ( ゚д゚)<誠に呉家東院の少奶奶なのか?@童老板 (  ̄꒳ ̄)<保証しますw@王 沈星移が綿花を持っているはずがない、そこで周瑩は手を引くと脅した。 しかし沈星移はならば損をしてでも漢中(カンチュウ)で調達して来るとやり返す。 激怒した周瑩は蹴り飛ばそうと足を上げたが、逆に沈星移に足をつかまれた。 「その代わりお前も損するぞ? …俺を追い払いたいなら全ての綿花を1斤80文で売れ、私から童老板に100文で売る」 ![]() 周瑩に綿花を全て押さえられた沈星移は綿農家を調べ上げ、実は周瑩が綿農家に品物を納めたら3日以内に代金を支払うと約束したことを突き止めた。 呉家東院に建て替える余裕などないことは明らか、周瑩は足元を見られ、3ヶ月も奔走して65文で仕入れた綿花を沈星移に80文で売ることになってしまう。 周瑩は部屋を出る前にせめてもの仕返しに沈星移の腰に蹴りを入れ、仕方なく今回は引き下がった。 沈星移は周瑩から買った綿花を1斤100文で童敬夫に全て売りさばき、便乗しただけで1斤20文の儲けを得ることになった。 そこで父に契約を報告、これを教訓に今後はまず市場を押さえるべきだと熱弁を振るう。 黙って話を聞いていた沈四海(シンシカイ)は息子の成長に目を見張るが、甘い顔を見せないよう早々に綿花店を後にした。 一方、沈星移のせいで1万2千両の儲けを失った周瑩の落胆は大きかった。 しかし王世均は一番、稼いだのは童敬夫だと教える。 今年は綿布が高騰するため、童敬夫の儲けは3万両は下らないという。 確か呉家も西院に反物店、中院に織物工房があるが、景気は悪かった。 すると周瑩は早速、趙鴻伍(チョウコウゴ)に来年分の綿花を押さえるよう指示する。 恐らく沈家綿花店はもう動いているはずだ。 「今すぐ発って、奪い合わず、去年の半分ほどの量でいいわ」 屋敷に戻った沈星移は祖母と母から父が自分を褒めていたと聞いた。 父に認められた星移はようやく自分の居場所を見つけ、商売の楽しさを知る。 「今回の稼ぎはたかが知れています、銀2千両の元手で1万両も稼いだ奴もいます」 驚いた夫人はそんな有能な人なら学ばせてもらえと言ったが、星移は学ぶだけでなく戦わねばならないと漏らした。 周瑩は約束通り義母に2千両に利息をつけて返し、さらに配当金を渡した。 今後は稼いだら配当金を出すと約束、母に孝行するのは当然だという。 すると鄭(テイ)氏はこれまで刺繍で得た稼ぎと金目の物を周瑩に差し出し、今後は好きなだけ商いをするよう勧めた。 「家のことは私に任せて…」 「にゃん…ご安心を、絶対に損はさせません」 周瑩は義母が認めてくれたと知り、心から嬉しかった。 そう言えばもうすぐ義母の誕生日、周瑩は祝宴を開いて義母の顔を立てようと決める。 鄭氏は商いのため節約するよう遠慮したが、周瑩は盛大に宴を開くと言った。 祝宴には西院と中院も家族総出で出席し、久しぶりに賑やかな呉家が戻った。 すると周瑩は可愛い盛りの子供たちに目を細め、中でも幼い玉成(ギョクセイ)を抱かせてもらう。 鄭氏はそんな周瑩の様子を見ながら、何とも複雑な心境になった。 ![]() 周瑩は二叔・呉蔚武(ゴイブ)と四叔・呉蔚全(ゴイゼン)に相談があると声をかけ、3人で席に着いた。 実は今回の取引で童老板が関中の綿花を安く買い、武漢で綿布に加工して高値で売りさばいていると知る。 周瑩は綿花を持つ東院、織物工房がある中院、そして反物店を持っている西院、三院で出資し合えば反物業が成り立つと説明した。 陝西(センセイ)産の綿布は圧倒的に生産量が少なく商人の気を引けないが、呉家三院が手を組めば1年で12万反、生産できる。 陝西産の名が広まり評判が上がれば、湖北産の市場にも乗り込んでさらに稼げるというのだ。 確かに魅力的な提案だが、呉蔚武は合資会社となると大きな賭けになると告げる。 すると呉蔚全がまたしても周瑩の前に立ちはだかった。 「はっきり言わせてもらうが、女子が権力を握るのは不吉とされる 大哥がお前を大当主に指名したのは東院に男の跡継ぎがおらぬからだ だが数十年も営んだ工房を差し出せと言われても~そうはいかんな」 宴がお開きになり、一同は東院を後にした。 まず中院の前で呉蔚全たちと別れた周瑩は呉蔚武に改めて自分の提案について意見を聞いてみる。 呉蔚武は長年、反物店を営んでいることから、確かに周瑩の話は筋が通っていると認めた。 するともし周瑩があの堅物の四弟を説得できたら、西院も反物業に出資してもいいという。 そこで別院に帰った周瑩は周老四に協力を頼み…。 一方、杜明礼(トメイレイ)は父を失った胡咏梅(コエイバイ)を心配していた。 そこで刑部に残っていた胡志存(コシソン)の形見を届けるという口実で会いに行く。 しかし隆昇和(リュウショウワ)に戻ると、査坤(サコン)になぜ胡咏梅に1人で会いに行ったのか迫られた。 「天涯孤独になった彼女を心配するのは当然だろ?」 「どうかお忘れなく、ご自分のお立場を…」 そんなある日、屋敷から出た呉蔚全は偶然、門の前で道に迷っている道士を見かけた。 呉蔚全は声をかけて道案内をしたが、道士が自分の顔を見るなり急に怯え始める。 驚いた呉蔚全は逃げ出そうとする道士を引き止め、何かあるのか追求した。 すると道士は今すぐ家に戻るよう勧め、今後は不用不急の外出は控えた方がいいと言って走り去ってしまう。 呉蔚全はいんちきだと憤慨して出かけることにしたが、道を曲がったところで急にすっ転び、立ち上がった途端に鳥の巣が頭に落ちてきた。 「何の祟りだ!歩いてただけだぞ!まったく…」 その時、呉蔚全はふと道士の言葉を思い出し、結局、屋敷に戻った。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)にゃん!力持ちw それにしても弘暦のせいで沈星移にまでイラつくわ__(←とばっちり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.02.18 14:26:15
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