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カテゴリ:九齢公主~隠された真実~全40話
![]() 君九龄 Jun Jiu Ling 第15話「医者の本分」 沢(タク)州の大街に飴売りがすっかり板に付いた方錦繍(ホウキンシュウ)の姿があった。 すると妹の玉繡(ギョクシュウ)が現れ、2人は再会を喜ぶ。 「よかったら別の商いを紹介するわ、経理の知識を生かせるわよ」 玉繡は都の君九齢(クンジゥリン)から届いた文を姉に渡して別れた。 九齢堂が軌道に乗り始めた九齢は錦繍に都へ来るよう勧めた。 …方家で習得した技術を無駄にしないで、都には機会がたくさんあるわ… 九齢とは不仲だった錦繍、しかし新天地を求めて都へ行くと決めた。 周(シュウ)夫人を治してから九齢の評判は鰻上り、あれから半月ですっかり有名になった。 そんなある日、ついに周夫人の勧めで皇族の親戚である定遠(テイエン)侯府からお声がかかる。 すると太医院で最も優秀な江友樹(コウユウジュ)が一月かけても治せなかった林夫人が3日で回復した。 江太医は林夫人が高貴な生まれゆえ慎重に時間をかけて治療を続けて来たが、あと一歩というところで九齢が劇薬を使い、治してしまう。 この話はわずか数日で都中に広まり、江太医の診療を受けていた朝臣の多くが九齢堂に流れた。 当然、面白くない太医院、しかし張(チョウ)太医は周(シュウ)太医からその流しの医者の名前を聞いて妙案を思いつく。 「我らが手を下すまでもない…九齢という名前を使わせたくない者がいるではないか」 陸雲旗(リクウンキ)は一月前に方家の外孫が都に九齢堂という医館を開業し、自らも九齢と名乗っていると聞いた。 「君九齢だと?…なぜ報告が遅れた!」 腹心・金十八(キンジュウハチ)は婚儀の準備を妨げないためだったと釈明し、太医院が意図的に知らせて来たという。 すると陸雲旗は江友樹が勝手に動くはずだと考え、その時は見て見ぬふりをするよう命じた。 九齢は林夫人の治療で定遠侯府に出入りするうち、懐(カイ)王・楚九穃(ソキュウヨウ)の噂話を耳にした。 「懐王殿下の病が癒えないとか…」 「公主が嫁いだあと、気にかけけてくれる人がいなくなったのね ないがしろにされて病を患うのは当然よ」 「お可哀想に…」 一方、陸府では陸雲旗が公主の好物である小豆餅を差し入れた。 「優しいのね、美味しいのよ、食べて見て」 「…苦手です」 すると陸雲旗は夕食を断り出かけてしまう。 実は屋敷では統領と公主が本当の夫婦ではないことが公然の秘密となっていた。 侍女は陸雲旗が妾の元へ通うことを心配して公主の態度を諌めたが、楚九黎は我関せず聞く耳を持たない。 その頃、九齢は定遠侯府からの帰り道、露店で姉の好物の小豆餅を買っていた。 柳児は美味しいと喜んだが、九齢は好きではない。 …これを好んで食べていた姐姐は味覚が変だわ …昔は勧められても断っていたのに、姐姐と離れた今では自分で買っているなんて その時、ふいに朱瓚(シュサン)が現れ、九齢が持ってた包みから小豆餅を取った。 「まずいな~」 九齢は朱瓚に定遠侯府で聞いた話を伝え、懐王を助けたいと訴えた。 しかし朱瓚は皇帝や陸雲旗が流しの医者に懐王を診せるとは思えないという。 九齢はならば朱瓚と親しい太医を遣わせて欲しいと頼んだ。 「力は尽くそう」 そこで朱瓚は自分の診察を口実にして太医院に出向いた。 ちょうど江太医が留守だったことから帰りを待つ間に懐王の記録を調べていたが、その時、偶然にも太医が九齢堂に嫌がらせをした話を聞いてしまう。 九齢が予想した通り、錦繍は陳七と一緒に九齢堂へやって来た。 素直に感謝できない錦繍だったが、九齢はこれから新たな人生を歩もうと励ます。 「その気になれば錦繍姐姐ならどこでも成功できるわ」 「そう思う?」 「もちろん」 喜んだ錦繍は早速、帳簿を見たいと頼んだが、その時、使用人が慌てて駆けつけた。 「一大事です!ごろつきが押しかけて来ました!」 ![]() 九齢堂の前にはすでに人だかりができていた。 すると足を怪我して動けない男が担架に横たわっている。 「お前さんが大夫か?」 「そうです、何か問題でも?」 実はその老師は都でも名医として知られる馮(フウ)大夫だった。 聞けばごろつきたちが怪我人を九齢堂に運び込んだところ、重病ではないので馮大夫の所へ行けと言われたのだという。 馮大夫は病人を選ぶのかと怒り心頭、しかし九齢は男と会ったこともないと否定した。 そこへ朱瓚が現れ、担架の男の足をわざと踏みつける。 「私は成国公世子だ、文句があるなら五城兵馬司を動員しようか?」 驚いたごろつきたちは慌てて逃げて行ったが、担架の男の逃げ足の速さは格別だった。 九齢は自分への嫌がらせに馮大夫を巻き込んだことを謝罪した。 しかし誤解だと分かっても馮大夫は謝らずに帰ってしまう。 すると朱瓚は話があると九齢を茶楼へ誘った。 今回の騒ぎは太医院の仕業だった。 朱瓚は恐らく九齢が林夫人を治したせいで江友樹の怒りを買ったのだと教える。 「だいたい九齢堂の扁額を掲げて目をつけられないはずないだろう?」 「その話は後よ、それで書庫に入れたの?」 「懐王を診察しているのも江太医だった」 懐王の診療録には虚弱体質としか書かれておらず、九穃は効果のない薬を与えられていた。 確かに九穃は楚譲(ソジョウ)にとって目の上のたんこぶ、もし成人して皇太子に封じられていれば今頃は九穃が帝位についていただろう。 朱瓚は江友樹を外し、父と懇意の孫(ソン)太医に変えると約束した。 すると九齢は弟のため、無意識に拝礼して感謝してしまう。 「ここまで真剣になるとは、まるで本当の姉のようだな?」 「…友人の弟は私の弟も同然よ」 錦繍は帳簿を全て確認した。 しかし患者が少なく、給金や備品代、食費がかかり、儲けは少ない。 番頭に抜擢された陳七は珍しい薬材に目を輝かせたが、錦繍は面倒を起こさぬよう釘を刺した。 そこへ九齢に主を見て欲しいという夫人がやって来る。 対応に出て来た九齢はこれまでの処方箋を確認、これで治ると断った。 すると夫人は用心棒に命じ、強引に九齢を連れて行こうとする。 つづく (  ̄꒳ ̄)b<口が悪くても善良でないとは限らないのよ〜 って言ってたのが生きてるね〜 そのまま受け取ってしまうタイプ@管理人…( ̄▽ ̄;)オホホホ〜見る目なくてw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.04.14 21:42:58
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