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カテゴリ:今宵、若様は恋におちる 全38話
春闺梦里人 Romance of a Twin Flower 第25話「第二夫人の罠」 温婉(オンエン)の罠とも知らず、弟が多額の借金を抱えてしまった千怜雪(センレイセツ)。 返済期間はわずか3日、追い詰められた千怜雪はつい皓雪堂(コウセツドウ)の売り上げ金に手を出してしまう。 すると誰もいないはずの深夜の店に温婉が現れた。 「あなたが遅いから心配で迎えに来たの、まさかこんなことをするなんてね」 千怜雪は仕方なく温婉に事情を話し、秘密にして欲しいと泣きつく。 そこで温婉は自分が銭を工面する代わりに、いずれ時が来たら手を貸して欲しいと頼んだ。 翌日、寧鈺軒(ネイギョクケン)は季曼(キマン)に水晶の首飾りを贈った。 しかし運悪く回廊を歩いていた温婉が2人の仲睦まじい様子を見てしまう。 「この水晶には″一生涯2人だけ″という意味があるんだ」 「な~にが2人だけよ?温姨娘がいるのに…」 すると寧鈺軒は温婉とは契約書も結納も交わしておらず、居場所のない温婉を受け入れたに過ぎないと釈明する。 「私を信じてくれ、君を裏切ったことはない」 「あなたを信じるわ」 寧鈺軒の言葉を聞いた温婉は激怒、寝殿に戻ると檀香(ダンコウ)に千怜雪を呼ぶよう命じた。 皆が寝静まった頃、千怜雪は密かに温婉を訪ねた。 しかし温婉の要求が毒で大夫人を害することだと知り、恐ろしくなった千怜雪は協力を拒否する。 すると温婉は弟を海坊へ呼び寄せ、賭場で遊ばせたのも自分だと明かした。 「選択肢は2つよ、弟の骸を待つか、私の銭で弟を救うか」 「…分かったわ」 千怜雪は温婉から毒を受け取ったが、その時、聶桑楡(ニェサンユー)が現れた。 温婉は虫も殺さぬような顔で何も知らないふりをした。 しかし千怜雪は弟を使って脅すなど許せないと激怒、毒を従兄に渡すという。 すると騒ぎに気づいた寧鈺軒が現れた。 千怜雪は温婉が夫人を害そうとした毒だと言ったが、温婉の異変に気づいた季曼は咄嗟に誤解だったと否定してしまう。 「温姨娘、霊芝なら受け取るわ」 結局、この一件はこれで終わりとなった。 実は温婉は千怜雪と会う前、念のため賭場を訪ねていた。 すると秦奕閑(シンエキカン)が借金を肩代わりして弟を連れ帰ったと分かる。 「危うくしくじるところだったわ…」 温婉は千怜雪が聶桑楡と秦奕閑に全て話したと知っていた。 …千怜雪は良心の呵責から季曼に事情を明かした 金を工面しようと店の銀票を盗もうとしたが、温婉に見つかってしまったという 『でもなぜ店に温婉がいたのかしら?』 季曼は全て温婉の企みだと気づいた そこで温婉の要求が何か確かめるよう提案、その間に秦奕閑に頼んで弟の安全を確保すると決める 『これからは何でも私に相談してね、一緒に立ち向かいましょう』… 季曼は寧鈺軒に事の顛末を説明した。 すると寧鈺軒はまた温婉が暗躍していたと知り頭を抱える。 実は例の倉庫の火事にも温婉が関わっていた可能性があった。 「まだ証拠はつかんでいない、でも必ず真相を確かめるよ」 そんなある日、港にいた袁朗(エンロウ)はちょうど積荷を引き取りに来た苜蓿(ムーシュ)と桑葚(ソウシン)を見つけた。 「桑葚姑娘、君の小姐は回復したかい?」 「ええ、水中に落ちたら記憶が戻ったのよ」 驚いた袁朗は積荷の運搬を手伝うと申し出て皓雪堂に同行、久しぶりに季曼と顔を合わせた。 「記憶が戻ったと聞いたよ、全て思い出したとか」 「そうなの、私はおてんばで、父親(フーチン)を良く怒らせたわ」 「もっと幼い頃は?」 「普通、覚えていないわ〜そんな幼い時のことまで、ふふ」 「聶姑娘、実は俺たちは昔…」 袁朗は何か言いかけたが、そこへ桑葚が慌てて駆けつけた。 「小姐~!老爺から文が届きました!海坊へ戻る途中だそうです!」 千怜雪は弟を探しに賭場へ駆けつけた。 しかし秦奕閑が引き止め、会うべきではないという。 実は千炳言(センヘイゲン)は命の危険に晒されてもなお目が覚めていなかった。 そこで秦奕閑は賭場には裏があり、勝たせたい者を勝たせて他が負けると種明かしする。 「お前のような鴨が仕掛けた穴に飛び込むと、深みにはまって全て失うまで抜け出せない」 千炳言はようやく自分の過ちに気づき、涙に暮れた。 すると秦奕閑は黄(コウ)州に用意した職に就き、改心するまで怜雪に会わないよう釘を刺す。 「今度、姐姐に金をせびったら私が容赦しないぞ?お前が望むならきっとやり直せる」 「秦大哥、姐姐に悪かったと伝えてください」 千怜雪はそもそも弟を甘やかした千怜雪にも責任があると苦言を呈した。 「少し苦労させた方がいい、あいつのためだ、見張りもつけてある」 怜雪は素直に秦奕閑に従って見送りは諦めた。 すると秦奕閑は怜雪の手を握りしめ、これまで犬猿の仲だったが、実は言い争わなかった日は怜雪のことが頭から離れなかったと明かす。 「私は…」 「私もあなたが好き、てっきり嫌われていると思っていたから言えなかったの」 「君が私を好きだなんて思いもしなかったよ!」 2人は互いに相手を好きだったが、意地を張っていただけだった。 季曼たちは千怜雪と秦奕閑の急展開に驚きながらも祝福した。 すると秦奕閑が新たな処方で値段を下げた非晩霜(ヒバンソウ)の売り出しに協力してくれるという。 「その代わり怜雪の給金をあげてくれ」 2人の熱々ぶりに当てられっぱなしの季曼。 あれ以来、温婉も鳴りを潜めていたが、それでもなぜか胸騒ぎがしてならない。 その時、季曼はふと新しい非晩霜に違和感があったことを思い出した。 …ねえ、何だか色が濃いような気がしない?… 「苜蓿、店に戻るわ」 秦奕閑は民のため一新した非晩霜を広めようと市で売るよう提案した。 すでに水亦清(スイイーチン)と千怜雪を連れて出かけたという。 季曼は急ぎ医者と寧鈺軒を呼んで薬材を検査、すると誰かが薬材に細工したと分かった。 「牽機散(ケンキサン)です、正常な肌なら問題ないが、傷があると毒で発作を起こします 軽くても半身が不随に、最悪の場合は死に至ります」 季曼は市に駆けつけ、直ちに非晩霜の販売を中止した。 購入した人からは5倍の代金で引き取り、何とか全て回収することに成功する。 水亦清たちは理由が分からず困惑していたが、季曼は毒を盛られたと教えた。 寧鈺軒は官服姿で温婉の寝殿を訪ねた。 想い人の来訪に心が躍る温婉、すると寧鈺軒は贈り物だと言って新しい非晩霜を出した。 「すぐに試せ」 つづく ( ๑≧ꇴ≦)イーニャンがあからさまに黒服w そう言えばムーシュって記憶が戻ったこと知ってたのね( ̄▽ ̄;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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