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カテゴリ:安楽伝 全39話
![]() 安乐传 The Legend Of Anle 第30話 大街で人目もはばからず左丞相・姜瑜(キョウユ)を殺してしまった皇太子・韓燁(ハンイェ)。 しかし投獄された韓燁は洛銘西(ルォミンシー)にも安寧(アンニン)にも決して事情を明かさず、全て独りで背負う覚悟だった。 洛銘西は手がかりを求めて皇太子府へ、すると温朔(ウェンショウ)が昨夜から行方が分からないと知る。 そこで琳琅(リンロウ)に千月閣を使ってくまなく捜索させたが、温朔は見つからなかった。 帝梓元(ディヅユアン)は韓燁との面会を拒んだが、結局、都に留まった。 すると左丞相府を探っていた苑書(エンショ)が偽の梅花衛の令牌を見つけて戻って来る。 梓元は古雲年(コウンネン)だけでなく、実は自分たちも姜瑜の駒にされていたと知り、憤りを隠せなかった。 苑琴(エンキン)は思い立って翎湘(レイショウ)楼の洛銘西を訪ねた。 実はかつて五柳(ゴリュウ)街で温朔が皇太子を助けた話は逆だったと明かし、梓元には伝えていないという。 「小姐は苦労続きでした、都のもめ事には巻き込まれず、靖南(セイナン)に戻って欲しいのです」 「安心しろ、必ず靖南に帰らせる、急いで戻りなさい、梓元が心配するぞ?」 「はい…それから温朔を必ず見つけ出してください」 その頃、何者かに連れ去られた温朔は目隠しされ、暗闇の中で絶望していた。 しかし皇太子から″窮地に追い込まれても決死の覚悟で戦え″と教えられたことを思い出し、後ろ手に縛られた縄を切ろうと格闘する。 …必ず生きて帰るんだ… 五柳街の件を調べていた琳琅は事実が苑琴の話とも違うと突き止めた。 どうやら実際は皇太子が温朔を引き取るため、画策したという。 実は琳琅は常々、疑問に思っていた。 「人と距離を置く太子殿下がなぜか温朔とだけはまるで肉親のように親しく接しています」 温寧は父皇の御宸(ゴシン)殿を訪ねた。 嘉昌(カショウ)帝・韓仲遠(ハンチュウエン)は娘が兄の命乞いに来たと分かったが、もはやかばいようがないと落胆する。 大臣からも厳しい処分を求める奏書が山のように届いていた。 「皆が納得するだけの事情を韓燁が明かすしかない、皇帝といえども叶わぬことがあるのだ」 安寧はすっかりやつれた父を心配し、自分がわがままだったと謝罪した。 「皇祖母を追い詰め、陛下を苦しめ、太子哥哥を守れませんでした…お許しください」 しかし皇帝は娘に罪はないという。 「そちは皇族にあっても自由に生きて欲しい…そう願って来たのに最も苦しめてしまったな」 皇帝は辺境を守って来た娘を誇りだと称賛し、ようやく娘とのまだかまりが解けた。 その夜、洛銘西は任(レン)府を訪ねた。 偽の令牌で梓元もすでに気づいていたが、やはり除夜の宴の刺客も化縁(ケエン)山で韓燁の命を狙ったのも古雲年ではなく、黒幕は姜瑜だったという。 つまり古雲年は姜瑜の思惑により操られていただけだった。 ならば証拠を集めて弾劾すれば済むはず、梓元はなぜ韓燁が自ら姜瑜に手を下したのか分からない。 しかし洛銘西は梓元を巻き込みたくないと訴え、あとは刑部に任せて欲しいと言った。 冷北(ランベイ)は温朔に逃げられたと聞いて憤慨した。 しかし主を失った腹心はもはや配下の統制が取れず、冷北を頼るしかないという。 「左丞相の死で多くの計画が頓挫するだろう」 そこで冷北は朝廷をさらに混乱させるため、皇太子が帝家のために姜瑜を殺したと噂を広めることにした。 皇帝が日に日に追い詰められる中、洛銘西の奏書が突破口を開いた。 しかし左丞相の息がかかった大臣たちが反発し、納得させるためには左丞相の謀反の証拠と殺しの動機が必要となる。 洛銘西は3日以内に示すよう命じられたが、背後で大臣たちを扇動する者がいると怪しんだ。 「真の黒幕はその者かもしれぬな」 そこで洛銘西は沅水閣(ゲンスイカク)の帝承恩(ディチォンエン)を訪ねた。 帝承恩の対応は冷ややかだったが、洛銘西は左丞相の情報と引き換えに素性を教えるという。 「私が今さら知りたいと思う?」 「…鳥や獣でも故郷は忘れぬと言う、本当に知りたくないのか?」 「はお」 その夜、梓元は安楽(アンルー)がもらった婚約の証である玉の如意を眺めながら物思いにふけっていた。 するとふいに姜瑜が皇太子妃に推していたのが北秦(ホクシン)の公主だと思い出し、慌てて席を立つ。 「洛銘西に会うわ」 一方、帝承恩から手がかりを得た洛銘西は任府に向かっていた。 …謀反の証拠は揃った、だが温朔とは何の関係が?韓燁はなぜ温朔を手元に置くため策を講じたのか?姜瑜は帝家の遺児を利用しようと企んでいたいう(はっ)まさか10年前の温朔が?!… 命からがら逃げ出した温朔は任府にたどり着いた。 その時、ちょうど梓元と苑琴が出てくる。 「温朔?!」 「安楽姐…」 「話はあとよ!中に入って!」 梓元は温朔に肩を貸して屋敷へ戻ったが、その様子をちょうど洛銘西が見ていた。 …韓燁はあり得ぬことをやってのけたのか?… 温朔は傷だらけで憔悴していたが、命に別状はなかった。 いきなり襲われたため刺客の顔は見ていなかったが、梅花衛を装った刺客と同じ黒装束だったという。 「安楽姐、同じ連中の仕業だよ!」 「この件は私たちに任せて休みなさい、養生して太子殿下を待つのよ」 温朔の無事な姿に安堵する梓元と洛銘西、しかし韓燁の件は一刻を争う。 すると姜瑜と北秦の結託について調べていた琳琅が任府へ駆けつけた。 「文書庫で左丞相の辞令状を調べ、近侍を尋問しました 姜瑜は西北の辺境で名を上げたのち、20年で左丞相の座についたとか 母親は北秦人です」 冷北は洛銘西が左丞相府から証拠を持ち出したと知った。 思いがけず局面を覆された冷北、姜瑜の身元が割れたなら帝家の配下の扇動は中止するしかない。 「証拠となる品は国に遅れ、西北での反乱を早める」 洛銘西の調査により左丞相が北秦の間者だったと証明された。 皇太子は逆賊を成敗したと認められ釈放、知らせを聞いた安寧と温朔が刑部大牢へ駆けつける。 すると韓燁は元気そうな温朔の姿を喜んだ。 「お前と来たら、自ら逃げ出したと聞いたぞ?よくやったな」 韓燁はそれとなく梓元の姿を探したが、物陰に隠れていた梓元に気づかなかった。 ![]() ![]() 翎湘楼の楼頂。 琳琅は皇太子のために奔走した洛銘西の体調を気遣っていた。 しかし温朔の正体に勘づいた洛銘西は韓燁の梓元への献身には到底、及ばないという。 当時、梓元の弟・帝燼言(ディジンイェン)は皇太子府で病死していた。 まさかその1年後、韓燁が死者を生き返らせ、策を弄して自分のそばに堂々と置いていたとは…。 「大した知略と度胸だ、とても叶わぬ」 洛銘西は自分が梓元のために身代わりを用意したのとは次元が違うと脱帽した。 温朔は自分のせいで皇太子が姜瑜を殺したと責任を感じていた。 しかし韓燁は温朔とは関係ないと安心させる。 「監禁されていた時、頭に浮かんだのは殿下のことでした 家族はいませんでしたが、孤独だったことはなかった 殿下が私を育てて守ってくださったからです、心から感謝しています」 「バカだな、急に何だ」 「殿下のご無事だけが私の願いです、もし私のせいで何かあったら、悔いを千載に残します」 すると温朔は手作りの料理を振る舞った。 …梓元、燼言は成長した、立派な青年になった、安心してくれ、機を見て君に返そう… ![]() ![]() 洛銘西は温朔が燼言だと梓元に伝えられずにいた。 琳琅は主に何か考えがあるのだと思ったが、洛銘西は私心に過ぎないと明かす。 「怖いのだ、梓元が韓燁のして来たことを知るのが…想いを手放せなくなる」 一方、安寧は冷北が北秦の皇子だとも知らず、北秦への恨みを募らせていた。 「もしや私の近くにも間者がいるのかも…早く北西に戻り、軍営内の間者を見つけ出すわ」 その夜、冷北は都に残っている妹を呼び出した。 莫霜(モーシュァン)は姜瑜が北秦人だと暴かれ殺されたと動揺し、兄の身を心配する。 「私たちも巻き添えになるの?」 つづく (」゚ロ゚)」<安寧!後ろ後ろ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.08 21:46:02
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